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第二章 収納魔法と神学者

カルディが十歳になるまで、彼は裕福な商人の息子として、何不自由ない暮らしをしていた。

転機が訪れたのは、十歳と二ヶ月が過ぎたある日のことだ。

その日、召喚された勇者がクラウディア家を訪れた。

理由は単純だった。

――収納魔法を、直接観察するためである。

「本当に、理論通りに使えるのか?」

クラウディア家当主の問いに、神学者は床に描かれた魔法紋から目を離さず答えた。

「――理論上は、誰でも使えます。

 この紋を、完全に解読できれば、ですが」

古代神の文字に精通した神学者は、勇者が行う収納魔法を、ただひたすら観察していた。

花瓶を同じ場所で、収納し、出し、また収納する。

そのたびに床に浮かび上がる魔法紋を、消える前に写し取る。

勇者は言った。

「収納魔法は、魔力を使わない。MPの消費もない」

その言葉は、神学者だけでなく、クラウディア家全体を震撼させた。

解読が終わり、勇者が多額の報酬を受け取って去った後――

神学者は、嫌がるカルディの妹モエの手の甲に、紋を刻んだ。

成功だった。

モエは、勇者と同じ収納魔法を使えるようになった。

ただし、地面に紋が浮かぶことはない。

彼女の手の甲の紋が、淡く光を放っていた。

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