1-3
私は食肉の処理に困っていた。
クリスタルは割と小さく、ポケットに入るぐらいだったのでいいものの、
このお肉たち…。いったいどうすれば…。
例えば四次元的なポケットとか…。
そんな都合のいいものなどありはしないか…。
「うーん」
空を見上げながら考える。
綺麗な空だなー…おっあの雲羊に見えるぞ
異世界と言っても似たような雲があるんだなー…
って違う違う。
くっそーつい現実逃避してしまう。
このまま置いておくのはなんかもったいない気がするし…どうしたものか
「おいそこの嬢ちゃーん何やってんだー?」
肉を眺めている私に声がかかる。
振り向くと荷馬車とおじさん。
初めて荷馬車をみた…。
馬が二頭が荷台を引っ張っている。
荷台の方は幌付。
馬を一時停止させおじさんがこっちに向かってくる。
「いやーモンスター狩ってたらお肉の処理に困っちゃって」
「へー…こいつは上物じゃないか。一体いくつ狩ったんだい?」
「えーと…」
「この量だと猪を30頭ってとこかな?相当狩ったな嬢ちゃん」
がははと笑うおじさんは肉の方を眺めてほうほうと頷いている。
一つずつ見ながら紙に何か書いている。
「よし嬢ちゃんこの肉俺に売ってくれないか?」
「えっ」
「正直この量どうしたらいいか分からないって顔をしてたからな!違ったらごめんよ」
「いや確かに困ってました」
「やっぱりな。だから商人である俺が買って、運ばせて貰うよ」
「なるほど…」
「まぁ大体の料金はこのぐらいなんだが…。そうだこれから行こうと思っている街で俺の荷物と一緒に売って、その売れた金額を嬢ちゃんに渡すよ。それでどうだい?」
とか言いつつ、おじさんは肉を氷の魔法で冷凍させている。
なるほど…生活でも使える初級魔法ってこういう事か…。
私はおじさんの提案に乗り、肉をおじさんの荷台まで運ぶ。
おじさんが肉を軽々持っている…。
私はその後ろを付いていく。
軽々持つとかなんだこのおじさん…。
「商人ならこんなものさ」
とか言ってるし怖い。別の意味で
荷台に積み終わった後、私はおじさんの荷馬車に乗り込む。
このまま街までいけるなら万々歳だ。
「ところで嬢ちゃんはどこの出身なんだ?」
「えーと…日本?」
「ニホン?聞いた事ない名前だな…」
「結構遠いとこなんですよねー…」
「女の子1人旅ってやつか。大変だし寂しいだろう」
「おじさんだって1人じゃないですか」
「俺にはこいつらがいるからな」
そう言っておじさんは二頭の馬を指して笑う。
馬もそれに答えたのかぶるるるると鳴いた。
「おじさんはこう見えても昔は戦士だったんだよ」
「そうなんですか?」
「そうさ。若い頃は魔王討伐なんてものを考えてたもんさ」
この世界…魔王が居るのか…。
「だがおじさんには限界があってな…魔法が一つしか覚えてないのは不利なんだよ」
「さっきの凍らせてたやつ?」
「そう氷の魔法。他の連中は最低でも属性魔法を二つ持っていてな…だからおじさんは諦めて商人になった訳だ」
なんで昔話を聞いているんだ私…。
「商人にクラス替えしてな、その時出会った仲間がこいつらなのさ。雨の日も風の日も一緒に乗り越えてきた自慢の仲間さ。だから嬢ちゃんも早くそう言った仲間を見つければ旅は楽しくなるぞ」
なるほど。
馬さんとの出会いの過程の話だったのか。
「おじさんも大変じゃない?商人ってそういうイメージがあるんだけど」
「そうでもないぞー。色んな人と出会えるし、色んな国を回れる。たまには大変な事もあるが、それよりも充実したクラスだ」
「へー…」
「嬢ちゃんは何のクラスなんだ?見たところ戦士とかではなさそうだが…」
あれ?そう言えば私のクラスってなんだ…?