モニター+レバー+スイッチ=胸の高鳴り
どこまで続けるかは不明です。何かしらの切りのいいところまでは書きますが。
とりあえずロボット物が書きたくなり勢いで書いたので文型もむちゃくちゃかもしれません(笑)設定も詰めてないのでグダグダの可能性もありますがご容赦ください。
最後に見たのは自分が誰かにナイフで刺され、体が冷たく、重くなっていく記憶だった。
死ぬんだなというのが何となくわかった。でもそれほど悔いも無い。
人生趣味に生きて楽しんできたからだと思う。稼いだ金は全て、キャンプ、サバゲ―、オフロードカー、スカイダイビング、他にも乗り物の資格も色々と取りながら自由にやってきた。
まあ、けっこー遊びつくしたし、ここらへんで終わりならそれでもいいかと思った。
そして、そのうち目も開けられなくなって俺の記憶はそこで途絶えた。
◆
目を開けると知らない光景だった。しかも、よくわからんが何かの機械に乗っているようだ。
複数のモニターとスイッチ、そしてレバーのようなものが自分の目の前にある。妙に視線が高い。どうやら、それなりの高さのある乗り物に乗っているようだった。
なんだろうと思ってると怒声が響いた。
「返事をせんか!!ムラクモ二等兵!!!!」
「っっはい!!!!」
びっくりして返事をしてしまった。どうやら考え事をしている間に何度か呼ばれていたらしい。
そして、俺はムラクモというやつを知らないはずなのにそれが自分であるかのような不思議な感覚になっていた。
意味が分からない。そして、知らない記憶が津波のように流れ込んでくる。
こいつは、俺は、ムラクモ ナガレ。大和王国の兵士。今乗っているのは主力機体の零式。
頭が混乱するが、さっきの怒声の主がまた呼び掛けてきて思考が止まる。
「ムラクモ二等兵!!早くこっちに来い。初陣だからと言って誰も助けてはくれんぞ」
記憶を辿ると、どうやら俺の所属している部隊の小隊長のようだ。
珍しい女性士官。どうやら親は一世限りとは言え爵位を貰っているらしかった。
名前は教えてもらっておらず、ただ少尉とだけ呼んでいたという記憶が残っている。
彼女の機体が進んでいき俺もそれに追いつく。この体の持ち主の記憶なのか機体は問題なく動かせる。
他人の記憶が混ざり合っていること、自分が知らないのに知っているという感覚は普通なら発狂するような出来事だろう。
だが、正直そんなことはどうでもよかった。なぜか?それはそこに男のロマンがあったからだ。
二足歩行の人型ロボット。動きは滑らかでは無く重厚な感じなのが逆に良い。俺はゲームでもリアル系のが好きだった。
色々とわからないことはある。いや、というか何もかもわからない。
だけど、それでもいい。ロボットを操れるということに俺のテンションは天を突く勢いだった。
「おい!!ムラクモ二等兵。スピードを落とせ。聞こえてるのか!!おい!!!」
◆
ここに来るまでに少尉殿にはこっぴどく叱られた。あまり反省はしていないのだが。
とりあえず言えることはめちゃくちゃ楽しいということだった。ただ、パイロット負担軽減のためだろう、振動を抑えるクレイドルシステムというのが搭載されているようで全然揺れを感じられない。
これはかなり不満だった。凄い技術だとは思うが正直システムを切りたい。だが、どうやら自動起動らしく、オフにはできないようだ。
ただ、この体の記憶では、システムにも上限があり、限界値を超えた分の振動は伝わるらしいのでそれを試したい。
まあ、羽目を外し過ぎて少尉にマンツーマンディフェンスされるようになってしまったので無理そうだが。少なくとも今は。
俺たちの小隊は今廃墟地帯を進んでいる。ここを抜けて敵の側面から奇襲をかけるというのが今回の作戦らしい。
現在、敵は味方と正面から戦闘中。敵と味方共に約三十機で同数。その上、俺達の小隊ともう一つの小隊、四機×二小隊が奇襲をかけながら加わるのでかなり楽そうな任務だった。
とはいえ、記憶的には普通に死ぬ世界らしいので気を引き締める。
少し警戒しながら歩いていると、前方に違和感を感じる。なんだ、あれ。
なんかいるような…………。そう思った瞬間俺は仲間に向かって通信機越しに叫んでいた。
「敵影有り!!!身を隠せ!!!!!」
その瞬間、敵の方角から凄まじい数の銃声が響く。少なくともこちらの数よりは多そうだ。
サバゲ―で鍛えた感はどうやらこっちでも機能しているらしい。自分は奇襲をドヤ顔でやるのが好きだったタイプなのでそういうポイントに目がいく。
