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恋の始まりは突然に。

今日もいつも通り8時に起き、朝食を食べ、家を出て、自転車に乗り早めに1限の教室に向かうルーチンワーク。

しかし、今日はいつもと違うことが一つだけ。


僕は悩んでいた。何に悩んでいるかというと、僕がよくいる学食2階テラスによくいる女の子に恋をしてしまったことについてだ。

昨日、健斗に勇気を出せと言われたものの話したことない女の子にいきなり話しかけたら絶対変に思われるだろう。

なんせ、今の時代は近所の住民でさえ、知らない人に話しかけたら不審者と思われる時代なのだ。昔みたいに、知らない人に積極的に話しかけることが社交性の高さを示す時代ではないのだ。

ましてや、今の時代急に異性に話しかける人なんて、ナンパやキャッチセールスぐらいしかいないだろう。

でも、ぼっちで寂しそうな、僕と同じように見える女の子が気になってしょうがないのも事実だ・・・

と葛藤している間に完全に上の空で講義が進んでいった。


そして昼休み。

僕はいつも通り、学食でカレーを頼み、学食2階テラスに行った。

彼女はいつも通り学食2階テラスに居・・・なかった・・・

この時の僕はこの世が終わったのかのような絶望感を味わった。

先週のこの曜日はいたのに、なんで今日は居ないんだ・・・

もしかして、いつも僕が彼女の事をチラチラ見ていることに気づいて、僕を気持悪がって避けているのか・・・

やっぱり僕みたいなダメ人間は気持ち悪いよね・・・

って駄目だネガティブは、ポジティブに考えないと。

まぁ彼女は多分今日は午前の授業が休講かなんかで午後からの授業なのだろう。

それか彼女が体調を崩して学校自体を休んだ可能性だってある、そうだ、絶対そうだ・・・

なんとか気持ちを切り替え、カレーを喉に流し込んだ。

その時の僕は、何故か知らないけど泣いていた。きっとカレーの辛さが原因だろう。うん。


はぁ・・・何やってるんだろうな俺・・・


学食からの帰り際、学食2階テラスから1階の入り口に向かう途中の階段で、すれ違った2階に向かう女の子が彼女に物凄く似ていたのはきっと気のせいだろう。そうだろう。


ちなみに今日は3限が無い日だ、普通講義と講義の空き時間は、学内にある図書館の中にある自習室で勉強するのが普通だ。だが僕は図書館には行かない。何故ならやはり人が多いからだ。


僕は勉強が好きじゃないし、空き時間ぐらいは一人で居たい。

ということで、僕はいつもよく行くとっておきの場所に向かった。


その場所は・・・屋上・・・


実は僕の通う大学の1号館の屋上だけは常に解放しているのだ。

しかし、大学生にもなってわざわざ屋上に上がる人は誰も居ない。

ましてや、そろそろ暑くなってくるこんなに季節に屋上に居るのはいつも僕だけだ。

ちなみに、1号館は英語が行われる教室だ。英語は文系理系ともに1号館で行われるのだ。文系と理系が唯一同じ講義を受ける事ができるので、文系理系の枠を超えた交流の場となっている。

ちなみに僕が屋上が好きな理由は、空を見るのが好きだからだ。

風に当たりながら空を見ると、この世の嫌な事が全て忘れられる気がするんだ。

どんな悩みもこの空に比べたらちっぽけだ。そう思うんだ。


でも・・・今日は全く悩みが忘れられない。

流石に恋の悩みはこんな事じゃ解決しないかぁ・・・


と悩んでいる間にチャイムが鳴った。


もう90分経ったのか。悩んでると時間の経過が早く感じるな。

そう思い屋上から出ようとすると・・・なんとドアが開いた。

見回りに来た警備員だろうと思ったらなんと入ってきたのは・・・


僕が勝手に気になってるその女の子だった・・・


僕と彼女は目が合って数秒間沈黙した。


そして先に口を開いたのは彼女だった。


『大学に入ってすぐの頃に貴方を見かけたときに一目ぼれしてからずっと貴方の事が気になってました。だから付き合ってください。』


彼女なりに勇気を振り絞ったのだろうが、緊張からかかろうじて僕の耳に届くぐらいの声で彼女はこう言った。


って、え?

僕が・・・告白された?

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