第10話 私たちの命【後編】
どこに消えた
「堕ろせ」
「え?」
「いいから堕ろせ」
「待って何言ってるの?私たちの子よ」
「この話はやめよう」
「ちょっと待ってよ!」
僕は、家を飛び出した。
「子供だって?ふざけるな!俺の子供?勝手にしやがってあの女」僕の頭は混乱した。
それと同時にとある衝動が現れた。危ない。見つかる。俺は、抑えようと深呼吸をして落ち着かせた。今のところ探してる人はいないはず。あれとの関係性は言及されてない。いや、あれは俺じゃない。山口のせいだ。そう、こんな事になったのも全部山口のせいだ。あいつを殺しても殺し切れない。
「くそ!ふざけるな!」俺の頭はまた混乱しはじめた。何がしたいんだ!
「くそ!くそ!くそ!」それから俺は、1時間ほど散歩し自宅に帰った。
「おかえりなさい」
「・・・・」
「気にしないで。堕すから。貴方のためだもん」
「・・・・」俺の心はものすごく荒れた。
命の価値というものを軽く見ていたからこそ、新たに命に触れるということが理解できなかった。
「ごめん・・・」
「ううん私も勝手なことしてごめんなさい」
「君のことはものすごく大切に思ってる」
「ありがとう」
「だからこうしたほうがいい」
俺は、彼女の首をベルトで縛り、力任せに首を絞めた。目の前で苦しがりもがく姿を俺は泣きながら無表情で見届けた。
「山口のせいだ・・・」彼女は、動かなくなった。その後、俺は、家から出た。
2026年3月29日
俺は、今回警察とともに、『橋本雅俊』捜索に関わる事になった。警察を辞めたのに警察に戻るなんて信じられなかった。だが、中森を守るために仕方なかった。
「よう!長谷川!久しぶりだな!」元同僚に話しかけられた。
「おう、筒井」
「せっかく警察やめたのに災難だな」
「まぁ俺のやりたいように動くけどな」
「残念だが、それは難しいかもしれんぞ」
「何で?」
「ま、すぐにわかるさ」
捜査会議が始まった。指揮官は、俺がばちばちにやり合った上の奴等だった。
「マジかよ」俺は身構えた。
捜査会議は順調に進みいろんな情報が開示された。怪しい人物、怪しい地域、関連性の高い事件様々な情報が開示された。その中から、配属が決まりついに俺の名前が上がった。
「先日『関口ひとみ』の遺体を発見した長谷川くんには、この地域を回ってもらう」
その場所は、まるでついでのように作られたエリアだった。捜査協力を依頼しておいて捜査させる気が全く感じ取れなかった。期限は2週間それまでに情報がなければ中森の護衛は解除となる。それが条件だった。仕方なく俺は一人で現場に向かった。勘が鋭いとはいえ、ただの住宅地で情報もなしに探すなんて難しかった。ひとまず3日かけて、エリア内の家を見て回った。散歩してる風を装って行き交う住人を見ていた。たまに声をかけて、探し他人、駅の方向など当たり障りない内容を聞き回った。1週間が経ち、新たな情報がなかった。中森もひたすら事務所にいるのも辛く、一緒に捜査する事になった。二人でウロウロしたり休憩したりして夜遅くになった。すると何故か降りてきた。そこには1組のカップルがいた。俺は中森を連れたそのカップルに話しかけた。
暗かったこともあり顔は見えなかった。
「私、ちょっと人を探してまして、ご自宅はこの辺でしょうか?」
「いえ、もう少し先です」男性が答えた。
「そうですか」
「失礼しても?」
「あ、少しだけ・・・私、探偵をしてます。長谷川と申します。こちら助手の中森です」
その後違和感のないように、話を聞き立ち去って行った。
俺は少し気になり、二人をつける事にした。そして自宅を判明、警察に報告をしたが案の定決定的な証拠も無いのにと突っぱねられた。
翌日を改めてその住民を調べた。
「家の名義は、石川美来・・・彼女の名前か」
警察のデータベースおかげで個人的な情報は、筒抜けだった。戸籍、通院履歴、逮捕歴、さまざまな情報が載っていた。調べると、両親は離婚、その後、母は失踪。母型の祖母に家に引き取られ、彼女が22歳の頃祖母が死去。その後、補導されている。調べるうちに医療診断書を見つけた。
『心因性一過性健忘』
記憶喪失か。その後目立った記録はなし仕事もしていないみたいだ。彼氏に払って貰ってるのか。特に異変もなく俺は中森と共に家の近くを張り込んだ。すると彼氏が仕事に出掛けた。俺たちは彼氏側を尾行した。特に異常はなく、とある施設の中に入った。高層ビルの裏口から入った。この先は、入り込めないので俺たちは、自宅の方へ戻った。特に異常がないまま16時ごろになり、石川さんが帰ってきた。その後、夜になり彼氏さんが戻った。しばらくした後、彼氏が家から出てきた。俺たちもすかさず、尾行した。彼氏は怒っているようだ。俺は危険を感じ、少し距離をとって尾行した。でと特に異常はなく、ひとまず今日で張り付くのはやめる事にしようと思った。その後、彼は自宅に戻り落ち着いた空気を感じその場から離れようとした。すると慌てて彼氏が出て行った。
俺は、彼氏ではなく、自宅が気になった。慌てて自宅に向かいインターホンを押した。すると返事がない。ドアの鍵は空いており、自宅に侵入したすると石川さんが倒れていた。首元にはベルトが巻かれており私はすぐに駆け寄りベルトを外した。鼓動を感じた
「中森!鍵を閉めろ!後救急車!」
「はい!」俺は、蘇生を行った。
「頼む!頼む!戻ってくれ!」
「もしもし?急いで来てください場所は・・・・・」
「起きろ!起きろ!」
俺は蘇生を続けた。
「もしもし、あ、僕です。鈴木ワタルです。すみません。今日、限りで本職場を退職させていただきます。いろいろお世話になりました。」
この物語はフィクションです




