王子様のお家にお邪魔します。
久々の(?)更新です。
友人に言われたのでちまちま更新しなきゃなと思っています。
新しい子も登場いたしましてこの2人の日常も賑やかになっていきます。
出したい子達がある程度でたら1回登場人物を紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
それでは本編へどうぞ!
「おいひぃ」
「よかったな」
「孝弥も食べなって」
「あ、じゃあいただきます」
昼飯のあと、光葉がもらったクッキーを食べていた。
そして俺もそのクッキーをいただく。
…普通にうめぇ。
「お返ししなくちゃなぁ…」
「お返し?」
「俺もお菓子とか作れるんだよ〜」
「え、まじか」
知らなかった…。
運動と、勉強と。文武両道だと思っていた光葉だが料理も得意だったとは。
「孝弥にも作ってきてやろうか?」
「え?いいのか?」
「だってほんとに料理できるのかよって顔してるよ」
「え」
「今日家来なよ、作ってあげる」
「や、やったー」
「何その適当な返事」
「いや、反応に困って…」
ただのイケメンだが男装娘。女の子なのだ。
男が女の子の家に行くって…なぁ…。
「なんで?ダメなの?」
きょとんとした顔でこちらを見つめる。
いやそれ可愛いだけなんだけど…。
「うーん…じゃあお邪魔するわ」
「OK!」
突然の自宅訪問です。
「どうぞー」
「お、お邪魔します」
一般的な家より大きく、とても綺麗な一軒家。
いつの間にか放課後になっていて、もう光葉の家。
ぶっちゃけ昼の後の授業なんて覚えてない。
「俺着替えてくるから適当に座ってて」
「あ、うん」
トタトタと階段を登る音。光葉の部屋2階なんだ…。
綺麗なリビングって妙に落ち着かない。
ソワソワとしながら光葉を待っていると玄関のドアが開く音。
え、だ、誰か帰ってきた!?
なんて説明する?さすがに男がいたらまずいよな…。
うわあああほんとにどうする…。
自問自答を繰り返しているとガチャっとリビングのドアが開いた。
ばっと振り向くとそこには焦げ茶色の髪を2つに結んでいる女の子が立っていた。
制服からみるに中学生だろうか。
「…?お姉ちゃんのお友達ですか?」
「あ、えと保住孝弥といいます…」
「そ、そんなにかたくならないでください!私妹の晴っていいます」
ぺこっとお辞儀をしてにこっと微笑みかける。
うわー…可愛い子…。
光葉も髪伸ばしたらこんなに可愛かったのかなとか思って少しだけ晴ちゃんを見る。
背は光葉よりだいぶ高い。
というか一般的な女の子より高いんじゃないか…?
「あれ、晴帰ってきてたの?」
「お姉ちゃん!」
ガバッと光葉に抱きつく晴ちゃん。
そして光葉は家でも男子っぽい。だぼっとしたパーカーにスウェット。
この2人正反対だな…。
「重いー」
「お姉ちゃん不足で死んじゃう無理」
「早く着替えてきなよ、いつまでその格好なのさ」
「えー、いいじゃん」
「孝弥が勘違いするでしょ」
「あ、そうだよ!この人本当に友達?彼氏じゃない?」
「俺に彼氏なんてできるわけないでしょ、孝弥に失礼」
「よかったぁ!もし彼氏だったらボコボコにしてたよ〜」
…ん?今物騒な言葉が晴ちゃんの方から聞こえてきたような…。
チラッと晴ちゃんを見るとさっきと同じ満面の笑みだ。この子怖い。
「あのさ孝弥、こいつ妹じゃないからね」
「え…?」
「弟だから」
「ま、そういうことです。姉ちゃんに手ぇ出したら潰しますよ」
さっきの可愛らしい声ではなく、かっこいい男声で言われる。
その目つきは本当に俺を敵対しているようだった。
「晴のことは放っておいていいから、お菓子作りやっちゃうね」
「姉ちゃんお菓子作るの!?俺も食いたい!」
「お前にやる菓子はない」
「ひどいよ姉ちゃん…」
「そんな顔してもダメだから。欲しいなら早く着替えてこい」
「はーい!」
バタバタと消えていく晴ちゃ…じゃなくて晴くん。
見てて思ったけど相当なシスコンだな彼…。
恐ろしい……。
「キッチン行こ」
「俺もなんか手伝うよ」
「ありがと、助かる」
人生初のお菓子作り。上手くできるか心配です。