プロローグ
「――お前は役立たずだ。今日限りでパーティから追放だ」
その一言で、俺の人生は終わった。
勇者一行の錬金術師として十年間尽くしてきたのに、だ。
攻撃魔法は使えない。回復も中途半端。
俺の取り柄は、素材を調合し、薬や爆薬を作ることだけ。
けれど仲間たちは言った。
「薬なんて商人でも買える。お前はいらない」
……そうして、俺は路地裏に叩き出された。
無能の烙印を押され、居場所を失った。
だがその夜。
手元のステータスに、見慣れない項目が浮かび上がった。
【スキル:化学知識】
「……は? “科学”?」
それは、この世界に存在しないはずの概念だった。
火薬、硝酸、鉄精錬、蒸気――俺の前世で学んだ知識が、まるごとスキルとして蘇ったのだ。
無能と蔑まれた俺は、気づいてしまった。
この世界の理は、俺の知識ひとつで覆せる。
「追放だって? ――いいだろう。なら俺は俺の力で、この世界を変えてやる」
ここまで読んでくださってありがとうございます!
無能だと追放された主人公が、じつは「科学知識」という唯一無二の力を持っていた――
まだまだ序盤ですが、ここから一気に物語が加速していきます。
「え、そんなことできるの!?」って驚かれるような展開を仕込んでありますので、ぜひ次話も覗いてもらえると嬉しいです。
ブクマや感想をいただけると、作者がめちゃくちゃ元気になります!
それでは、次回「科学でぶっ飛ばす最初の戦い」でお会いしましょう!