〜10000年もの物語〜
〜メルトside〜
もうすでに見慣れてしまった…屋敷…一見すると、どこかの令嬢の屋敷とも見えるその様相に含まれた…皮肉の数々…そのうちの一つ…静寂さの意味を知った今では…その静けさですらも気持ち悪かった…
目の前に浮かぶ…君の最期の姿…亡骸…それすら残さない、完璧な世界からの拒絶…それを受けてもなお…
…君は笑っていたっけ?...
結局...俺は大切な人、1人すら救えなかったんだ...守れなかったんだ...見捨てたんだ...、...殺したんだ...!!!
そんな後悔と絶望を孕み続けて…続けて…、それの繰り返し…そんなのが、止まる余地も無かった
己への憎悪が溢れて止まらなかった…殺してやりたかった…
俺に残ったのは...生きるのに、困らないほどの莫大な財産と、超回復と時間移動と自己制御の能力...
だけど、そんなものいくら持っていても、君がいなきゃ...なんの意味もない...
君が残してくれた最期の言葉
「繰り返さないで...生きて...」
その短い言葉にどれくらいの想いを込めた言葉…そんな君の最後にして、最期の皮肉…そんな言葉に、重責を感じつつ…心に残るのは、君から教わった言葉と、自己嫌悪…
だけど…この腐ったゲームを終焉するには…もっといい結末にするには…もっといい行動を取るには…僕にしかない武器で君と同じような次元に立たないといけない…、それならば、やることは一つ…
「…自業自得…そうだよな…メルト…」
…絶対に、君を今度こそ守るから...待っていて...
天国に住むクズたち(あいつら)のために割いた時間...それを代償として...成した君の偉業…世界...その生きた重み...精神侵食...これら全部は...残念ながら背負えないけど...僕は...生き続けるよ...
たとえ...壊れても...
そう決意した日から、メルトの瞳は、純粋とは程遠いほど、黒く濁った決意を宿し続けていた…
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜メルトside〜
必要な決意の方向をついさっきに決めた…
現時点では…金を稼ぐ必要はない。だって、そんな必要がないほどの額を手に入れている…、…三兆円少々…もうそんなギャグみたいな金額を持っているわけだから、そのことに頭を悩ませる必要もないわけだ…その点だけを挙げても、普通そこまでの金額を集めることはできないわけだから、本当に頭が上がらないほどすごいと思う…
…この屋敷にある書籍はもう全て読破した…知識も十分なほどある…、専門的な知識とまではいかないが、ある程度のことをそこそこ広く…深く…認識はしている…専門的な知識など、時間がある時にでもつければいい…そんなことは現段階では必要じゃない…じゃあ、あとやることといったら、なんであろうか??パッと思いつく限りだと、人脈と知識の活用…それくらいだろう…
いつか、遠い未来まで君を迎えにいかないといけないんだ…しばらくの修行期間は、この二つの事柄に専念すれば、大抵のことは叶えられる…いや、違うな。叶えないといけない…、能力の発展に関しては日常的にやるのは当たり前だが、それ以外の時間は全て、自分磨き…これに支配されよう…そこまでしても叶うかどうかわからない願いなのだから…
うん、具体的に磨くべき能力…人脈と書籍での知識の活用…これについては、もう定めた…じゃあ、もっと具体的に考えよう…どうすれば、これらを効率的に手に入る??どうすれば、君と同じくらいの次元にまで、到達できる、のか??...そう思って考えてみる...今の、無能な自分で…ない頭で考えてみる…
まず、人脈に関しては、技術が発展した現代社会のおかげで容易に解決できそうだ。ジモ●ィーやl●neなどのアプリのグループで直接知り合えば、数珠繋ぎでどんどん増やすことができる…最悪、それが失敗しても、マッチングアプリで女性と関係を持てば、その女性経由でどんどん繋がりがもてるんじゃないか??これに関しては、やり方次第でいくらでも増やせそうである…それと同時にこうも思う…『イケメンになりなさい…なった方が人生は楽だ!!』...このふざけているような君の発言…案外、的を得ているんじゃないか??
