9Vakzin 仲間を失う瞬間に…
「うあぁ…うっ…あっ…」
ゾンビ化した博士はエレベーターに乗って地上に来た。
コインランドリーを出て他のゾンビに混じった。
そのことをゆめとたちは知らなかった。
その頃…ゆめとたちは車で街を見て回っていた。
「なんか逃げ込めそうなとこあるかな…」
「一軒家とかは窓とか割られたら侵入されるから
マンションとかの方がいいんじゃないかな…」
「それもそうだな…」
5人はマンションに隠れることを決めて
結衣菜はマンションの方まで車を走らせた。
マンションにはすぐに到着したが駐車場などに
たくさんのゾンビがいた。
「まぁ予想はしてたかな…」
「マンションには多くの人が住んでるからね…」
「屋上を目指すぞ…」
そうゆめとが言うと皆んなはびっくりした。
「本当に行くんですか!?」
「こんなところにいても危険なだけだ。」
「そうだけど…」
止めようとしたがゆめとは行ってしまった。
「無茶振りだな…でもゆめとくんの言う通りだ。」
そう言って真司たちもゆめとの後を追いかけた。
道を邪魔するゾンビたちをゾンビ用のナイフで切りつけて先へ進んだ。
最上階まで来るとゆめとは屋上へいく階段を天井から出して階段を登った。
「早く!」
ゆめとがそう言うと真司たちは急いで階段の元へ行き登った。
屋上から見る街はとても広かった。
「広いな…世界って。」
「怖い…」
真司は高いところが苦手で少し怖かった。
「咲良…大丈夫か?」
「まぁ…さっきよりかは痛くなくなってきたかも…」
「それは良かった。」
ゆめとはスマホをポケットから取り出した。
「ゲームが出来たら…この先の行方が分かるのに。」
「そのゲーム…攻略本とかないんですか?」
「まぁな…今日発売されたスマホゲームだからな」
ゆめとと結衣菜がそう話していると真司が咲良の異変に気付いた。
「これは…」
「どうしたんだ…真司。」
ゆめとと結衣菜は真司の元へ行った。
「これ…傷が変なんです。」
そう言って真司は2人にも傷を見せた。
「何がだ?」
「これ…狂暴化されてるような。」
「なんか筋があるな…」
「ワクチンの効果聞いてるんでしょうか…」
真司がそう心配そうに言うと塔矢は言った。
「当たり前だろ…世界をこんなんにした奴が薬を作れないって。」
「でもマニュアルには確か…10時間後には治るって…」
「今は…6時間くらいだな。」
ゆめとが腕時計を見て何時間経ったか教えると真司は
ワクチンが効いてないような感じがした。
「そのマニュアル見せてください!」
真司はゆめとが手に持ってるマニュアルを取って見た。
「時間が経って筋が出てきたら効果は効いていない証拠?」
「それは本当か!」
ゆめともマニュアルを読んだ。
そこにはきちんとそう書いてあった。
「咲良は…じゃぁ。」
ゆめとたちは咲良から離れた。
「私はいいから…逃げて。」
「でもワクチンを打ちなおす手も!」
「それは無理よ…もう噛まれてから時間は経ってる。効果は効かない。」
咲良がそう言うとゆめとの目からは涙が出た。
「だから行って!」
ゆめとは涙をふいて咲良を抜く4人で屋上から最上階に降りてマンションを出た。
車に乗って結衣菜はエンジンをかけた。
「行くよ…」
そう言ってアクセルを踏んでマンションから去っていった。
それを咲良は見ていた。
「皆んな…短い間だったけどありがとう。」
そう言うと咲良は目を閉じた。
ゆめとたちは行き先を考えながら街を車で走っていた。
「どこに行く?」
「コインランドリーに…戻ってくれないか?」
ゆめとがそう言うと皆んなは黙った。
「お願いだ…人類を救うためにはどうしてもあそこに戻らなきゃいけないんだ。」
「分かった…」
結衣菜はコインランドリーに向かって車を走らせた。