09.~最後はやっぱりお約束だよね~
おまけタイトル:09.~仲間紹介もあるよ!~
※誤字を修正しました4/3
「あの女性、なかなか戻ってきませんね」
「だね~。やっぱりアポとか取っとかないと駄目だったのかもしれないな」
受付の女の人に手紙を渡してもう二十分くらい経ったと思う。
手紙を持ったまま、カウンター奥の部屋に姿を消したまま一向に戻ってくる様子はなかった。
「そうだ、どうせ暇なんだから有意義に使おうか」
「例えばどんな風にですか?」
「ほら、コレだよ。コレのことについて教えて欲しいかな」
僕は右手に着けている元スマートフォン&対話のブレスレットの、腕時計っぽい何かを見せつけるようにしてティファニアに言った。
「ティファニアが僕のスマホをこんな風にしちゃったんだから、説明してくれるよね」
「はい、もちろんです」
ティファニアは説明する前に、一度コホンと咳払いをしてから話し始めた。
「まず、それ自体には名称はありません。腕に着いているのは、主が先に条件の良さそうな媒体――つまりブレスレットを着けていたので、それに融合させたのでそのような形状となっています」
「へえー。じゃあもしブレスレットを僕が着けてなかったら、いったいどんな形にするつもりだったの?」
「そうですね、たぶん腕に直接スマートフォンを埋め込むような形になっていたかと」
「埋め込む?」
「はい。大体この辺りに、スマートフォンの形のまますっぽりと」
ティファニアはそういって、手首の上から肘の間辺りを摩ってみせた。
危なかったー。
僕、ブレスレット着けてて本当に良かった。
「次にそれの機能ですが、残念ながら元々のスマートフォンにあった機能は全て使えません」
「全部? カメラとか電話とかメールとか?」
「それもなのですが、一言で言うとソーシャルゲームの『ファンタピア』以外は何も出来ません」
「まじかよ……そういえばこれってバッテリーで動いてるの? この世界だと充電なんて出来なさそうなんだけど」
「それはご安心下さい。この世界にやってきたその時から、バッテリーではなく魔力で動くように切り替わっていましたから」
あー、確かカーディナさんがスマホから魔力を感じるって言ってたな。
電源を入れた時に言い出したから、スマホを起動させて魔力が発生したってことだろう。
「……ところで、ティファニアはなんでそんなにいろいろ詳しいの?」
コレは僕じゃなくても、同じ状況になった人なら感じる疑問だと思う。
彼女はそれだけ違和感なくこの世界に順応しているのだ。
「それが……」
「? どうしたの」
ティファニアは綺麗な顔に苦悶の色を浮かべて眉をひそめていた。
「それが……私にもわからないんです」
「――はぃ?」
「信じてもらえないかもしれませんけど、頭に自然と浮かんでくるんです。初めて主の前に出てきた時も、その時になって初めて私は『自我』というものに目覚めました。それまではただのプログラムデータでしかありませんでした」
それはそうだろうな。
彼女は元々、僕がプレイしていたソーシャルゲームのモンスターカードなんだから。
まあ、今はこうして目の前に実在する僕の仲間だから関係ないけどけどね。
「スマートフォンを融合させたりする知識も、自然と頭に浮かんで、それで思い浮かんだままに行動していました」
「そっか。不思議なこともあるんだね~」
「え? あの、主、私の言ったことを信じてくれるんですか?」
「だってティファニアは嘘吐いてないでしょ、勘だけど。でも僕の勘は良く当たるんだ。だから僕はティファニアを信じるよ」
「あ、あるじぃ~」
「ちょっ、泣かないでよ。ほら、周りの目もあるんだからさ、ね?」
僕が泣いてるティファニアの肩を撫でて落ち着かせようとしていたら、案の定、周りの視線が痛いほど感じられた。
とくに男の人の。
「じゃあ次はコレでどんなことが出来るのか教えてもらえると嬉しいな~」
僕は空気を変えるためにも話題を逸らすことにした。
ちょっと早口で一気に言っちゃったけど、ティファニアは目尻に残る涙を指で拭って『はい!』と元気よく返事をした。
「さっきも言いました通り、これは『ファンタピア』を起動することが出来ます。ただ、地球にいた頃と違ってある機能が追加されています」
「ある機能?」
「それは、『モンスターカードの実体化(召喚)』です。つまり、主が持っているゲーム内のカードに描かれているモンスターを、私のように現実に召喚することが出来るんです」
おおおっ!
