第5話 はじめての戦闘
【方針・目標】
①スキルと天法に慣れる。魔法について知る
②この世界の情報を集める
③お金を稼ぐ
④戦いに慣れる
⑤人助け
ここがどんな世界なのか。
魔王はほんとに悪者なのか。
そして、ステータスは高そうだが、ほんとに戦えるのか?
女神さまは、この異世界で一番強いといっていたが、戦闘訓練を神界で行なっていない為、女神さまの言葉を疑ってなどいないが、心配はある。
しかも、異世界ものの小説で見受けられる、実家が剣道の道のものだったり、親が自衛隊で子供の頃から躾けられたりなどなど、育った環境のおかげか強い状態での異世界行きでは俺はない。
両親、天使だったようだし。
でも、両親が天使って言うのが、少し気になるんだよな。
女神さまの説明だと、天使同士で下界に駆け落ちしたっていうより、天使の母が人間である俺の父に恋をしたって感じだったから。
まぁ、考えてもしょうがないか。
今度両親に会ったら聞いてみよう。
「取り敢えず頑張って行こう」
最初のモンスターで力試しだ。
殴った感触とか味わいたくないから、騎士にもらった短剣を投げて討伐しよう。
しばらく、歩くとついにやつが現れた。
歩くと言うか、翼術で低空飛行してたんだけどね笑
ショコラは、俺の頭の上でお昼寝中。
マイペース。
まぁ、猫はね、そんなもんだよね。ごろごろ。
現れたモンスターは、異世界の王道と言えるゴブリン。
スライムやラビット若しくはゴブリンまたはオーク、ウルフあたりが出てくると予想していたが、予想通りゴブリンだ。
ここで、オーガとかドラゴンとかペガサス、ケンタウロスとか出てきたら焦る。
でも、ペガサスは聖獣扱いか?
俺が神界でみた天使の像の一つにペガサスの像も隣にあった。
女神さまに聞いたところによると、ペガサスは、人間の創造力を引き出し、夢や目標を達成させるために、より発展できる方向へ進むのを、助けてくれる存在。
天の馬、天馬と呼ばれるとか。翼を羽ばたかせ空を自由自在に翔ける。
白色、水色、紫色の三種類のオーラが出ているのだとか。
まぁ、像からはオーラは分からなかったけどね。
いざモンスターに出会うと嬉しさがこみ上げる。
短剣をくれた騎士から、『モンスターは、右に魔石、左に心臓がある』と説明を受けている。
野生のゴブリンが1匹あらわれた
▽棍棒をもったゴブリンが俺の前にあらわれた。
ゴブリン、小太りした薄汚れた緑色だ。。
おなかが出ており。額に小さな角が生えている。
これがゴブリンではなく、オークならば食べられるだろう。
異世界物の小説では、オークは豚肉やイノシシ肉の味というものが多い。
ゴブリンが食べられるという作品は俺は、片手で数えられるほどしか、見たことがない。
「ゴブゴブッ」
俺を視界に捉え、叫ぶゴブリン。
やっぱり人語は喋れないのかと落ち着いた対応をしている自分に驚いた。
本能的に、このゴブリンよりも自身が強いと感じ取っているのだろうか?
確かに、人語喋れるのは特殊なモンスターだけっていうのが小説では一般的だよな。
ゴブリンが近づいてくる。
雑な造りの、棍棒で殴ってくる時間も与えず右手に持った短剣をゴブリンに向け、投げた。
ダーツをするような感覚で投げた。
投げた瞬間、ゴブリンは倒れた。
力なく地面に顔から突っ込んだ。
手加減したおかげか、短剣が心臓に刺さった状態だ。
貫かったのは、そこまで、力を籠めずに投げたからだろう。
どうやら成功したみたいだ。
『ふぅー。取り敢えずひと安心』
ゴブリンは消えずに俺の目の前で倒れている。
あぁー、消えないんだな、ダンジョンとかだったら消えるんだけどな。
まぁ、ダンジョンで消えない系のものもあるか。
ゴブリンとの戦いによって、少なくとも俺の攻撃力が間違のないことが証明できたといってもいいだろう。
「イカくさっ」
ゴブリンに近づき分かったのだが、イカ臭い。
ゴブリンから30mは離れていたから、気づかなかったがなんとも、イカ臭い。
「こんなもんかな?」
心臓に刺さった短剣を抜き、短剣を使い隣にある魔石をえぐり取った。
白濁色に真ん中に黒色の丸っぽい色のついた石、魔石が入っていた。
魔石は、街にある冒険者ギルドと言うところで買い取りを行なってくれ、お金になると騎士が言っていた。
俺の知っている小説知識でも同様だ。
エンジェルフォンという名のスマートフォンを使い、近くにあった木を写真にとる。
写真フォルダを開き、説明欄を読み入力していく。
何を作り出すか?
作成物『リヤカー』
性 能『振動なし』
性 能『リヤカー内の生物や物を治癒する』☆
性能に☆が付いた物は特殊性能扱いとなり、下界では、魔道具として扱われるらしい。
実際は、天道具なんだけどね。
魔石をとりあえずリヤカーに乗せる。
なんとなく、ゴブリンの使っていたこんぼうも載せておいた。
因みに、エンジェルフォンで撮影すると、その撮影された内の生物以外を一時的に仮所有する権限を得る。
どういうことかというと、例えば、木を俺が撮影したとして、3日間放置していたとしよう。
その間に木こりさんとかが来て、木を伐採してしまった場合、所有権は俺ではなく、その木こりさんに行く。
所有権が動くタイミングは、対象物を視界に捉え、行動を始めた瞬間である。
そのほかにエンジェルフォンの機能として、どれだけ、距離が離れたとしても、好きな時に現物のまま取り出したり、許可された範囲で加工して取り出せる。誰が許可しているのかは不明だ笑笑
一度出したものは、エンジェルフォンの中に、収納不可。
急に、木が消える形になってしまうが、見ている者にとって不自然にならない形で、消えていくと女神さまは言っていた。
流石に、目立ちすぎるものは控えて欲しいとお願いされている。
たくさん存在する、木とかなら大丈夫みたいだ。
木を傷つけにくく、再生しやすい感じでエンジェルフォンが仕事をしてくれるみたい。
森林破壊とはならないようだ。
「にゃぁー」
ショコラが、僕のおでこをぺちぺち叩き始めた。
僕がショコラに反応すると、ショコラは小さな猫の手を右前に向けた。
なにか、あるのだろうか?
ショコラは助けた際に日本語をしゃべって以来、日本語を喋らない。
とりあえず、ショコラの手の向かう方向に俺は走りだした。
リヤカーを引いて。
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