第12話 クミル村にてたまごとミルク
荷馬車に乗り、始まりの街を後にした。
セカドの街に向かう道中の宿村に着くまでのモンスターとの戦闘が何回かあったが、シャノンも参加していた。
レベルが上がれば、攻撃力が上がり、今後オーク肉などを切るときに楽になるという理由からだ。
この異世界は、ダメージソースを与えた割合で、討伐したモンスターから経験値をもらえるようだ。
モンスターや魔力のある生き物を討伐すると、身体から、紫色のモヤモヤが身体に入ってくるのだという。
この情報は、ふわまるパーティーの魔法使いの女の子、リティーが教えてくれた。
リティは将来、大神官になるのが夢らしい。
父親が魔法使いから、神様の2回目の恩情をうけ神官を職業としているらしい。
神官は、紫色のもやもやが見えるんだって。
もやもやの量にばらつきがあるとのことで、この異世界は、ダメージソースを与えた割合で、討伐したモンスターから経験値をもらえると考えられているとのこと。
はじまりの街から目的地である次の街のセカドの街に行く途中で宿村に立ち寄った。
~セカドの街に向けて荷馬車を進み3日目~
クミル村という名前の農村に着いた。
牧畜を行なっていることがうかがえる。
家畜であろう。牛のモ〜と鶏のコケコッコ〜という鳴き声が聞こえた。
おいしいミルクとたまごが買えそうだ。
村の門番に商業ギルドカードを見せ、中に入った。
入門料はいらないようだ。
ミルクとたまごの売ってる場所まで歩いて担当のおじさんに自己紹介することにした。
何回か、護衛依頼をこなしたことのある、ふわまるパーティの話によると、ここから、セカドの街までは馬車で30分の距離にあるらしい。
「お初にお目にかかります。商人をしております。あまかわと申します。ミルクとたまごをできれば大量に、長期契約で購入をお願いしたいのですが可能ですか?」
「ミルクとたまごですか? お譲りする事は可能ですが、ミルクとたまごはすぐに腐ってしまいます。夏は、運搬中に腐ってしまうかもしれませんし、使い切れない可能性もあります。大量に購入しても大丈夫なのでしょうか?」
おじさんは心配をしてくれた。
「はい、ミルクとたまごをメインで使う飲食店経営を考えておりますので大丈夫だと思います。余ってしまいそうになったら、従業員の賄にでもしようと思っています」
「わかりました。良いですね。たまごは栄養があると言われています。従業員さんは賄いででるなんて嬉しいでしょうね」
「ひと月でどれくらいの量を頂けますか?毎日もらいに来る予定です」
「そうですね。1日でミルク樽1つとたまごは30個ほどなら確実に大丈夫でしょう」
木でできたミルク樽は1つで20リットル入るみたいだ。
牛一頭が1日で出すミルクが平均20リットルから25リットルだから譲っていただける量として、こんなもんであろう。
「お値段の方はいくらでしょうか?」
「ミルク樽1つで5000円。たまご30個で3000円でいかがでしょうか?」
ミルク1リットル 250円。
たまご1個100円といったところだろう。
日本のスーパーでなら、1個100円のたまご、確実に高いだろうが、ファンタジー異世界ならこんなものだろう。
「分かりました。それで、お願いします。毎回お金を支払うのは面倒なので、30日単位での前払い双務契約でよろしいでしょうか?」
【ミルク】
1ℓ250円×1樽20ℓ=5000円
1日5000円×30日=15万円
【たまご】
1個100円×1日30個=3000円
1日3000円×30日=9万円
ミルク+たまごで24万円支払った。
ミルクを飲ませてもらったが濃厚で味わい深く甘く美味しかった。
明日から取りに来ると伝え、クミル村を出た。
サルモネラ菌対策はしっかりしよう。