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「みなさま、ごきげんよう。“異世界の姫”チャンネルへようこそ。わたくし、今日はペットのリリアンちゃんとダンジョンに来ておりますの」


『1コメ』

『かわいいリリアンちゃん』

『リリアンちゃん推しがもういる』

『あの男許さない』

『まだ言ってる怖い』


「リリアンちゃんがいるから、百人力ですわ! では、五十階層を探索していきますわ!」


『まてまて、いつの間にそこまで進んだ!?』

『『姫様、メイドちゃん、説明!!』』


「まぁ、スパチャありがとう存じますわ」

「姫様はお時間がおありですので、たまに探索して撮り高のある階層まで進んでいらっしゃいました」


『撮り高』

『姫様が撮り高』


「ということで、今回はペットのドラゴンとダンジョンのドラゴン、どちらが強いか!? ですわ!」


『リリアンちゃんの寿命きた』

『天寿をまっとうさせてやってくれ』

『かわいそう、リリアンちゃん』


 わたくしが手乗りサイズのリリアンちゃんを撫でると、コメントが荒れましたわ。リリアンちゃんは強いから問題ないのに、皆様……。



「では、早速ドラゴンを倒していきましょう」

「姫様、あちらの世界ではドラゴンと戦ったことがないはずですよね? なんでこんなに手慣れていらっしゃるのですか?」

「あ、」


『あ』

『姿の見えないメイドちゃんからの圧が怖い』

『メイドちゃんに隠れてダンジョンに乗り出す姫様の幻覚が見える』

『姫様が詰められてる』

『姫様命系のメイドなのに、怒るときは怒るよな』


「で、では、気を取り直しますわ! ドラゴン対決始まりますわ〜!」


「姫様!??? 逃しませんよ!」


『逃げた』

『姫様の逃げ足が早すぎる』

『メイドちゃんも早い』

『この揺れ酔いそう』

『ドローンこんな早く飛ばせるの?』

『近くでメイドちゃんの息が入ってるから、メイドちゃんが走ってるんじゃない?』

『世界新記録超えるぞこれ』

『SASUKE見てる気分』

『これは何度かドラゴン倒してる身体能力』













「では、ドラゴンと出会ったところで……いけ! リリアンちゃん!」


『ボールから出てきたらポケモン』

『リリアンちゃんみたいなのいそう』

『ちょっとリザードンっぽくない?』

『手乗りサイズだけどなw』


ぐおおおおおおお


『ドラゴンのブレス、こわ』

『アトラクションみたい』

『USJにあるよね』

『ハリポタじゃん』



「リリアンちゃん! 好きに倒していいですわよ!」


『飼い主の無茶振り』

『小刻みに震えてかわいそうリリアンちゃん』

『小刻みに震えて?』

『でかくなってね?』


 本来の大きさを取り戻したリリアンちゃん。わたくしが王家の一員として授けられたドラゴンですもの。強いに決まっているでしょう? 聖なるドラゴンのリリアンちゃんは、大きささえも自由自在に変えられるのですわ!


『異世界からヤバいもん持ち込んでる』

『どうやって撮影してるんだろうな』

『メイドちゃんの加工スキルすごい』


「姫様! 規約に違反してしまいます!」


「そうでしたわ! リリアンちゃん! できる限りそのままの形が残るように倒してちょうだい!」


『無茶振りがひどいww』

『リリアンちゃんでも流石に無理だろ』


ぐおおおおお!

 かわいいリリアンちゃんが、声を上げて予備動作に入ります。


「リリアンちゃんの聖なる息吹ですわ!」


 わたくしがそう言うと、リリアンちゃんが輝く光を勢いよく吐きました。


『名前すごい』

『光量すごい』

『眩しすぎるから、姫様こういう時は注意書き必須!!』


 リリアンちゃんの聖なる息吹がおさまると、あたり一面を照らしていた輝きは収まり、動かなくなったドラゴンがいました。


『おわった?』

『リリアンちゃん強すぎ』

『一撃必殺じゃん』

『命中率低そう』


「リリアンちゃんの聖なる息吹は、外れたことがありませんわ!」


『反則技』

『ポケモンなら大会出禁』

『強すぎてウケる』



「ということで、ペットのドラゴンとダンジョンのドラゴンでは、ペットのドラゴンが強かったですわ! では、皆様、チャンネル登録、グッドボタンどうぞお願いいたしますわ! ごきげんよう!」






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