諭吉300
「遅刻遅刻ーッ!」
いまどき聞かないそんなセリフを聞いたのを最後に、俺は死んだ。
俺を殺し、そして何の感慨もなく復活させたのは自称悪魔の女。
慰謝料にと半ば無理やりに押し付けられたのは札束。諭吉の束。
「あくまで契約って形にしないといけないから、条件が付くんだけど。
この300万、一週間で使い切ってね」
悪魔は契約という形にしないといろいろ面倒なのだ、とそいつは嘯く。
一週間で使い切れないとどうなるかというと、手元に残った諭吉1枚につき、寿命が1年減るらしい。
あくまで契約。悪魔の契約。
ようは使い切れば問題ないのだけど――あの、300万にしてはこれ……ちょっと、多くないですかね?
いまどき聞かないそんなセリフを聞いたのを最後に、俺は死んだ。
俺を殺し、そして何の感慨もなく復活させたのは自称悪魔の女。
慰謝料にと半ば無理やりに押し付けられたのは札束。諭吉の束。
「あくまで契約って形にしないといけないから、条件が付くんだけど。
この300万、一週間で使い切ってね」
悪魔は契約という形にしないといろいろ面倒なのだ、とそいつは嘯く。
一週間で使い切れないとどうなるかというと、手元に残った諭吉1枚につき、寿命が1年減るらしい。
あくまで契約。悪魔の契約。
ようは使い切れば問題ないのだけど――あの、300万にしてはこれ……ちょっと、多くないですかね?