第6話 願いと現実
早く私を探してください。
2018年6月19日 東京某所
何が起きたのか僕には分からなかった。目の前は真っ赤に染まっていた。僕は気を失っていたのか?覚えてる事は、目の前で村上さんが・・・山口に・・・僕は気が動転していた。このままだと危ない。僕は少しずつ立ち上がり歩いた。少し歩きふりあえると山口の姿は無かった。『どこに行った山口!』僕は、いろんな感情でごちゃごちゃしている中とりあえず現場から立ち去った。道中、少年にすれ違った。僕は、少年に「この先は危険だから別の道を」と言い忠告した。ひとまず自宅に戻りシャワーを浴び服を着替えて先程着ていた服をゴミ袋に入れて、ごみ収集場に投げ捨てた。
ここにいても落ち着かなかった。僕は急いで実家に向かった。満員電車に乗り、意識朦朧としながら、新幹線に乗り継いだ。新幹線に座るとどっと力が抜け眠ってしまった。電話の通知の振動で目が覚めた。実家からだった。数分後、駅に到着し電話をかけ直した。
「もしもし?母さん?」
『雅俊!』
「何?」
『本当なの?』
「何が?」
『ニュース・・・あなたがやったの?』そう言われて僕は、ニュースを確認した。ニュースでは僕が容疑者になっていた。
「違う!やってない!」
『今どこにいるの?!』
「長野・・・家に戻ろうとしてた」
『わかった。迎えに行くからちゃんと話をして』そうして電話を切り、僕はロータリーから離れた場所で母を待った。母が到着し車に乗り込むと僕は全て話した。何もしていないことも被害者だと言うことも。全て山口がしたということも。母は素直に受け入れてくれた。まさかこんな事になってさらに罪をなすり付けられるとも思わなかった。でもこのままだと警察に行くと逮捕されるし、見つかっても逮捕される。家族で話し合い、山口が見つかり次第、警察に行こうという話になった。僕らは日本の警察を信じ山口が逮捕されることも信じた。2時間後ニュース速報で山口が確保されたと報道された。僕らはほっとしたが、その後耳を疑うことを聞いた。
『山口氏の証言によると、暴走した橋本雅俊を止めようとしたが、止められず怪我を負ってしまった。逃げているのなら早く捕まえてほしいとのこと』僕の頭は混乱した。
僕の真実はちがう、僕はやってない。山口が嘘をついている。両親の顔も強張り、僕は、慌てて家を出た。目の前で起きているのは現実なのか夢を見ているのか?パニックになり、近くの高台の公園のベンチに座って考えたそうかこれは、夢か。夢なんだ!そう思い僕は、高台から真っ逆さまに落ちた。
目覚めるとボロいアパートのよく見る部屋の天井になっていた。スマホの時間を見ると2026年4月2日 4時20分。横には、僕の恋人が寝ていた。
「夢か・・・」
「何?どうしたの?」
「いや、ちょっとね・・・」
「大丈夫よ、ワタルさん」
「うん」僕はまた眠りについた。
薄明かりが部屋に差し込んだ時、スマホのアラームが鳴り、僕は会社に行く準備をした。
『あ、もしもし長谷川さん?中森だけど、あの取材、関口さんので間違いないよ。ちょうどその頃、埼玉県にいたみたいだよ。投稿最後の時間が2026年3月25日になってる。取材日は、3月20日だから間違いないと思う』
この物語はフィクションです




