第一章:第三話
なれない三人称での執筆なので変なところがあれば言ってもらえると助かります;
あ、感想なども大歓迎ですよ^^
シチリア大陸には三つの大国がある。
北のベルン皇国、南のフレイア帝国、西のレトリア王国。
いずれも大戦前から栄えていた大国だ。
だが、東の大国だけは大戦で滅びたとされている。
されている、という言い方なのはその大戦自体が1500年も前のものであるため裏
づけが取れないのだ。
今ではその場所は魔族たちの住処となり、人間と魔族の間では盛んな交流が続け
られている。
大戦以後2回ほど大きな争いがあったが、ここ数百年は大陸の諸国は平和を謳歌し
ていた。
しかし突如としてその平和はレトリア王国の崩壊という形で崩れ始めた。
レトリア王国亡き後の西部の覇権争いのためベルン、フレイア両国の水面下での争いは中原までをも巻き込もうとしていたのであった。
以上のことからこれからどういうふうに政治を進めていくか議論するための会議だったのだが、あまりにもやる気の見えないシルファにリアが激怒したため会議は一時中断。
再び始まった会議でも具体的な政策は決まらず、その日の会議は終了となった。
「王子」
「ん?」
会議が終わり、自室へと戻ろうとしているとき。
背後から聞こえてきた声にシルファが振り向くとそこに190cm近い上背の男性が立っていた。
「やあ、宰相ハーレンさんがダメ王子に何のようですか?」
「王子…あまり自分を悪く言うのは感心しませんよ」
宰相ハーレン。この男こそがミラルカ王国の執政担当であり国王の右腕でもある。
ハーレンの外交能力は中原、いや大陸でもそうはいないほど長けているのだが、いかんせん国のイメージが低いので他国からあまり評価されていない。
「実際そうなんだけど…。ところで、どんなようなの?」
「えっと…ここではなんですから私の部屋に来てもらえませんか?」
「ええーめんど…や、行かせてもらいます」
ハーレンの笑顔の下になにを見たのか、冷や汗をかきながらシルファは頷いた。