愛する貴方へ送るセレナーデ
貴女が好きだった…入学して初めて教室で会ったあの日からずっと。
人懐こそうな大きな目も、細くて綺麗な髪も、ずっと聞いていたいと思うその声も、全部、全部…好きだった。
でも叶わないことは知っていた。
私とあなたは同じ女の子…同性のカップルは最近やっと世間で受け入れられてきているが、風当たりはまだ強い。社会から同性愛者のレッテルを貼られて、怪訝な目で見られるのが怖い。
母親や友達から「彼氏いないの?」と聞かれるたびに自分が異常者のような気がして泣きたくなるほど辛い。繋がりを失うことが怖い。
何よりもあなたに嫌われることが一番恐ろしい。
嬉しかったよ…辛いことや悩みを打ち明けてくれて。朝会ったら「おはよう」って言ってくれて。
たびたびあなたが抱き付いて来たときはドキドキしたんだよ?
布越しの感触や体温、匂いを思い出すたびに身体が火照って…独りで慰めてたんだよ?
他人よりも自分を優先してほしいのに、優しいあなたはいつも余計なものを背負って傷ついて潰れそうで…その苦しみを一緒に背負いたかった。
あなたの笑顔は好きだけれど、痛々しくて見てられない。そんな悲しそうな顔しないでよ…って、言っても余計あなたを傷つけてしまうから言わないよ。
みんなから慕われて、頼られて、それを笑顔で受け入れるあなたは影でどれほど傷ついているの?
もっと頼って欲しかった、相談してほしかった、もっともっと…生きていてほしかった。
さようなら…もうこの世界にはいない貴女へ。