俺の親友=学園の王子様
はじめましての方ははじめまして、僕のことを知っている方はお久しぶりです。神守巫女都と申します。
この度前作とは全く違う感じの小説を書いていこうと思います。
今回は挫折せず、頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
それでは本編へどうぞ。
「…」
「もう授業はじまるぞ、起きろ」
「…すぅ…」
「……はぁ」
スヤスヤと眠る友人を起こしてる俺、保住孝弥。凡人高校生です、はい。
そして隣で眠っているのは俺の親友の鳳城光葉。
「いい加減起きろって」
「嫌だー…」
「女子が呼んでるぞ、お菓子作ってきてくれたって!」
「え!ほんとに!?」
いきなりガバッと顔をあげその女子を探す。
そしてもじもじと恥ずかしそうにしている女子を見かけた途端女子に飛びつく。
女子は照れながらも光葉の頭を撫でる。
光葉の表情を見るにとても嬉しそうだ。
鳳城光葉。超イケメンの男装娘で通称学園の王子様。
初対面の人や目上の人には〝僕〟、親しい人には〝俺〟ときちんと一人称を使い分ける礼儀の正しさ。ぴょこんと犬の耳のようにはねた柔らかそうな薄い茶色の髪に身長150cmというマスコットな容姿、それに加えて人懐こい性格と紳士的な行動。
全女子生徒のアイドルである。
「み、光葉くんこれ…」
「お菓子作ってきてくれたの?ありがとうっ!」
「私も!」
「あたしも〜!」
「わぁっ!みんなありがとう〜!」
にこっと微笑めば周りにいた女子たちはぽっと頬を赤く染める。
女子キラーめ…。
そんなアイドルと一応親友である俺。
あんなキラキラしたような感じじゃなく、顔は前髪で見えないしメガネだしで見たとおりの陰キャラである。
同じクラスの男子からは陰口を言われるものの光葉のおかげでいじめられることはない。
「孝弥〜!見て見て!」
「お〜、よかったな」
「お昼になったら食べような!」
「え、俺もいいのか?」
「もちろんだよー!一緒に食べた方がうまいっしょ?」
そんな俺にも優しく接してくれる。
これは偽善か、そうではないのか。
こういうことを考えているから嫌われるのかな、なんて。
釣り合わないことぐらい俺が一番知ってるっての。
「孝弥…?」
「え、ん、何?」
「大丈夫…?具合悪い?」
「いや、なんでもない。考え事だから」
「そう…」
しょぼんと心配そうな顔をしている光葉の頭を優しく撫でると少しだけ安心した顔をした。
そんなカッコ可愛い男装娘と地味男な俺の賑やかな学園生活は今日もまったりと送られていく。