第18話 タイムリミット〜橋本釈放〜
俺は、取り調べがどこまで進んでいるのか気になってしかたなかった。
「筒井、この前の報告書忘れるなよ、あと身元について遺族にしっかり説明できるようにしろよ」
「はい、かしこまりました」
部長にタスクを与えられたが、身にならない。逮捕されて1週間が経とうとしている。この事件は長谷川と共に調査してきた。当時を知る俺が外されてる理由がわからなかった。
監視室
「特にあれ以外、自供なしか・・・」
「証拠も、さすがに袋までは見つかりません」
「遺体にも彼の所持品にも指紋もなければ皮膚片もない。これはかなり計画的犯行の可能性はある。最後まで粘るぞ」
「わかりました」
「部長、報告書です」
俺は報告書を渡し、休憩室でコーヒーを飲んだ。
「お疲れ様です。筒井先輩」
「おう、三浦か」
俺の部下の三浦刑事。この事件は彼が担当することになった。
「それで、どうなんだ?何か話したか?」
俺は気になって三浦に聞き出そうとした。後輩なら口を漏らすかも知れないと思い。
「ダメです先輩、話すなって口止めされてます」
「そうだよな、悪い」
俺の教育が良かったことに少し後悔した。
「とりあえず20日は拘束だろこの様子なら」
「だから言いませんて!」
「独り言だって〜三浦くん〜」
「ハァ〜わかりました。僕も独り言です」
そう言って話し始めた。
「長谷川さんの証言として一致してますが、それが真実とは限らない。それに証拠もない。だからちゃんと法で裁けるわけではない。期日までに何も出なかったら、証拠不十分で釈放。野に放たれて警察は関与できない。あらゆる手を駆使しても一向に黙ったままこのままだと確実に釈放です」
その言葉を聞いてはらわたが煮え切りそうになった。完全なる黒、それで置いても証拠不十分なだけで釈放だなんて。最悪な奴はどこまでも最悪なのか・・・
「わかった、なんとかしてみる」
「え!?ちょっと勝手に乗り込まないでくださいよ!」
「わかってる!もしものために、あいつに伝えておくだけだ。あいつは警察じゃない探偵だ」
その後、俺は、長谷川に全ての現状を話した。
『そうなると思ってた。それで、いくら払う?』
「言い値で答えよう。・・・でも限度はあるけど」
『そう・・・昔のよしみだ。20万でやろう』
「良いのかそんなに安くて!?お前らしくない」
『俺も決着を付けなければならない。逮捕はできたが、法で裁けないのなら逮捕も意味がない』
「ありがと・・・」
『その代わり!何かあったらすぐ俺に情報よこせ!』
「わかった、約束する」
そう言って俺は電話を切った。
監視室
「もうすぐ時間です」
「わかった。このことは、報道には流すな。警察の威信に影響する」
「バレたら?」
「大丈夫。いつも通りやるだけだよ」
警察署・外
『もしもし、長谷川!車のナンバーは〇〇ー〇〇だ!黒の車だ』
「了解、確認した!」
『夜中のだから怪しまれるなよ!』
俺は筒井に言われた通りに、車を追尾した。
車は、人里を離れ、そこで車が止まった。周りは静かでそこから橋本が無理やり下された。車は去り、橋本一人が残された。
橋本は何かをするわけもなくとぼとぼ歩いていた。俺は遠くからゆっくり橋本を追跡した。
電話が鳴った。
「バカ!バレるだろ!?」
俺は慌てて電話をとり静かな声で喋った。
「もしもし!」
『あ、長谷川さん?いまどこですか?』
「今は、ちょっと出かけてる」
『石川さんがきててお金を返しにきたみたいです』
「そうか、ありがとうと伝えてくれ!」
『会いたいみたいなんです。直接会ってお話ししたいそうで』
「今なのか?」
『いえ、でもできるだけ早く良いそうで、1週間後、地方にいくらしく』
「なんでだ?」
『就職先決まったみたいで』
「そうか、なんとか時間を作る!」
『お願いしますよ〜』
そう言って電話が切れた。ここにきてありがたい反面、厄介だと俺は思った。
橋本はどこだ?辺りを見渡したが見つからない。
「くそっ!」
俺はそのあと車で周辺を捜索した。
長谷川探偵事務所〜橋本釈放後〜
「ごめんなさい、今日は無理みたいです」
「そうでしたか・・・」
「1週間以内には時間作ります」
「わかりました。ありがとうございます」
『ZZZZZZ・・・・ZZZZZZZ』電話の音がした。
「石川さん電話が鳴ってますよ?」
「あ、えっと〜・・・ちょっと失礼します」
「あ、お気になさらず!」
そういって、石川さんは事務所の外に出た。
「もしもし・・・」
『僕だよ、ワタル!電話番号変わってなかったんだね!』
「・・・・ワタル」