前世ではそういうポイントに隠れて近づいては奇襲し、ゴキブリ殺法と言われることもあったがあまり気にしたことはない。いや、本当に。
◆
どうやら、味方は分散させられてしまったらしい。ジャミングがされているのか近距離の味方としか通信が取れない。
まだ、小隊単位で分かれられたのが唯一の救いだろうか。少尉も味方への通信を諦めたのかこちらに話しかけてくる。
「全機生きているな?よし。これより我が隊はスモーク弾を発射。一斉射撃後、ブーストを点火し低高度を維持した状態で後退する。合図をしたら放て」
まあ、状況がさっぱりわからないから撤退はわからんでもない。どちらにしろ一旦立て直す必要があるよな。
「……放て!!」
スモーク弾を発射し、敵の視界を奪う。隊長機はチャフを放っており、レーダーに一時的に障害を発生させる。
そして、一斉射撃後隊長機がブーストを点火。こちらも後に続いた。
背後からは銃弾が出鱈目な方向に撃たれる。流れ弾に当たることは無く、後退に成功した。
「よし、成功だ。そろそろいいだろう。着地し、ブースト燃料を節約。機器の電源を最小限に落としステルスモードにて戦線を離脱する」
隊長機に続いて俺を含めた三機が着地する。ブーストを吹かせて着地。周りを警戒しようとした瞬間、遠くから銃声が連続で響いた。
俺は横にいた隊長機に体当たりして銃弾を避けさせるとすぐに自機も転がるようにして遮蔽物に身を隠した。
だが、他の味方は間に合わなかったらしい。避けきれずに構えたシールドはすぐにはじけ飛んだ。
そして、銃声はそれでも途絶えず、目の前の味方機にねじ込まれていく。
爆発。吹き飛んだ味方機体の頭部がこちらに転がってきた。
そのアイカメラからはオイルのような液体が漏れていてまるで泣いているようにも見える。
「世の中そううまくはいかないもんだ」
俺は自分の機体を廃墟の壁にもたれさせながらそう呟いた。
そして、身を隠しながら考える。
味方が二機やられた。残ったのは俺と隊長機。それに、隊長機は頭を打ったのか応答が無い。
あの状況で最善の行動だったとは思ったんだが。まあ、やっちまったもんはしょうがない。
一人で何とかするしかなさそうだ。
先ほど見えたが、相手は三機。単純に考えれば戦力は三倍。
まあ、一回死んでるしな。やれるだけやって無理ならそれでいいか。赤いマザコン並の速度で動けば余裕だって偉い人が言ってた気がするし。
とりあえず、今の状態だとレーダーでバレバレなので機器を落としてステルスモードに移行していく。
センサー類、通信機器類のモニターが全て消える。
武器管制システムも落ちるので狙いは完全に手動になる。
元の体は敵にばれてる状態で、しかも戦場のど真ん中でステルスモードなんて自殺行為と訴えかけてくるが正直このままじゃジリ貧だ。幸い遮蔽物はたくさんある。バレないように近づけばなんとかなる気もする。
敵はこちらが複数だと思っているからなのか距離を少しずつしか詰めてこないみたいだし。
隊長機が持つロングバレルライフルを拝借する。今回は奇襲任務だったからか、元々そういう獲物を好むからなのかはわからないが好都合だ。自分のサブマシンガンを背中に装着しそれを装備する。
ほふく前進でゆっくりと進む。ロボットものアニメなら一瞬でボツをくらうような見た目だろう。
そして、遮蔽物を活かしながら相手の側面に回り込んだ。
管制システム無しでは動きながらの射撃の精度はかなり落ちるらしい。
よって機体を停止した状態で銃口を相手の方に向けて集中する。
そして、横並びになった瞬間、一番近い相手機体のメインカメラ部分に向かって弾丸を放った。
狙い通り、敵のメインカメラを破壊し、視界を奪う。崩れる相手の隊列。
そして、続けて次の敵、少し前に出た状態の真ん中の敵のコックピットを打ち抜く。一機撃破。
カメラがメインからサブに切り替わるまでが勝負だ。短期決戦で決めるしかない。
視界を奪われた状態の敵をもう一機の敵の射線に入れるように動きつつロングバレルライフルを投げ捨てサブマシンガンに持ち代える。
そして、そのままブーストを吹かして接近。カメラが壊れた敵の肩を掴み盾にすると、もう一機に向け管制システム無しでも当たる距離で銃を連射した。
崩れ落ちる敵機体。そして、二機目の撃破を確認しつつ腰に帯びたナイフで最後の敵のコックピットを貫いた。
読みづらいんじゃボケとか戦闘描写下手なんじゃボケとかいう意見でもいいので暇な方はご意見いただけると嬉しいです。