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異世界天使『俺が〇〇天使だって?』  作者: りんご!みかん!
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第15話 初めての決闘だよ


 男たちに誘導され、冒険者ギルドの練習場でもある様子の庭にきた。


 冒険者たちが、庭にいて何かしらの鍛錬たんれんをしていたようだが、男たちが『どけっ、じゃまだ』と言った感じで、どかした。


「ふっ、俺たちのことを知らねぇみたいだな」


「今日は久々に高級娼館(キャバクラと言う解釈でおねがいします)に行けるな」


「待ってて、ライルちゃん」


「おっ、俺にも分け前」


 トレジャーハンターの男が男たちにお願いする。


「いいぜ、お前の話によって、大金が得られるんだからな。がははっ」


 俺が大金を持っているという確実な保障などあるわけではないのに。

 それに、どうやら、俺に買った気でいるようだ。


 他の2人の男も、男の笑い声に続いて、ガハハッと笑っている。

 因みに、ラトスに聞いてみたところトレジャーハンターという職業のようだ。


 鍵外し、トラップ感知、トラップ外しなどのいわゆる、異世界物の小説で表現される『盗賊』『シーフ』的な職業のようだ。

 

 決闘は、冒険者ギルドのギルドマスターが立ち会うらしく、俺と男たちのいる中間の位置に立っている。

 いまさらだけど、俺、冒険者じゃない笑


「決闘責任者は、ギルマスの俺、ガリアが務める。勝利条件は、片方が負けを認めた場合、または、決闘責任者である俺が続行不能と認めた時、致命傷を負ったと判断した場合。武器や魔法の使用は自由。但し、決闘参加者以外の者への被害や、周りの建物への損害が過剰に出ない程度であること。お前が負けたらこいつらに450万Jの支払、こいつらが負けたらお前の奴隷になるということで問題ないな?」


「なんで、450万Jなんだ?」


 俺も、それは思った。有り金全部と言う内容から450万Jと変わっている。


「お前らが、奴隷落ちしたとして、450万Jは確実に取れるという判断からだ。有り金全部と奴隷落ちじゃー、フェアじゃない。トレジャーハンターの奴がお金の香りがするという発言をした以上、少なくとも、大金は持っているだろうからな」


 トレジャーハンターの発言へのギルマスの信頼から見て、トレジャーハンターは、お金のありかについては、嗅ぎ分けるのにかなり適しているのだろう。

 ショコラが再度、俺の身体をにおい始めた。



「ショコラ、さっき、香りかいだでしょ?」


「シャノンも、なんで、くんくんするんだよ」


 あきれ顔でショコラとシャノンを見る。

 ショコラとシャノンは、存分にくんくんした後、『てへぺろ こっつん』ポーズをした。


 息がぴったりだったことに驚いたのと、シャノンの『てへぺろ こっつん』ポーズが可愛かったこと、2つのことに驚いた。



「さぁさぁ、どっちに賭けますか?」



 どうやら、賭博とばくが行われるようだ。

 賭博が行われる場合の主催者(胴元)をし始める冒険者ギルドのギルド員。



①まず全ての掛け金を集める。勝負が決してからだと負けた人が払わない可能性があるため

②そこから胴元が手数料を取る

③残った金額が賞金となり、それを勝ち馬(人)に賭けた人たちで、賭けた金額に応じて配分する。



 どちらか一方にしか賭けられないようだ。

 賭けたほうのエリアに賭けた者たちは立っている。


 全部で50人ほどいるが、俺のエリアにいるのは10名程度。

 80%が男たちの方のエリアにいる。



「自分に賭けるのはありですか?」



 胴元をしているギルド員に聞いてみたが駄目だった。

 


「それでは、決闘を始めよう。俺が石を上に投げる、それが地面に落ちたら決闘開始だ」



 30mほどの距離を取り、立つ。

 ギャラリーはぎゃぁぎゃぁとうるさい。


 酒場の店員さんは、庭にまで飲み物などを運んでいた。

 もしかして、決闘は日常茶飯事なのかもしれない。

 

 うーん。さて、どうやって倒そうか。

 殺さない程度になるから、心臓や身体の中心部分はは狙わないでおこう。

 万が一がある。



『ビュン』



 俺がそう考えていると、ギルドマスターが開始の合図である石を上空に投げた。


 今更なんだけど、3対1なんだよね。

 あっちは、斧にハンマー、そして、棒杖を武器として持っている。


 筋肉モリモリマッチョマンの男が魔法使いっぽい装いをしていることに驚いた。

 俺は、武器所持なし。

 腰に短剣を身に着けているが、最近まったくと言っていいほど抜いてない。


 ‎俺に向かって、走ってくる男達。

 棒杖を持った男は詠唱を始めたようだ。男の足元に魔法陣が浮かび上がる。



『シュンッ』



 斧を空振りする男。

 それに続いて、大剣、ハンマーと空振りしていく男達。


 純粋に天使のステータスが高すぎるんだよな。

 俺は、普通によけ続ける。

 どうやって、討伐するか迷ったため、とりあえず、空中に飛んだ。

 

 

「おい、飛んだぞ」


「高ランクの風魔法使いか?」


「しかも、無詠唱」


「あの男、魔法を発動する媒体を持ってないぞ」



 ざわざわ、し始めるギャラリーと男達。


 俺に賭けた人たちは、俺を見てにこにこと笑っていた。


 俺が強いと確信が持てたのだろう。

 

 

「きさま、卑怯だぞ。降りてこい」



 そう言って男たちは、棒杖を持った男以外、文句を言ってくる。



「ファストファイヤーボール」



 男が呪文の詠唱を完成させ、魔法名を唱えた。



「おー。成功したな」


 ふわまるパーティーの魔法使いの女の子、リティー。

 そのリティーが護衛依頼中にモンスターとの戦闘時、流れ球的な『ファイヤーボール』を俺のもとに飛ばしてきた。

 そのさい、俺は、火傷覚悟で、手を使い、風圧で払ってみたのだが、成功した。



 なんか、ギャラリーたちから拍手が起こる。








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