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◯◯バーグ

作者: 尾生 礼人

──ワイ、商人。


ちまたでブイブイ言わせてたら、町おこしにスカウトされた。


なんでも、地元の産業を振興させてほしいとかなんとか……。


でも、フタを開けてみたら、肝心の産業公社の経営 内容、まっかっか……。


上から下まで不正と腐敗のオンパレード。


定年まで大過なくすごして退職金を満額もらえれば、後は野となれ山となれな幹部連。

その後釜を狙う中堅どころ。

主流派に組みして おいしいポストを占めようとする下っば。

主流派から外れ、監査と称して関連会社に通っては、因縁つけて たかる者。

タカりに耐えてるように見えて、裏では それらとつるみ、横領に精を出す関連会社。

(同じ主流派のあぶれモンでも、憂さ晴らしのパワハラに夢中な輩は対処の仕様がなくてノーサンキューだそうな……)


どっから手をつけたもんか?と悩んでたら、町がワイと家族に用意してくれた社宅に、馬車が突っ込んだ。


家族に手を出すとか……。


ありえん!

(さすがに このあと、町の衛兵がワイと家族を警護してくれることになった)


色々と頑張ったけど、

「ヤツに従ったら許さんぞ!」

と、全社 一丸となった相互 監視 体制により、四面楚歌。


だぁれも言うことを聞かない。


それでも地道な努力の積み重ねで、ようやくマシな人たちを集めて成果を出したけど、お上品に言えば、やりたかったことの一割しか でけんかった。

(ハッキリ言うと、社員や関係者──たくさん 人のいる中で、一割しか 言うことを聞かんかった……)


それでも、つぷれかけてたのを再生どころか、自治体 格付け 上位にまで押し上げた。


再生報酬は、世間の相場だと金貨で二千万枚。

だったんだけど──

「たった一人に そんだけの高額報酬を払うと、カドが たつ」

とか、なんとか……。


結局、私用にかかる金を会社の方で持つとか言いだしたんで任せてたら、ある日、ワイんとこに憲兵がやって来て、つかまった。


どうやら、自分たちの分は上手くごまかして やってるのを、ワイの分だけ わざとバレバレにやったらしい。


幹部連の陰謀らしいが、ここまでバカとは思わんかった……。


みんな本来の能力は高いのに、失敗したら地位や昇進がフイになる!と恐れ、出す企画は世間の四番 煎じか、五番 煎じ。

無難なことしか、やろうとしない。


チャレンジャーがいても、

「一人だけ、いい格好するな!」

と横から足を引っ張り、

「俺の地位を狙ってるのか?」

と上から妨害し、

「巻き添えはごめんだね~」

と下はサボる……。


そんなだから、生き馬の目を抜く業界を ワイ抜きで泳いでけるとは思えへんかったんやが……。


あんのじょ~、ワイが牢屋にいる間に赤字 自治体へ格付けダウン。


放置されてたワイは、家族の出した救出依頼を引き受けた冒険者パーティーのおかげで牢屋から脱出。


再生は これからも機会があれば引き受けるが、あのあたりには二度と近づかん!


商人仲間も、「あのへん、ヤベーよ……」と、誰も手を さしのべなかったそうな。


数年たって、ようやく自浄作用でも働いたか、干されて子会社へ飛ばされてたマトモな社員が本社に舞い戻って立て直したらしい。


いいけど、コチラは逃亡生活で すってんてん……。

助けてくれた冒険者パーティーも、つかまって牢屋入り……。


主流派 倒して実権 握ったんなら、はよ真相 暴露して冒険者たちを解放しておくれ……。

あと、コチラも指名手配 解いて、再生報酬 払うとくれ……。

ドラ○エⅢの、仲間の商人がパーティーから抜けて発展させる町がモチーフ。


私的なパーチーと聞くと ただの贅沢にしか思えないけど、誰かの誕生日だの なんだのは、集まるための口実に過ぎず、分刻みで忙しい各界 お偉方が集まる その実態は経済 会議、と言う……。


地方領主が主人公の某 小説でも、

緊急事態 発生時、移民の長が

‘ワイらの住環境 整備が優先!’

と、協力を拒むシーンで、主人公が

‘貴族が首都で毎晩パーチーやってるのは、ただ遊んでるだけだと思ったか? 住環境 整備については、もう他領からの支援を取り付けてあるから、今は協力しろ’

と説得するシーンが……。

(遊びのパーチーと見せて、実際は情報交換やら、領地経営の相談やら、誰かと誰かの仲を取り持ったり、各種協力・支援を取り付けたり……)

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