第7話 調査②
俺はお前を見つけたぞ
「ひとまず、手当たり次第、聞いてみるわ」
俺は、あの関口さんの写真を手に、見覚えがあるか聞きまわった。サイト内の情報では、フリーターや、夜職、警備会社などこちら側が予測できないランダムなスケジュールの人々だらけだった。だから根気よく探す必要があった。骨が折れる調査だが、俺は何かと勘が働きやすく1発目で当たりを引き当てる事が多い。ひとまず警備員に話しかける事にした。
「すみません、少しお伺いしたいのですが?1週間前の3月20日にこちらに立っていた方を探してまして」
「あ、それなら私いましたよ」
「そうですか!」ま、薄々勘付いてたが。
「あのこちらの女性はご存知ありませんか?」
「いやー見覚えありませんね?」
「そうですか、、、」
「もしよければ、その時勤務してた人いま休憩中だから確認してみます?」
「いいんですか?」
「えぇ、あ、えっとどちらさんでしょうか?」
「あ、私、探偵をしてます。長谷川と申します」俺はこれで終わると思った。
だが出てきた人も見覚えがなく、別の警備員をあたる事にした。それから何軒も回ったが目撃情報は無い。仕方なく今日は、事務所に戻った。
「流石に無謀すぎるな〜」
「珍しいですね、いつもは勘が働いてすぐに見つけられるのに」
俺は、何か見落としているのでは無いかと思ったが、特になかった。すると勘が降りて来た!
「そうだ!」
「え?どうかしました?」
「俺も、あの似顔絵を手に探せばいいかもしれない!」
「なんで?あれはただのネットのネタじゃ無いですか!?」
「中森、あのイラストの元を探してくれ」
「えぇー」
「投稿日が一番古いやつを」
「どれだけあると思ってるんですか〜」
「俺は、依頼人に電話して状況報告をしてるから」
「えぇ〜わかりました」
俺は、依頼人と話し、中森は、掲示板を調べた。すると、、、
「ありました!一番古くて2018年6月21日」
「その年、、、もしかして!」俺にはピンとくる事件があった。
警察時代、大量殺人をし現在なお逃走中の男『橋本雅俊』を追っていたからだ。俺は、慌ててある人に電話をかけた。
「もしもし、中島さん?お久しぶりです。実は気になることがありまして。中島くんのパソコンをお借りしても?」
俺は急いで、中森を連れて事件の後、殺されたであろう『中島直人』の自宅に向かった。
「お久しぶりです。実は、今追っている事件と直人さんの事件に関連性が出て来まして」
「パソコンならこちらに」
「ありがとうございます。中森頼んだ」俺は中森にパソコンを預け、中島さんおおかあさんとお話をした。
「犯人はいまだに逃走してます。顔を変えてどこかに潜んでいるのは間違いありません。警察も探していると思われますが目立った動きがありません。ですがもしかしたら今動き出してる可能性が出て来ました」
「本当ですか!?」
「憶測ですが」中森が俺の腕をつんつんした。
「見つけた。この投稿は、ここから出てる」やはり俺の勘は鈍っていなかった。
「そういえばなんで長谷川さんは、探偵に?」
「あぁ、上と揉めまして・・・」
「そうでしたか」
「でも今の方が動きやすいので」
「そうですか」
「・・・すみません、お時間お取りしてしまってお邪魔いたしました。また何かあればご連絡致します」
俺と中森は中島家を出た。俺の中では、関口は、殺されたと思う。夜遅くなった今探すのは、危険が伴う。中森にも危険が及ぶかも知れない。それに今日だけでも嗅ぎ回っているのがバレてるかもしれない。今夜は事務所に泊まろう。
翌朝、関口捜索2日目、ここからは、中森と一緒に行動する事にしよう。ひとまず、関口さんの周辺で死角になりそうな所そこから近い人が寄り付かない所を地図上で探し、何ヶ所か候補を当たろう。そうして、俺たちはお互いに意見を出し合い、グルグルのマップサイトなどで確認しつつ、怪しい場所を見つけた。
「ここやっぱ廃墟でしょ?まじで行くの?」
「とりあえず入ろう」
俺たちは、木や草が生い茂っているいかにも廃墟らしい古民家の敷地内に入った。ドアは固く入ることは難しそうだった。どこか入れる場所をすると謎の甘い香りが鼻に付いた。俺は確信がついた。
「ここから入れる!」中森が俺を呼び止め狭い入り口を通った。
カビだらけで畳も腐ってる中、二手に分かれて俺は匂いのする方に向かうとそこには、関口が目を開けたまま寝転がっていた。外傷はなく、動きもない。
「中森、警察を呼んでくれ」
「なんで?」
「いいから、あとそこから動くな」
「えぇ?」
俺は周囲を警戒しながら、その場をゆっくりと離れて中森と合流した。
「どうしたの?」
「関口を見つけた」
「え!?」
「お前はみるな」
「とりあえずここで警察を待とう」
その後警察が到着し事情聴取受けたが、元警察ということもあり知り合いが中にいて、すんなりそこは返された。遺族にも説明し、約束通り依頼金と調査費を貰った。今回、金はもらうのは苦しかった。他人の死なら関係ないが、昔の事件の関連があるとなると心の底から込み上げる胸糞の悪さと悔しさを感じた。そして、俺も、中森にも危険が迫っている事に不安を隠せなかった。これからどうするべきか?俺は答えがまとまらなかった。
後日、俺たちは、彼女が取材をしていたサイトに彼女の訃報を記載した。
この物語はフィクションです




