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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

君と僕の合い言葉

作者: 外野透哉
掲載日:2025/12/03

――はぁ、はぁ、はぁ、なんでこうなった……!!僕は……やってない……!!


 夜中の住宅街をひたすら走る(にのまえ) 雄二(ゆうじ)



―三十分前


 夜中の0時。気がつくと雄二の手には包丁が握られていた。

そして、そこには血まみれの見知らぬ三人の死体。

 どうやら、一家三人を殺害してしまったようだ。

 だが雄二にはその記憶はない。それはそのはず。雄二は()()()()()()()()、つまり二重人格だ。

 そう、雄二のもう一つの女の人格がやったのだ。

 ここでは人格Sとしておこう。

 しかし雄二自身は、自分が二重人格だということを知らない。

 雄二はわけがわからず、そのまま包丁を床に落として逃げてしまった。



――なんでこんなことに……!


 すると、雄二の中に潜む人格Sが思う。


――逃げる姿も可愛いわ


 そして、警察に見つかってしまった。

被害者の悲鳴を聞いて、誰かが通報したらしい。

 いや――通報したのは彼自身。正確に言えば、人格Sだ。


「僕は……やってない!」


 雄二は必死に訴えるが、聞き入れてもらえず、そのまま逮捕されてしまった。



 しかし、当然諦めるわけにはいかない。弁護士を呼び、無実を証明しようとした。

 だが、雄二は自分が二重人格ということを知らない。つまり、そのことを主張ができない。

 そのため、知らないうちに自分がやったのではないかと思い始めてしまう。

 弁護士は言う。


「どう頑張っても、あなたがやったというところに辿り着いてしまう。何か他に、自分はやってないと証明できるような根拠はありますか?」

 雄二は答える。


「わかりません……」



 そして裁判当日。

 人格Sは思う。


――これで君と心中できる……愛してるわ、もう一人の私。やっと一つになれる♡これが私と君の()()()


 そして裁判長から判決が下される。


「判決を言い渡す。被告人、一 雄二は……死刑に処す。」


 弁護士は、悔しそうな表情を浮かべる。


「被告人、最後に言っておきたいことはありますか?」


 裁判長にそう問われると、雄二は少し沈黙したのちに言う。


「僕は……誰なんですか」

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