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「嬢ちゃん着いたぜ」
隣でむしゃむしゃと食べているとおじさんが話しかけてきた。
馬車が止まり、私は目の前の大きな建物を見る。
さっき街に入る前に言っていた教会だ。
日本にも教会はいくつも見たことがある。
まさにそれだった。
この造りと言うのは異世界でも共通なんだなーと私は思った。
「さっき言ったろ?ここでクラス登録してクラス証を貰ってきた方がいい」
「なるほど」
「俺は先にこの荷物を売ってくるから、クラス登録が終わったら…そうだなこの街の地図も渡しておこう」
おじさんはポケットから丸まった街の地図を渡してくれた。
広げてみると改めて広い街…もはや国レベルでは?と思う。
おじさんは持っていたペンで二か所丸を付ける。
「ここが現在地で、ここが待ち合わせの酒場だ。そんなに遠くないから大丈夫だろう」
「分かりました。地図があるなら大丈夫です」
「じゃあまた酒場で落ち合おう。あーそれと一応お金を渡しておくよ。また会ったときに返してくれればいい」
「えっありがとうございます」
おじさんが私に金貨と銀貨を5枚ずつ渡してくる。
全く価値が分からない…。たぶん金貨は一万円ぐらいの価値だと思っておこう。
「盗まれるなよー」
と、おじさんは手を振りながらその場を離れていった。
箱入り娘って分かってたのならいくらぐらいになるか教えてよー!
と、叫びたかったけどあんなに良くしてくれたのだからそこまで言うとさすがに我儘すぎる。
…前の世界も男子が良くしてくれてその後告白されて関係がむちゃくちゃになったなぁ…
いかんいかん前の世界はもう関係ないんだ。
優しくされたら素直に感謝。
まずは教会に入ろう。
私は教会の扉をそーっと開ける。
「失礼しまーす…」
恐る恐る入ると、シスターさんが私を出迎えてくれた。
「ようこそ。本日はいかがなさいましたか?」
うっひゃーシスターって初めて見たけど、身体のラインが出る服なんだ。
しかも金髪で胸が…胸が暴力…!
これは街の男がほっとかないなぁ…
「私の顔になにか?」
おっといけない。
見惚れてる場合じゃなかった。ここに来た目的を言わなきゃ
「シスターさん綺麗ですね!」
「えっ?」
おーっと間違えた
心の声がダダ漏れだ!まずい完全に不審者と思われた。
「あっえっとクラス証を発行して貰いたくて来ました!」
「分かりました。ではこちらに」
シスターさんに奥の部屋へと案内される。
奥の部屋には剣を構えた天使の像がそびえ立っており、その像の前に水晶が置いてある。
「ではここに手を置いてもらって自分の名前を念じてください。あとは水晶によって自動でクラスを判断しますので」
「わ、わかりました」
「私は外で待っていますので、終わりましたら声をかけてください」
「わかりました」
そう言ってシスターさんはさっきの聖堂へ戻り、私だけが部屋にいる。
改めて広い部屋。まさか奥にこんな部屋があるとは…。
とっとと終わらせてさっきのシスターさんと話そう!
コミュ障発揮してドン引きされてしまったから早く終わらせてもう一度誤解だという事を…!
「はぁ…」
思わずため息が出てしまった。
違う。私は新しい世界に居て生まれ変わったんだ。
記憶ってのは厄介だなー
「さてと…ここに手を置いて名前を念じればいいんだよね」
水晶に両手を重ね深呼吸。
すると、水晶が急に光だし、私を包み込む。
「うぇ!?」
変な声が出て、名前を念じる前に目を瞑ってしまう。