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僕はお人好しすぎる。

7月に入ったある日、今日僕は、ゼミの後久々にルイさんに呼び出された・・・


『なる君、来たね・・・』

『久しぶりだね。ルイさん。』

『本題を単刀直入に言うわ。もう今日限りで会うのやめましょ。メルアドも消しといて。』

『え、なんでいきなり・・・』

『飽きたら捨てるって最初に言ったでしょ!私だって彼氏いるんだからね!大体そっちだって彼女いるんでしょ!』

『そうだけど・・・こんな状況のルイさん放っとけないよ・・・』

『本当に君はお人好しだね。その優しさが人を傷つける・・・覚えておいた方が良いよ。君は優しすぎるんだよ。私みたいなクソ女なんて普通みんな見捨てるよ。てか見捨ててよ!放っておいてよ!』

『そうだね・・・確かに僕がこのままルイさんと接触し続けてもそれはルイさんのためにならないよね。ルイさんが今すべきことは自分の彼氏に向き合う事だよね。』

『そうだよ。分かってるじゃん。じゃあもう行くね・・・じゃあね。』

『じゃあね。良い人生を…』

『(ありがと)』


ルイさんが去って行った。

最後にルイさんありがとって言ったような・・・

ルイさんもルイさんなりに葛藤してたんだな・・・

本当にこれからの人生が良くなることを願うよ・・・


「バン」


ここでいきなり強めに肩を叩かれた。

びっくりして後ろを振り向くとそこには・・・鬼の形相の葵さんが立っていた・・・


『あ、葵さん・・・ごめん。もうルイさんとは会わないし許してよ・・・』

『私さー。今日4限に行ったらさー。なんか講師の先生の都合で臨時休校になっててさー。蓮君を呼びに行こうと3号館に来たら、蓮君が見知らぬ女の人としゃべっててびっくりしたよ。張り倒してやろうかと思ったけどもう会わないって言ってたし安心はした。本当に蓮君いい人過ぎるんだから・・・だから蓮君は私以外の友達作っちゃ駄目なんだって・・・』

『本当にごめん・・・つい放っておけなくて・・・』

『良いよもう過ぎたことだし。でも罰は受けてもらうよ。』

『罰・・・どんな罰でも受けるつもりだよ・・・』

『罰って言っても蓮君を苦しめたくは無いんだ。良く小説とかアニメとかだと罰で包丁とか使ったりするけどそれだと大好きな蓮君を傷つけることになってしまうから・・・だから付き合ってよ・・・それが罰。まだ私たちって正式に付き合ってないでしょ。正式に付き合えばもし蓮君が他の女の人と話してたら浮気になるでしょ・・・その時は蓮君を傷つけなきゃいけないかもしれないから絶対止めてね・・・もう私以外の女の人と接触しないでね・・・』


あーやっぱり葵さんは怖いけど助かったよ・・・

にしてもそういや友達から始まってまだ正式に付き合ってなかった・・・

ルイさんとの会話でも普通に彼女って言ってたしな・・・


『それで済むならいいよ。もう女の人とは接触しない。約束するよ。』

『ということで正式に彼女になったんだから土曜日デートしようよ!約束だよ!初デートだよ!』





帰宅した私は今日の出来事を振り返っていた・・・

ルイさんもルイさんで僕と現実逃避するのは得策ではないと思ったのだろう。

ちゃんと自分や彼氏と向き合って成長してより良い人生を送ってくれることを祈ろう。


そう考えながら僕はルイさんのアドレスを消去したのだった・・・



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