第7話 はじまりの街の冒険者ギルド、お金の価値
朝食に、シャノンが捕まえた川魚を焼き魚にして2人と1匹で食べた。
おいしかった。
ショコラは小さい身体ながら、たくさん食べていた。
その後、昼食は街に来る途中で、シャノン特性のスープとパンを食べて、ショコラとシャノンと一緒に、はじまりの街に到着した。
シャノンの作ったスープかなり美味しかった。
ショコラも気に入ったようで、おいしそうに食べていた
猫舌ではないようだ笑
エンジェルフォンを使い、写真を撮り木を荷馬車に。
馬は、宿村にいた馬を拝借した。
もともと、シャノンの家の馬だから、馬はシャノンの財産だ。
荷馬車には、宿村にあった食べ物や、お金などの財産類も載せてある。
シャノンが御者ができて助かった。
荷馬車に乗ること自体初めての俺が、馬を扱えるわけがない笑
街に入る際に門番に身分証明書の提示と1人300円の入門料の支払いを求められた。
俺は、身分証明書をなくしてしまったと嘘を付いた。
お金は、俺とシャノンの分を支払った。
猫である、ショコラの分はいらないようだが、馬に匹の分は一頭に付き500円支払うことになった。
馬糞の処理のためのお金なのだとか。
主にスラムの子供たちが馬糞処理の仕事を、引き受けるらしい。
そして、お金を払い俺は、仮の身分証明書を渡された。
10日以内にまたここに来て、役所かギルドで作成した身分証明書の提示をするように言われた。
~冒険者ギルド~
門を通り、その後に、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルド、簡単に説明するなら、冒険者に仕事を依頼として斡旋してくれる組織と言える。
冒険者ギルドは、その仲介料としてお金を得る。
冒険者ギルド内には、受付業務をする場所と酒場があった。
受付カウンターと買取カウンターと書かれた小さな木の板が目に入った。
門を通り冒険者ギルドに辿り着くまでに気づいたが、ひらがなとカタカナ、そしてアルファベットは使われているようだが漢字は使われていないようだ。
この冒険者ギルドも【ぼうけんしゃギルド】と看板があり、剣と盾が描かれていた。
シャノンに聞いたところ識字率・算字率は低いらしく、字が読めない者もいるようで文字の隣に絵が描かれていることが多いらしい。
宿村で宿帳に文字を書けないといけない、お金の授受が必須だったシャノンは、両親の教育により、識字率・算字率は、一般生活上問題ない程度にあるようだ。
たしざん、ひきざん、かけざん、わりざんができればこの異世界では上出来らしい。
俺は、適当に空いている窓口へと行った。
シャノンは外で待っている。
①ゴブリンの魔石 3個
②オークの魔石 1個
③オーク肉 1体
④盗賊たちから奪い取った武器
⑤盗賊たちから奪い取った防具
「ちょっといいかな?」
荷馬車から、武器防具類そしてオーク(お肉)をおろすのは一苦労だ。
視界に入った、冒険者たちに声をかけた。
駆け出し冒険者って感じの安そうな武器防具を身に着けている。
「なんですか?」
「荷馬車から売り物をおろすのを手伝って欲しいんだけど。もちろん、お金は払うよ」
「喜んで」
いくら払うかを聞かれたため、1人2000円払う旨を告げたら、喜んで引き受けてくれた。
①ゴブリンの魔石 1個 500円 ⇒合計 1500円
②オークの魔石 1個 1,500円
③オーク肉 1体 60,000円 50kgだったようだ。
④盗賊たちから奪い取った武器 合計 800,000円
⑤盗賊たちから奪い取った防具 合計 1,000,000円
の買い取りで 合計 1,863,000円から、冒険者ギルドの登録をしていないからということで10%手数料で引かれ1,676,700円が手に入った。
10%の手数料をとられる為、冒険者登録をして冒険者になることを勧められたが、『下手に冒険者になると街にモンスターが入ってきたときに強制的に討伐に参加させられる』と、シャノンから聞いていたので断った。
天使として活動するのであれば、強制参加させられる場合もある冒険者にはなれない。
それと、『冒険者が一般人に手を出すのはご法度です』というシャノンの言葉も聞いていたので、冒険者になることはやめておこうと決めていた。
