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第三十九章 戴冠式と不正入国者

カルディの戴冠式が、厳かに始まろうとしていた。

「各国からの要人が出席してくださるそうです」

その報告に、父は複雑な表情を浮かべる。

「……帝国皇帝陛下も来られるのか」 「その時、私は合わせる顔がない」

父は深く項垂れた。

カルディは静かに首を振る。

「それでも――」 「家族には、見ていてほしいんです」

その時、慌ただしく門番が駆け込んできた。

「報告! 皇帝陛下を名乗る一行が到着しました!」 「帝国の大臣と、その部下一名――」 「国家戦略級の“宝”を返せと騒いでおります!」

カルディは即座に判断を下す。

「皇帝陛下が正式にいらっしゃるのは二日後のはずです」 「それまで――」 「地下廊にて拘束。罪状は“不正入国”で構いません」

門番は一瞬驚いたが、深く頷いた。

「はっ。大臣がアポイントなしで他国を訪れるなどあり得ません」 「不届き者として扱います」

――こうして戴冠式は、何事もなく終わった。

父は胸をなで下ろす。

「無事に済んで、よかった……」

カルディは父に向き直り、静かに言った。

「これから皇帝陛下にお会いしてきます」 「父上たちのこと……うまくいくといいのですが」

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