それはともかくとして、知識の活用…これに関してはどうであろうか??...、あれ?...意外と問題ないじゃないか??仮に関係なさそうな、釣りグループとかのグループに入ったとしても、思考自体を働かせれば…、…いや、ダメだ…仮にうまくいったとしても、繋がりが『釣り』だけじゃ、そこからの発展はない…結局…僕が習得したい知識というのは、どんな分野に行ったとしても応用が効くような知識なんだ…一点特化の知識なんてものは、その一点以外だと驚くほど脆い…しかも、釣りグループで拘束される時間も考えたら、コスパが悪い…、だけど…人脈だけを考えたら、グループに入ったりする方法は結構いいと思う…しかし、前述した通り、知識の活用には使えない…
だったら、知識の活用…これはどうしようか…、そうやって考えてパッと浮かんだことを列挙していこう…、
…そうだな…あんまり気が向かないが、名義上、漣さんというデフォルトで呼ぶとしよう。その漣さん関係の人間の助けは無理だ…これは心情的に無理ではなく、物理的に無理なんだからしょうがない…全員がとても遠いところにいるわけだから、無理なものは無理だ…だったら、…だったら、心理的カウンセリングや、お悩み相談とかのフリーサイトで、回答を続ければ知識の活用になるんじゃないか…、うん…確かにそれをやれば、ある程度の効果はつくだろう…、だけど…表面的な解決ばかりしていては…本当に…根本的な部分の心理にたどり着けるだろうか…無理だろうなぁ…、...あ〜、ダメだ!自分で思考していても、なかなかいい案は思いつかない…、…だったら、発想の逆転…ここは、一度、先人の知恵でも借りるとしますか...そう思考して、偉人の修行を思い浮かべてみる
…松尾芭蕉…確か、彼って、俳句の技術を高めるためにいろいろな場所を旅してはそれで養った情操によって俳句をどんどんと高めていったよな…織田信長…戦を観戦することにより、独自の突飛な発想の基礎となった…睡眠の重要性を謳ったあの人(グリ●●アの野菜)...北海道に旅に出た…そして、彼は青春をやり直すことを決心して、それから最強の英雄になった…、助ける側も助けられる側も共存できる以心伝心の真のパートナーを誕生させた…つまり、僕らの夢をあの人は、たった一度の人生で達成したわけだ…
パッと浮かんだこの三人…特に最後の人は、漣さんから教わった中では僕が一番かっこいいと思った英雄の経験だ…じゃあ、その人たちの共通点って?考えてみると、案外明白な答えだった…『外へ行って、そこから学び取る…』…そんな感じだよな…、…そういえば…漣さんとは、一度も日本旅行したことなかったっけ?そんな今更感の強いことを思い出した…、…、…、うん…そうだったよな…そう思うとますます、自分の不甲斐なさに打ちのめされそうになる…、自分を責めるという非合理で、自分勝手すぎる行動に移りたくなってしまう…だけど、違う…自分の精神を酷使する場面はここじゃないはずだ…、そう思って、持ち前の理性でその邪念を打ち切った。
とりあえず、議論を発展させよう…『外へ行って、そこから学び取る』…僕のやつに当てはめれば、…自分探しの旅か…確かに、旅に出て、その経験をもとに自分でいろいろな思想を深めていく……そっちの方が僕が出した案よりも遥かに効果がある…それにこれからの指針を決める旅にもなるはずだ…最終的には、漣さんを遥かに超えた性能を持たないとダメだ…だから、最初の指針を選ぶのにも旅を経た長考...これも時には必要かもしれない…それに、日本で旅をしたことはまだない…『見聞を広める』なんて言葉は、一般人がよく使いそうな言い訳だが、僕の場合はそれが本当に必要だと思う。…仮に知識の活用の面で、何の収穫も得られなくても、持ち前の明るい性格の演技と、整った容姿で人脈程度は作れそうだ…そんな機会なんて滅多にないから、損することなどないだろう…
だったら、次は行き先だ…行くとなれば、できるだけ見どころがあるところがいい…何せ見どころが多ければ、それに対する見聞も広まるというものだ…そう思っても、日本の名所など一般人レベルの僕がどんどんと案が出るわけもない…とりあえず、ネットで調べてみたが、馬鹿らしくなってやめた…、どうせ、後々のことまで考えるなら、日本全国行くことになるんだし、行先は漣さんの記憶にないところでいいか…そう思って、僕は先ほど挙げた北海道へと行き先を決めた…
人間はいざ決めたら即実行するに限る…そうじゃないと、その決意がどんどん鈍って最終的に何も果たさずに終わってしまうのだ。
だから、そうと決めたら、即実行。
僕は、次の日に、北海道に必要なもの、旅行計画書を揃えたりして準備完了!!
