第15話 捜索 長谷川視点
「あチッ!」
「わかりました。直ちに捜索します」
俺は筒井の慌てように驚きつつも、筒井に言われたまま公衆電話を探しに行った。その後別れて周辺を探した。しばらくして筒井から無線が来た。
「長谷川、ここら辺だとどこが怪しい?」
「俺のところはもうない。お前のところは50メートル先にある」
俺は、事務所方面に戻ることにした。すると、首に痛みと熱さを感じ、体を硬直し気を失った。
目覚めると、薄暗く懐中電灯とランタンの光で照らされていた。どこかの倉庫だろう。体は椅子に縛られて、身動きが取れなかった「起きたか」俺は意識が朦朧としてる中、声のする方を見た。
そこには男がいた。視界が元に戻ると目の前には橋本がいた。
「橋本!」
「なぁ、俺はこの後どうなる?教えてくれ」
「ふざけるな、縄を解け!」
「いいから・・・答えてくれ・・・」俺は橋本の異様な落ち着きように同調され自然と落ち着いた。
「どうなるって、終身刑、最悪は死刑だ。お前の場合、死刑だろうけどな」
「そっか〜〜〜」納得したように橋本が答えた。すると気の抜けたように喋りかけてきた。
「ねぇあんた、探偵?刑事?昔あった気がしたけど」
「元々刑事だ。今は探偵」
「クビになったの?」
「違う、自ら辞めた」橋本の表情が少し険しくなった。
「そう、エリートか」
「そんなんじゃない」
「いや、そうだ公務員の時点でエリートじゃないか。僕と違って」俺は黙った。
「僕が就職にうまくいけばこんな事にならなかったのに」橋本が自語りを始めそうだった。
「僕だって、普通だった。それがあんなクソみたいな会社でこき使われた挙句、好きな人も殺され」
「待った、殺された?」
「あぁーそうだよあの山口が」
「山口?」
「俺は、あいつのせいでこうなった。あいつが村上さんを殺してその後、周りの社員を殺して自分で死んだ見せつけるように」
「ほんとか?」
「信じてくれよ!」
「わかった信じる!落ち着け」落ち着きを取り戻し話し出した。
「その後、わかんなくなって、あいつのナイフを持って、改めてあいつを刺したんだ」その発言に俺は驚きを隠せなかった。
「そしたら、ものすごく気持ちくて、全ての怒りをあいつにぶつけて何度も刺した。その後はもうその場から逃げる事にした」
俺は少し言葉が出なかったが、息を吐いて吸った
「その後の、直人君は?」
「誰?」
「お前が殺した中学生の。犯行後すれ違った」
「あぁ〜あれは、俺じゃない。あの時は実家に逃げて身を隠してた」
「お前の両親は?」橋本の表情がまた険しくなった。
「あれは警察のお前らのせいだ!」橋本は静かに声を荒げた。
「しつこく家に押し寄せて・・・そのせいで周りからも変な噂が立って親は頭がおかしくなって」橋本は泣き崩れた。
「橋本、3年前の村上の弟、その後の高校生、今年の記者について詳しく話してくれ」
「俺は知らない」
「殺してないのか?」
「3年前は、警備会社に雇ってもらって、、、彼女を養ってて・・・」
「記者は?」
「今年は真面目に働いてたよ。彼女との結婚を考えてでも・・・」
俺はあまりの証言に気が緩んでしまった「つまり全て濡れ衣だったのか?」
「そうだよ!俺はなんもしてない!でも、美来を・・・」
「彼女は生きてる」
「え?」
「今は私のアシスタントと一緒に暮らしてる」
その発言をした時、俺は病院での自分の発言を公開した。俺はなんて酷いことを。
「どこに?」
「東京の警察保有のアパートに」
「そうですか・・・」すると橋本が顔色を変えた。
「住所は?」その瞬間俺は嫌気がさした。
すかさず考え導き出した答えは「教えてあげたいけど、このままじゃねぇ?俺は、橋本のこと信じるからさ、橋本も俺のこと信じてくれよ。だからこれを外してくれよ。そしたら教えるからさ」
「住所は?」効かなかった。
「いや外してくれたら教えるからさ。スマホの中にメモしてて」橋本がポケットをモゾモゾした。
「これ?」俺のスマホだった。
「古い型だな」
「指紋式だからさ、縄解いてくれないと教えられないよ」頼む最後の望み。
「わかった」そう言って橋本は縄を解いた。手だけ使えるようになった。
「ありがと、渡してくれ」スマホを渡された。
俺は、嘘の住所を出し、スマホを投げた。橋本がスマホに気を取られてる間に秘密のポケットから小刀を取り出し、足の縄を切り解いた。その瞬間を橋本に見られたが、蹴りを1発入れてギリギリのところ逃げ出すことができた。暗かったがうまく道を見つけて逃げ出すことができた。しばらく進み、遠くの方に明かりが見えた。急いでそこに向かった。
そこは、民家で俺は少し安心した。急いでドアを叩き、事情を説明し中に入れてもらった。ここではおじいさんが一人暮らしをしていた。
「ありがとうございます」
「今日は、泊まってけ」
「でも今日中に行かないと」
「お前さん何も持っておらんじゃろ」
「じゃ電話だけでも」
「今は止まっとる」
「明日朝になったら街まで送ったる」
「そこからは警察の手でも借りろ」
「わかりました。お世話になります」
そうしてその日は泊まり朝になり、軽トラで街まで送ってもらい公衆電話代を借りて、中森に電話をかけた。
「もしもし、中森か?すまん、奥多摩まで迎えに来てくれないか?」
『奥多摩!?わかったすぐ行く。石川さんは?いるよ」
「わかった一緒に来てくれ」これで何とかなる。その後1時間半待って中森と合流した。
「よかった」俺はそう呟き安心して寝てしまった。その後、俺は事務所に戻り、荷物をまとめて姿をくらました。絶対捕まえてやる。
1ヶ月後・・・
「あ、中森さん。電話した筒井です。実はお伝えしなければならないことが」俺は息を呑んで告げた「長谷川が遺体で見つかりました」中森さんは無表情だった。




