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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

奪われし者

作者: アスパラ

俺は人を殺した

そして奪われた...

俺の幸せを返せ

「えー今、佐々木容疑者の身柄を確保したと情報が入りました。」

夕方のテレビにそんな物騒なニュースが流れた。

俺の名前は佐々木宏樹。俺は 人を殺した。

10年前

2030年5月3日「池袋無差別殺傷事件」ー死者31名 負傷者117名

俺は、嫁の莉奈と娘の芽衣と休日を池袋で過ごしていた。何一つ俺の人生に問題はなかった。嫁とは大学のサークルで出会いそのままゴールイン、娘は今年で5歳になるはずだった。俺には...俺たちには未来があった。幸せでいるという未来が。

あの時2人から離れていなければ...事件が起こったときはゴールデンウィークの真っ最中だった。俺は2人を公園で休ませ、コンビニで買い物をしていた。

事件発生。最初に聞こえたのは女性の甲高い悲鳴、そして数秒後にとてつもない爆発音が池袋のビル群を飲み込んだ。群衆は我先にと逃げ出す、その時は他人の命など雑草に見えるのだろう。転んだ人を何百人が踏みつけ、子供を押し除け老人を置いていく。

芽衣は群衆という津波に流されてしまった。そして莉奈は必死に追いかけた。あの時の莉奈の心境を思うと俺は胸が苦しくなる。そして繰り返される爆発音、聞こえる悲鳴、地面に描かれる赤い血のサイン。犯人はロングナイフも所持していた。俺が公園に戻った時には2人の姿はなかった。目に映るのは逃げ惑う他人ばかり。どこだ,,,携帯も出ない。俺の頭が最悪に包まれる。皆が逃げる方向とは逆の方向に進み、犯人と鉢合わせてないことを祈るばかりだった。


3日後

悪魔は俺から家族をとりあげた。昨日までは隣にいたのに...莉奈の包んでくれるような優しさも、芽衣の天使のような笑顔も。俺は                                  全てを奪われた。

2人は殺された。芽衣は転んで動けないところにナイフで首を切られた。莉奈はそんな娘を庇って、背中を4回刺されていた。

許せない、やるせない、無念、怒り、悲しみ、憎しみ。俺は前に進めなかった。俺の幸せはもう死んだ。

犯人を殺す。それだけが今俺が生きている理由だ。犯人は30分の犯行の後、警察に降伏したらしい。その後の取り調べから犯人は「シリアルキラー」ということがわかった。

動機が何であっても俺のやることは変わらない。仕事を辞め、貯金を全て使い、時には人に言えないことにも手を伸ばした。

そして時は流れ10年後、死刑囚となった奴のいる拘置所を突き止め、俺は復讐を果たすため刑務官になっていた。そして奴に近づく機会が生まれた。隠し持っていたナイフを持ち、俺は復讐を果たした。

初めて描きました。お手柔らかに

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