それはすごいっ。
僕はモンスター図鑑を揃えるのもカード強化と平行してやってたから、所持してるモンスターカードの枚数は一〇〇枚は行くと思う。
つまり、一〇〇のモンスター軍勢みたいなことも出来るのか。
「ですが実体化には制限があります。それは、『デッキ』に設定しているモンスターしか召喚出来ない、という物です」
「そうなのか。じゃあ全部一気に召喚しようとしたら、全部で六人までになるのか」
「その通りです。そして、今デッキにセットしているモンスターは変更することが出来ません。つまり、今後主が召喚出来るのは今デッキにセットしているモンスターカード六枚に限られます」
残念だ。
ちょっと軍勢を率いる、みたいなことに憧れがあったんだけど……。
いや、例え六人だけでもゲームの中のモンスターを召喚出来るなんて凄いじゃないか!
「どれどれ、デッキを見てみようか。まさかこっちの世界に来た拍子に、勝手に変更されたなんて内だろうな」
「それはない――……はずですよ」
「なんなの今の間は……」
僕は心配になったので急いでファンタピアを起動してデッキを確認した。
《デッキ情報》
☆リーダーカード
【浄化天使】ティファニア
種族:神族
レアリティ:レジェンド
カードレベル:MAX(140レベル)
強化レベル:MAX(第四段階)
攻撃力:24568
防御力:20369
カード効果:デッキ内の他の神族カードの攻撃力をそのカードの1.2倍分アップさせる。
イベント効果:ボス相手の攻撃の際、ランダムで追加攻撃を加える。
メンバーカード1
【放浪英雄】アベル
種族:人族
レアリティ:レジェンド
カードレベル:MAX(140レベル)
強化レベル:MAX(第四段階)
攻撃力:23981
防御力:19102
カード効果:相手の防御力を0.8倍にする。
イベント効果:自分のデッキ内に人・神・魔族全てが存在する場合、このカードの攻撃力は人族以外のカードの枚数×1000アップする。
メンバーカード2
【聖戦乙女】プリムラーナ
種族:神族
レアリティ:レジェンド
カードレベル:MAX(140レベル)
強化レベル:MAX(第四段階)
攻撃力:20000
防御力:20000
カード効果:このカードは、相手のカード効果によって攻撃力・防御力が下がらない。
イベント効果:相手カード効果によって自分のデッキカードの攻撃力・防御力が下がる場合、他のデッキカードへの効果影響を半減させる。
メンバーカード3
【夢幻飛龍】タケミカヅチ
種族:魔族
レアリティ:レジェンド
カードレベル:MAX(140レベル)
強化レベル:MAX(第四段階)
攻撃力:18712
防御力:25013
カード効果:なし
イベント効果:なし
メンバーカード4
【悪戯淫魔】マナリエラ
種族:魔族
レアリティ:レジェンド
カードレベル:MAX(140レベル)
強化レベル:MAX(第四段階)
攻撃力:19420
防御力:23008
カード効果:相手の攻撃力を0.8倍にする。
イベント効果:なし
メンバーカード5
【勇往邁進】ブリッジス
種族:人族
レアリティ:スーパーレジェンド
カードレベル:MAX(160レベル)
強化レベル:MAX(第四段階)
攻撃力:?????(26670)
防御力:?????(26873)
カード効果:このカードの攻撃力・防御力の数値は、このカード以外のデッキカードのそれぞれの数値を合わせ0.25倍にした数値になる。
イベント効果:カード効果によって決められたこのカードの攻撃力・防御力の数値に差がある場合、その差の数値分ほかのデッキカードの攻撃力・防御力をアップさせる。
「よかった、変わってなかった」
僕はデッキを確認してホッと一安心した。
この世界で生きていくためには、ファンタピアで集めたカード達の力を借りないといけないからな。
デッキには僕が集めたカードの中でも強力なカードを入れておいたから、もし変更されてたら命に関わってきたかもしれない。
「それで、これってどうやって召喚するの?」
「それはですね」
僕に顔を近づけて覗き込むように一緒に腕に着いているコレを覗き込む。
う~ん。
いつまでも『コレ』とかって言うのは不便だな。
早いところ名前を決めないと。
「おいそこの小僧!」
そんな時、ギルドの中に男のガラガラ声が響いた。
お読み頂きありがとうございます。
今回主人公が召喚出来る仲間を紹介出来ました。
なぜほとんどがレアリティ:レジェンドなのかというと、スーパーレジェンドは課金またはイベント報酬でしか手に入らないからです。
主人公が唯一持っているのは、イベントで入手した物です。
次話の更新は未定です。
メイン作品の合間に気分転換で書いているので、ご了承下さい。