一般人同士での殴り合いがあったとしたら、公平的に扱われるが、冒険者と一般人だったら、一般人に有利に働くことが多いらしい。
因みに貨幣の価値は、
銅貨 『 10円(ジュール=J)』
大銅貨 『 100円(ジュール=J)』
銀貨 『 1,000円(ジュール=J)』
大銀貨 『 10,000円(ジュール=J)』
金貨 『 100,000円(ジュール=J)』
大金貨 『 1,000,000円(ジュール=J)』
白金貨 『 10,000,000円(ジュール=J)』
白大金貨『100,000,000円(ジュール=J)』
とシャノンに教えてもらった。
冒険者にどんな依頼があるのか気になって依頼掲示板を見てみた。
【クエストランク F】
『内容』ゴブリンの討伐 5体
『報酬』魔石と引き換えで合計銀貨3枚
『点数』ランクFの2ポイント
点数にどんなランクのポイントか記載されているのはEランク冒険者がFランクのクエストをこなしても点数が入らないようにするためなどの処置であろう。
低ランクばかり倒して弱いAランク冒険者とかやばいと思うもんね。
ゴブリンの魔石が1つで大銅貨5枚で、買い取ってもらえたから実質このクエストの報酬は、冒険者であれば大銅貨5枚(500円)ほどということになる。
因みに、同じゴブリンでも、レベルがあるわけで、ランクFの冒険者には、レベルが低いゴブリンを見分ける力もこのクエストで試されるというわけだ。
基本的に、冒険者はパーティーを組むのがギルドからも推奨されている。
生存確率を上げるためだ。
シャノンに教えてもらった情報である。
シャノンも、ゴブリンとかなら討伐したことがあるらしい。
因みに、モンスターの肉を食べればレベル10にまでは上がるらしく、レベルは10だが討伐したことない状態の者も多いのだとか。
そのため、レベル10なら討伐可能なモンスターに、ケガを負ったり、亡き者になったりするケースもあるという。
【クエストランク F】
『内容』アニス草の採取 10本
『報酬』アニス草との引き換えで合計大銅貨5枚
『点数』ランクFの1ポイント
薬草は低ランク冒険者が主に採取することが多い。
森の奥地にまで行かない限り比較的安全だからだ。
安全であるがためか分からないが、報酬は、安いことが多い。
案の定今回のアニス草のクエストは、500円相当と低めだ。
同じFランクのクエストのゴブリンに比べると1/6だ。
だが、先程も行ったように冒険者はパーティーを組んでいることが多い。
そのため、6人パーティーだったら、1人頭アニス草のクエスト報酬と変わらない大銅貨5枚と言うことになる。
そして、もしも、ゴブリンの討伐で怪我を負ったり武器防具が壊れた、損傷したというケースではむしろマイナスにもなり得る。
その辺に生えている薬になる草のことを薬草という。
薬草以外は雑草あるいは調味料として使われている。
薬草はそのまま使える場合と、マジックポーションの材料として使用しないと効果を出さないものとがある。
薬草は基本的にそのまま使えても(口にしても)、効果が弱かったり不味かったりすることもある。
効果のあるものほど苦いと言われている。
因みに、シャノンは簡単な低級のマジックポーションなら作れるようだ。
料理人スキルの影響らしい。
俺の荷下ろしの手伝いをして2000円、ゴブリン4体を一人で討伐した金額となる。
冒険者たちは、喜んでいた。
俺は、受付の女性にサービスでもらった換金代金の入った布袋を持ち、冒険者ギルドを後にした。
因みに、冒険者ギルドで武器防具を買い取ってくれる理由として、先輩冒険者が武器を新調した際に武器屋防具屋に、売るよりも、後輩の冒険者の為に冒険者ギルドに売るのが通例だからのようだ。
冒険者ギルドは利益を考えずに新人冒険者にそれを売るからこの流れができているらしい。
シャノンに、『武器防具屋に売りに行って安く買いたたかれる可能性を考えると、冒険者ギルドに売った方が得策だと思います』と教えてもらっていた。
その足で、俺とショコラ、そしてシャノンは商業ギルドに来た。
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