僕は一歩一歩階段を登っていく。
『急すぎて、状況が掴めないんだけど、なんで僕なんかに告白したの?何かの罰ゲーム?』
『罰ゲームなんかじゃないよ。さっき言ったとおり貴方に一目ぼれしたから告白したんだよ。』
『ど、どうして僕なんかに一目ぼれ?・・・こんな僕みたいなダメ人間に・・・』
『もう、ネガティブすぎだよー。最初の英語の授業ってクラス分けの説明とか色々あったから1号館で、合同授業だったよね。その時に、貴方を見つけた時この学校にもチャラくない普通のイケメンいるんじゃん。と思って一目ぼれしたんだ。でも私も、貴方と同じで人見知りだからさなかなか貴方に話しかけられなかったんだよね。でも貴方を観察すればするほど、余りの孤独さに、見てる私まで悲しくなってきたんだよね。もう見てられなくなったから勇気を出して告白したんだよね。この曜日の3限の時間貴方はいつも屋上に居るし、私は1号館で英語だしこの授業いつも5分ぐらい早く終わるからね。告白チャンスにはうってつけだと思ったんだ。でさ、そろそろ告白への解答と、後名前と学部教えてほしいな。』
解答ね・・・その前に僕イケメンじゃないって言いたいんだけど、そんな事言うとまたネガティブって言われそうだし・・・こんな僕なんかに行為抱いてくれる人の告白を断る理由は僕には無いよね・・・
覚悟を決めよう・・・
『実は僕も食堂でいつも見かけているうちに、親近感覚えて好きになっちゃったんだよね。僕もいつか君に告白しようと思ってたんだ・・・だから・・・この告白受けるよ・・・でも話したことほとんどないし、最初は友達からがいいな・・・
後、名前は鳴海蓮、学部は経済学部だよ。』
『そうなんだ・・・蓮君も私の事好きだったんだね・・・だからよく目が合ったんだね・・・じゃぁ友達からでいいよ。私も蓮君の事よく知りたいし。後やっぱり蓮君は文系かぁ。いっつも3食にいるからそうだと思ったよー。私理系だからさ、3食遠いからたまに私が来る前に蓮君帰っちゃう時があったのが残念だったんだよねぇ・・・
ちなみに私の名前は、吉川葵だよ。葵って呼んでいいよ。学部は情報理工学部だよ。』
『流石に呼び捨てで呼ぶのは恥ずかしいから、葵さんって呼ぶよ。葵さんは理系かぁ。じゃぁなかなか会わないなぁ・・・わざわざ3食に来てくれてありがとうね。あ、ごめんね。そろそろ4限始まるんだ。4限3号館だからもう行かないと間に合わないや。』
『じゃぁ最後にメルアド交換しよーよ。後でメールしようね。』
この後僕はいつもと変わらず一人ぼっちで4限の講義を受け、そのまま一人ぼっちで自転車を漕ぎ帰宅した。
でも僕はもう一人じゃない。葵さんが居るんだ・・・
僕の人生に初めて希望が見えた瞬間だった・・・
家に着いた僕は、葵さんにメールしてみることにした。
「蓮です。これからよろしくお願いします。」
最初はこんなもんでいいだろ・・・いきなり馴れ馴れしいのも逆に嫌われる気がする。うん。
「葵だよー。蓮君メール堅いよー。もっと気楽でいいんだよー。」
堅いと言われてしまった。
うーん。美雪ちゃんとメールするようなノリでメールしていいのかな?
「分かったー。じゃぁ気楽にメールするー。」
「そうそう。それでいいんだよー。私もうちょっと蓮君の事知りたいから色々教えてもらっていい?」
そのあと僕は葵さんの出していく趣味等の質問に答えていった。
ちょっと普通に答えすぎたと後で僕は反省した。
面白みのない解答ばかりで葵さんに幻滅させちゃったと思ったが・・・
「蓮君の事色々教えてくれてありがとね。やっぱり蓮君は真面目なんだねー。でもそれも蓮君の良さだと私は思うよー。じゃぁー今日はそろそろ寝るねー。おやすみー。」
メールに夢中になってたら、気が付いたらもう12時だ。そろそろ僕も寝ないと。
あ、そうだ健斗に電話しないと。
『健斗君。今いい?』
『今日は奈美居ないからいいぜ。蓮お前電話してきたって事は早くも告白したのか?』
『いや・・・逆に告白されたんだ・・・流石にお互いの事よく知らないのに付き合えないからさ、友達からってことにしたよ。』
『え?お前が逆に告白されたのかよ。よかったじゃんよ。まさかの両思いだったわけだ。お互い似たようなタイプっぽいし慎重に友達から付き合うのがいいだろうな。頑張ってステップアップできるように頑張れよ!』
『うん。少しずつ仲良くなっていくよ。いつも応援ありがとうね。ごめんね。眠たいから今日は寝るね。おやすみ。』
『また何かあれば電話しろよ!じゃおやすみ!』
まさか僕の方が告白されるとは思わなかった・・・
でもこれで僕もやっと友達ができた。
これで孤独で寂しい大学生活からやっと卒業できる・・・
僕の心は久しぶりに希望で溢れていた。