第5話 調査
この人を探してください。お願いします。
「そんな!ありえない!じゃあ、あの時、あの人はどこにいたのよ!」
「こちらその時の写真と動画です」俺は、パソコンと現像した写真をテーブルに乗せた。
「そんな・・・」
「ひとまず、旦那様の証言と動画の不審な点はありませんでした。では、約束通り調査代金をいただきます。よろしいですか?」
「仕方ありませんね・・・こちらです」
「確かに頂戴いたしました。ではまた何かあれば」
「は、はい、失礼します」女性の依頼人は颯爽と帰っていった。俺は大きくあくびをし、にこやかでキリッとした顔の表情を解いた。
「あーだりぃ〜。女ってのは嫌だね疑い深くて」
「それ、アウトです」
「別に事実なんだから良いだろ」
「それにバレたら終わりですよ!」
「バレねーってこんな、あってないような事務所に捜査なんて」
俺の探偵事務所は、動物探し、浮気調査、人の捜索、事件の調査など普通の探偵事務所で依頼はほとんどが迷い猫か浮気調査。元々警視庁に勤務していたが、上層部のお偉いさんに考えに嫌気がさし、警察を辞めて探偵になった。ちなみにさっきの調査は、依頼者の旦那直々に、お金は出すから、偽装してくれと頼まれた。今俺は、金の亡者だ。依頼主には悪いが旦那と協力して偽の証拠を作った。
「いつか痛い目に遭いますよ!」
「何だよ、味方じゃねーのかよ?お前を食わしてあげてるのは俺だぞ」
「そんな汚い金なんかいりませ〜ん」
「じゃあ今日の給与半分引くから」
「待って!支払いが!」
「うるせ!」
「すいませんでした。私はあなたの味方です」こんなやり取りが毎日だ。アシスタントの『中森』は、元々家出少女で事務所の前でボロボロになりながら座っていたところ俺が拾った。話によると事故で両親が亡くなり、親戚の家からは追い出され、一人で単発でバイトをしていたが収入が足りず簡単に稼ごうとしたら、詐欺に会い依頼を頼みたかったがお金もなく警察は嫌だったので事務所の前にいたらしい。当時年齢は18歳で今は成人して住み込みで働いてる。この事務所がキレイなのは彼女のおかげだ。ジム作業をしてると、事務所のドアが開いた。そこにやって来たのは、スーツ姿の年老いた男性だった。男性は緊張したように落ち着きがなく、震える声で
「あの〜お伺いしたいのですが、、、人探しなど可能でしょうか?」
「人探しですか?」アシスタントの中森が答えた。久々に来た人探しの依頼に俺は少しワクワクしていた。
「なるほど、『関口 ひとみ』さんですか」俺は依頼人から写真を受け取った。
「はい、私の娘なんですけど。仕事先から連絡があり、出勤していないと。連絡も取れず、娘の自宅に行っても音沙汰なく、警察にも行き探してもらうようにお願いはしたのですが、軽くあしらわれて、探偵事務所でいいところ調べたらこの事務所を見つけて」
「そうですか、最後に連絡を取ったのはいつですか?」
「えぇ、私の家内の方に先週電話があり、いつも通りの会話をしていました」そのあと俺は関口ひとみの父親からいろんな情報を聞き、会社に行くことにした。
「探偵?」
「えぇ関口ひとみさんについてお伺いしたいのですが」
「あぁ彼女ね、もしかして行方不明?」
「今のところは、そうです。それで関口さんのお仕事内容などは?」
「アパレル編集です。取材したり色々」
「ここ最近不審な点などは?人間関係、会社でのミスなどは?」
「特にありません、強いていうなら取材帰りの時間が少し遅いぐらいだったかな?」
「最後にお会いしたのは?」
「うちは基本リモートだからねぇ、3月20日かな?」
「出勤はされてるんですか?」
「いえ、会社のルールで取材の時は必ず出社して報告するルールなんですよ」
「なるほど・・・あ、お忙しい中、ご協力ありがとうございます」
「もういいの?」
「えぇ、ひとまず、またお伺いするかもしれませんが、失礼します」
「そうですか」俺は一旦事務所に戻った。
「中森?何かヒットした?」
「一応SNSとかはあるけど、アパレルの記者って感じ。意識高いわ〜」
「そうか〜」
「あ、でも一つ変なのあった。これ」関口がスマホを見せてきた。
「この投稿だけなんか異質なの」そこには誰かを探している内容が書かれており、返信に該当者がいたらしくDMに誘導していた。
「このアカウントに連絡とってみるか」
「オッケー」返信が来るとは思ってはいなかったが即返信がきた。
何度かやり取りをし、彼女が誰を探しているのか聞いた。すると1枚の似顔絵が送られてきた。見た感じものすごく不気味な顔だった。この顔を検索にかけると、掲示板にたくさん拡散されているようだ。コラ画像や、デフォルメされたりと様々存在した。正直我々は、ネットのおもちゃに騙された気分だった。すると一つのリンクがあった。そこをクリックすると、取材記録が載っていた。内容はバラバラだったが一つだけ取材地域がまとまっている所が現れた。『埼玉県さいたま市』我々は、すぐに向かうことにした。道中、関口さんの職場に彼女が取材に向かった場所をリスト化して事務所に送ってほしいとお願いし、俺は埼玉県に向かった。
フィクションです