それから最寄りの空港へ、バスに乗って到着し、そのまま国内線の予約していた新千歳行きの便に搭乗した。飛行機に乗るのは、初めてだけど、全く緊張しないのはもはや日を見るよりも明らかなことだ…そんな感慨に耽りながらも、一冊の本を読む…哲学書『粛静』…はたから見れば、メルト君の絶世の容姿に分厚い書籍を読んでいる姿は、異性から見れば疼くようなものがあるだろう…まさに、絵になる光景…そう呼ぶのがふさわしすぎるほどである…これだけで、逆ナンパをされそうなほどだ。だけど...過ぎたるものはなんとやら...美しすぎる容姿は、逆に人に避けられてしまうのである...まぁ、例えるならそう...神様扱い? そんな感じだ...しかし、逆を言えば、メルト君が誘えば、ほぼ即アドレス入り...つまり、ほぼマ●ターボールと同じような性能まで到達していることを自覚していないことがメルト君の最大の欠点だろう...もちろん、そのマ●ターボールの性能になるのは、異性か特殊性癖の人物だけであろう。
メルト君の願いのための旅が新たに始まるのだった…
〜???side〜
メルト君がちょうど新千歳空港に着いた頃…北側の黒幕は、にっこりと
『笑みをあふれさせた』
この時点で、メルト君が今回の人狼村に巻き込まれるのは、確定事項だったのだ…本来ならば、死ぬ可能性が高い人狼村へのご招待なんて、人生最大の不運といっても良いだろう…何せ、死ぬ可能性が50%以上の村に招待されるのと同義なのだから。だけど、『ほとんど不死』+『タイムトラベル可能』の能力を持ったメルト君にとって、この村への招待は最大の幸運でもあり、黒幕にとっては、最初で最大の誤算であったことを知るのは、この一章が終わった頃だろう…
いや〜約一週間ぶりですね。読者の皆様... (o^∇^o)
改めまして、紹介させてもらいます。この物語の作者、人間のksです。
僕の地域では、例年ならこの時期は、室内でも厚着をしていないとダメなほど寒いのですが(単に僕が暑がりの可能性)、今年は驚くほど、寒くなくて戸惑っている僕です...、二酸化炭素が頑張り過ぎてますね...結構、動物の気分になれて好きな気候だったのに、少し残念です(o´_`o)
単刀直入に言いますと、『天国に住むクズのために粛清を』はこの作品の体験版といったところですね...『天国に住むクズのために粛清を』のところで結構いろんな謎が散らばっていましたよね?例えば、サナエさんが三人の犯人を捕まえた方法とか、カロン、シャクシュー、サキナの正体、特にサナエさんの年代の時に、シャクシューちゃんがなんで?男になってんの?とか闘神を屠ったあいつは誰なんだ?とかまぁ、突き詰めると、謎なんていくつもあります。...だけど、言ってしまえば、この作品によって、それらの謎は少しずつ解明するような感じです。この作品は、『天国に住むクズのために粛清を』みたく、年代が変わるような場面転換はないです。全て、メルト君が住む現代だけで、存在する場面転換といえば、メルト君とは別視点の話(それも全員現代で生きている人)ぐらいです。なので、ややこしさは前作と比べると易しめだと思うのでご安心を...
さて、積もる話は山のようにありますが、今回でそれを話すわけにも参りません...楽しみは最後に残しておいた方が後々良いことが多いですからね。次回は、前作で説明した通り、人狼村へとメルト君は足を踏み入れます。しかし、もちろん、俺つえー系で最後までメルト君が無双すると思ったら、大間違い...そんな単調な描写が続くわけもないのです...まぁ、メルト君が活躍する影で私は、地雷魔みたく伏線を貼り続けるのですがね(ಡωಡ)ニヤニヤ あ〜ヤラシイ人
とにかく、この人狼村は、だいたい80話くらいで終了する予定です...長過ぎ!!と思った人...、...うん。(自分を含め、おそらく全員そう思っている)僕だって、できれば早めにかつコンパクトで終わらせたいですよ...!!だけど...この人狼ゲーム...僕が想像している5倍くらい非常にややこしい...!!人間関係やその背景...歴史...黒幕 その他etc それを初期の段階で考えないといけないなんて、なんて鬼畜!!こんな設定を考えた人間はきっと余程の物好きでしょうね!!(それを途中で気づいておきながら、人狼村の選択をやり続けた僕にも特大のブーメラン) つまり、ややこし杉!!というわけです。だから、どうしても描写が長くなってしまうのは、ご了承を...
じゃあ、久々な希ガスの匂いが漂う格言!!参ります!!
「人間はいざ決めたら即実行するに限る…そうじゃないと、その決意がどんどん鈍って最終的に何も果たさずに終わってしまうのだ。」
あ〜...これって結構あるあるじゃないですか??仕事をやるにしても勉強をやるにしても、結局一番辛いのは『やるかどうか悩むこと』じゃありません??そうやって、悩んで、結局やらずに他のことで現実逃避(例えば、動画やゲームとか)...よくあるよくある...こういう時は、どんなに嫌でも、悩まずに即行動すれば、意外といい選択肢にいけたりするんですよ。逆に悩んでいると結局やらずにこのまま放置...後悔する羽目になるなんて結局よくある話で終わってしまいますね。まぁ、一度は思考停止で、やるべきことをとりあえずやってみてはどうでしょうか?結構いい選択肢に行くかもしれませんよ?(なお、そんないいこと言っている自分は中卒...信憑性皆無)