表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガーネット  作者: 侑璃
3/4

転校生に覚える既視感

 課題提出…完全に忘れてた…。さて、どうするか。誰かのを見せてもらって写すか、手伝ってもらうか。こいつらに……いや、ないな。藍葵に頼んだら馬鹿にされるうえ最終的に手伝ってもくれないだろうし、綾瀬は頼めば手伝ってくれそうだが見返りが怖すぎて到底頼む気にはならない。そんな感じで考えているうちに、いつの間にか学校に着いていた。


「何か昨日までより人多いね。」

「当たり前だろ。昨日までは補習だったんだから。

 あーあと、今日転校生が来るらしいな。だからだろ。」


 二人の声が聞こえるが、俺にはそんなことより課題をどうするかで頭がいっぱいだった。


「ねぇ、柊侑?聞いてる?」

「あ、ごめん。聞いてなかった。」


 そう言われて綾瀬を見ると、仏頂面で俺を見ていた。


「あ・そ・こ!男子に絡まれてるのって噂の転校生ちゃんじゃない?」


 綾瀬と藍葵の視線の先を見ると、確かに男子数人に絡まれている子がいた。ここからだとよく見えないが、多分その転校生なのだろう。


「ねぇ、君。帰国子女って本当?」

「可愛いね。転校してくる前も相当モテたんじゃない?」


 そういった男子の台詞をすべて無視したその子は、少し視線を泳がせた。…と言うより、周りの様子を伺っているようだった。その内に俺たちに気付いたのか、こっちを見ていた。


「なぁ、気のせいか?見られてないか?」


 …気のせいじゃなかった。男子の台詞を完全無視でこちらに向かってきている。


「すみません!助けてください!

 男子に絡まれて…怖くて困ってたんです!」


 何故だろう…台詞と表情があってない。台詞こそ可愛らしく気弱な印象を受けるものの、表情が(さっさと助けろよ)とでも言いたげな…はっきり言って怖い。


 ……………………………


 何とか男子を追い返し、元いた場所へ戻るとさっきの転校生が今度は笑顔で迎えてくれた。


「先ほどはありがとうございました。とても助かりました。」


 そう言って笑った転校生。柔らかそうな長い髪を二つに結び、意思の強そうな目が特徴的だ。さっきは気がつかなかったが、こうしてみると確かに美少女なのが分かる。綾瀬もなかなかのものだが、それに劣らずまた違う可愛さがある。


「私は叶瀬(カナセ)紫音(シノン)といいます。今日からこの学校に通わせてもらいます。」


 聞けばこの子は、本当に帰国子女らしく中学三年間はイギリスの学校に通っていたという。


「それで紫音は何で絡まれてたんだ?」


 藍葵に聞かれると、とても嫌そうに叶瀬は答えた。


「別に…ワタシが可愛いからでしょ。

 あと、気安くファーストネームで呼ばないでくれます?」


 俺は、この子の話し方に何となく既視感を覚えた。さて、どこでこの話し方を…。そう考えていると、藍葵が言った。


「何か…あれだな。こいつの話し方、会ったばっかりの時の茉里に似てるな。」


 あぁ、そうか。分かった。藍葵に会ったばかりの時の綾瀬のキャラそっくりなんだ。あの頃の綾瀬は荒れてたな。話しかけてくるやつ全員に突っかかっていって。昔は普通のやつだったのに。いつからだったかな…。






 To be continued …

やっと、3話にいきました。まだまだ核心には触れていません。

次回、綾瀬の過去に若干触れていきます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