第3話 騎士さんありがとう!
俺は、騎士に連れられ、城から出て城下街の外に追い出された。
門の外に出てから 門の外まで俺の隣にいた騎士の男に、『お前も大変だな』
『これくらいしかできない、少ないが……』と言われ、銀でできた丸いコインを3枚手渡された。
銀貨だろう。
左手の薬指に指輪がはめられていたことから、この騎士は、おこづかい制か奥さんに尻に敷かれているのではないかと推測した。
まぁ、そんなことは今考えても仕方がない。
安物だそうだが、短剣もくれた。
騎士は、普段使いの剣と短剣を持っているのだとか。
このサント国では、騎士に武器防具を支給する、支給制ではないようだ。
他の街の領主の治める、街の自衛騎士の方が武器防具支給制であったりと好待遇のようだ。
はじまりの街『山』
税金3割、伯爵家が治めている。
セカドの街『海』
税金、5割。公爵家が治めている。
近くにダンジョンがあり、学園も存在する。
税金が5割と高いみたいだが、領主の所持する騎士の数の多さ、上層部の実力の高さにより、街付近でモンスターが大量発生、それにより街中に侵入してきた際の防御達成率が高く、さらに、24時間体制の街中の巡回、そして、短い範囲の定期距離内に騎士所が存在する為、治安も良いらしい。
サドンの街『海』
税金、3割。伯爵家が治めている。
奴隷商人が奴隷を商品として売買する際の税金が安いため、様々な種族の奴隷が存在する。
賭博場があるらしい。
フォスンの街『海』
子爵家が治めている。
サドンの街と同じく、税金が3割。3割が普通。
恋愛が成就するという女神さまの像が祭られているらしく、恋愛スポットとして、利益を得ているようだ。
女神さまの像自体は、過去に勇者召喚により召喚された者により、造られたとか。
ツリーの街『山』
はちみつや紅茶が特産の街。
ツリーの街、騎士は行ったことがないようで、情報をあまり知らないみたいだった。
最後に親切にしてくれた騎士に手を振り、宿村目指して歩いた。
騎士の説明によると、宿村を1つ越えるとはじまりの街と呼ばれる街があるとのこと。
宿村は、宿屋がメインの村で、農業を行わなかったりするようだ。
街と街の通過地点にあることが多いのだとか。
日本のように道路は整備されていない。
足に感じる硬い大地の感触。
砂利道だ。
湿った土と草木の香り。
少し冷たい風が俺の前髪を揺らす。
『ちゅんちゅん』と鳥のさえずりが聞こえる。
お昼頃だからだろうか、日差しが眩しく照らしてくる。
『腹減ったぁ』という気持ちになる。
短剣を装備したら、ステータスの攻撃力に変化はあるかな?と思い、ステータス画面を開いた。
『ステータス』
名 前:天川 悠斗
種 族:人間『天使』
性 別:男
年 齢:18
職 業:村人『見習い天使』
L V : 1
生命力: F 『SS』
魔 力: F 『SS』
攻撃力: F 『SS』
防御力: F 『SS』
俊敏力: F 『SS』
スキル:『翼術 SS』
天 法:『治癒天法 SS』
「なっ!?」
種族が『村人』から、『天使』になっている。
職業は、『見習い天使』。
天使ってあれだよな?
人間として、何度もこの世とあの世を生まれ変わり、悪い心や考えを持たず、人の幸福を願って良い行いをし続けてきた存在。
それに、5種の能力がSS、その他にもスキルなどが表示されている。
「わっ、思い出した」
何故、天使となったのか、思い出した。
結論から言うと、何故、城門から追い出されて隠しステータスが自身で見えるようになったのか、『追放されて能力開花っておもしろいよね?』と俺が言っちゃったみたい笑
えっ、誰にだって?神様だよ
お読みいただきありがとうございます。