第14話 冒険者ギルドにくると、騒ぎが起きるよね!?
商業ギルドを出た。
俺は、冒険者ギルドの受付に向かい、依頼達成のサインをし忘れていたことを報告した。
ふわまるパーティーは、冒険者ギルドに向かう前に昼食をとると言っていたが、まだ来ていないみたいだった。
受付の人に『なんのことですか?』みたいな感じで?顔をされた。
「あれっ、どうしたんですか?」
冒険者ギルドで、ショコラとシャノンと一緒に待っていると、ふわまるパーティの男の子リーダー、ラトスが話しかけてきた。
商人である俺が、冒険者ギルドにいるためか、依頼かなんかだと思ったのだろう。
「護衛依頼の達成をサインし忘れていたのを思い出してね」
「あっ、そうでしたね」
ラトスと俺はお互いに笑う。
依頼料自体は、支払っているためお金的には問題ないが、俺が依頼達成の旨を用紙にサインしないとランクアップのポイントが付かないことになってしまう。
因みに、はじまりの街に依頼を出すときに冒険者ギルドに仲介料を支払っている。
「にゃぁ」
ショコラが冒険者ギルドの酒場で注文した魚の塩焼きをおいしそうに食べている。
セカドの街には海に面しているため、魚料理が普通の平民でも食べられるお手頃価格で提供できるようだ。
調味料も、はじまりの街よりも安いらしい。
酒場のマスターが教えてくれた。
シャノンの実家のある宿村で食べた川魚よりもはるかに大きい。
っていうか、今思ったのだが、宿村が盗賊に襲われたこと、冒険者ギルドに伝え忘れていたな。
まぁ、いっか笑笑
シャノンは生きているし。
「にゃぁーにゃ」
ショコラが、にゃむにゃむと魚を食べていた口を止め、とある女の子の方を向いて指差した。
指差したほうを向く。
「おせぇんだよ。さっさとしろ」
「ごっ、ごめんなしゃい」
女の子に対して、怒声を浴びせる男。
女の子は、8歳くらいだ。
身長は120cm位だろうか。
首に首輪が付いている。
奴隷なのだろう。
奴隷については、シャノンとふわまるパーティに軽くしか聞いていないが、首に鍵穴のついた首輪をしている場合は100%奴隷だと聞いている。
山賊みたいな顔をした男達3人組。
なんか、はじまりの街と似たような感じだな。
「あー。こんな、無能女。買っちまって。損したぜ。誰か100万Jで買ってくれねぇもんだか。15歳以下の女は奴隷でもやれねぇしな」
「そうだぜ、それにこんな貧相な体つきじゃー、触りたいともおもわねーしな」
「そそられない身体だ」
女の子の年齢は15歳には満たないようだ。
まったく、そんな少女に何を求めているのだろうか。
呆れてしまう。
「ほらっ、さっさとしろ」
そう言って、男の1人が女の子の頭を叩こうとする。
「買いましょうか?」
男のその手を素早くつかみ、男の言葉に返事をした。
「なんだてめぇ」
「天川ともうします。それでその子、100万Jでもらい受けましょうか?」
「お前、そんな大金持ってんのか?」
俺の見た目って、そんなにみすぼらしいのか?
「はいっ、100万Jです」
10万Jの金貨を10枚ポケットから出す。
「これを渡せば女の子を手放してもらえるんですよね?」
「あー。金さえもらえれば問題ねぇー」
「はい。じゃぁ、どうぞ」
100万Jを男に渡す。
男からは、カギを渡された。
このカギで、女の子の奴隷としての首輪を外せるだろう。
『ごにょごにょ』
3人組の男達とは遠く離れた場所にいた男が、3人組の男たちに近寄りこそこそ話をし始めた。
こそこそ話とはいっても、聞こえているんだけどね。声がでかい。
『あいつから、金の香りがしますぜ。トレジャーハンターの俺が言うんだ、間違いねぇ。ぷんぷんと香ってきてるぜ』
こそこそ話の内容はこんな感じだ。
ショコラは、俺のもとに近づき、くんくんと俺の香りをかぎ始めた。
ショコラのそういうところ好きだ笑
ノリが良いね。
「おい、お前、残り有り金全部だしな」
「なぜですか?その女の子の分は支払い終えましたよね?ギルド員の方々も他の冒険者の方達も見ている前で、取引を行なったはずですが」
勝手に巻き込ませてもらいました。
ギルド員や冒険者たち様子見してるだけなんだもん。
「あぁ、そうだな。なら、こうしねぇか。お前と決闘して、俺が勝ったら有り金全部いただく。まぁ、授業料と考えることだな」
分が悪いと感じたのか、男は、女の子の奴隷代金の支払ではなく、代替え案を提示してきた。
「それで、もしも、俺が勝った場合は、何かいただけるんですか?」
「あぁー、まぁ、お前が勝つことはないだろうが、お前が勝てば奴隷になってもいいぜ」
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