無能追放の錬金術師、王都に呼ばれる
街での戦いから数日。
俺――レオンは街の宿で、爆発実験の記録を整理していた。
「……改良の余地はまだあるな。威力を上げすぎると街ごと吹き飛びかねない」
そのとき、宿の外が騒がしくなった。
「王都からの使者だ!」
「例の錬金術師を探しているらしい!」
俺は窓から外を覗いた。
鎧を着た騎士たちと、豪奢なマントを羽織った役人。
群衆に取り囲まれ、俺の名が叫ばれている。
「街を救った英雄、レオンはどこだ!」
「勇者様を超える力を持つ錬金術師だと聞いた!」
……勇者様? 俺を追放したあの連中のことか。
皮肉だな。無能と呼ばれた俺が、英雄として噂されているとは。
使者たちは宿に押しかけ、俺の前にひざまずいた。
「レオン殿、王都は貴殿の力を求めています。ぜひご同行を」
周囲の冒険者たちがざわめく。
「すげえ……王都に呼ばれるなんて」
「これで錬金術師の地位も変わるかもしれない」
俺は答えず、ただにやりと笑う。
「王都か……いい。だがその前に、もうひとつ実験をしておきたい」
俺は街の広場に設置していた奇妙な装置を指差した。
大小の歯車と銅線で作った「科学の結晶」。
火花が散り、次の瞬間、空へ巨大な閃光弾が打ち上がった。
夜空を切り裂く光に、人々は息を呑む。
「な、なんだあれは……!」
「魔法じゃない……錬金術師の技だ!」
俺は笑いながら告げる。
「これは狼煙だ。俺の力が、王都だけじゃなく世界に届く合図だ」
騎士や役人の顔が強張る。
俺の科学チートは、もはやただの爆弾にとどまらない。
世界を変える“発明”となりつつあった。
その夜。
王都の玉座では、勇者パーティの連中が報告を受けていた。
「レオンが……街を救った? 無能だったはずの男が?」
「チートを手にしたなら放置できぬ。王都に呼び寄せ、力を奪うべきだ」
玉座の王が静かに呟く。
「ならば、彼を迎えよ。英雄としてか……あるいは、処刑するためにな」
――こうして、追放された“無能”の錬金術師は、王都を巻き込む大きな渦へと踏み出すことになる。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
街で英雄と呼ばれるようになったレオンさんですが、いよいよ王都に動きが……!
しかも彼が作った「閃光弾」が、物語をさらに大きくしていきます。
追放した元仲間たちとの再会、そして王都に渦巻く陰謀。
科学と魔法がぶつかる次回からは、さらにスケールアップした展開になります。
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次回もぜひお楽しみに!




