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0 畳の上で

アゼイリアの過去編です。

また、咳が止まらなくなった。


もうこんな生活にうんざりして、

見飽きた森林の風景を眺めていた時


私はあなたの元に来たの。。。


あれは、ダンデリオンの行方が分からなくなり10年がたとうとしている時で、

漸く18になったローズは王位を継承し、

父親が亡くなった瞬間からダンデリオンの行方を本格的に探し始めた。


そうして、あたしはもうすぐ17になろうとしているのに、

何も出来ずただこうしてベッドで横になるばかり、、、


情けなさすぎよ。。。

「はあ。。。」


「アゼイリア様。お具合のほどは?」

「ん?ああ、シスル。。。まあいい方よ今日は、」

本当は咳したいけれど、ここでしたらまた療養生活が長引くわ


「そうですか、、、ところでアゼイリア様。」

「なあに?」

「先日、馬子に弟が誕生しまして名前をつけていただきたく思うのですが、」


・・・・・どうでもいいって言うのはさすがに駄目かしら?


「そう、ね、馬夫でどう?」

「いいお名前!!!さすがアゼイリア様!素晴らしいでございます」

シスルが感涙の涙を流す。

・・・馬に関してだけ彼は感情豊かだ。


ああ、なんだか動きたい。

ん、そうだ。


「シスル。。。」

「はい。なんでしょうか。」

「馬夫を見せて欲しいの。駄目かし「いいです!寧ろお願いします。」


やったあ。


そして、喜んだその瞬間。


私は畳という所に座っていた。


目の前には、紙コップをもち中の麺をズゾズゾ啜っている男性。

いや、その男性はもう啜るのをやめ、

目を見開いて私を見ている。


・・・ここは、何処?誰?何でいるの!?


頭の中はパニックなのにあたしは顔には出ない。


そして、男性はゆっくり箸をおき、


微笑んだ。


・・・トクン、と場違いな鼓動に更に内心焦る。


え、えと、まずはここが何処だかきこう。


「あ、あの、ここ、はどこ、、、です、か?」


震える声で途切れ途切れに質問する。


すると、あなたは少し驚いた顔をして安心したように笑った。


「ああ、良かった日本語が話せるんですね。

そうですね。安心してください。僕は普通の保父を目指す学生です。

そしてここは私の家。ああ、申し遅れました僕は佐々山。と言います。」


そう言って軽く会釈をする姿に私は思わず見入ってしまった。

いきなり家に現れた人間にここまで礼儀正しくするなんて、、、


そして、あなたはちょっと困ったようにはにかんだ


「あの、こんな状況ですから僕もかなり混乱しているんです。

良かったら、あなたのことも教えてくれませんか?名前とか」

「・・・あ、アゼイリア。です。」


「アゼイリアさんですか。よろしくお願いします。あの、あとは、

日本には何故いらしたんですか?」


「え?ニホ、ン?」


静かな間が流れた。。。


「も、しかして、日本を知りませんか?」

静かに頷く。


「貴方の、出身地は?」


「あ、グリア星から来ました。あの、でも何で来てしまったのか、、、

ここはグリア星では無いのですよね。

ニホン??ニホン星なんて星あったかしら?いやでも、、、」


何時の間にか独り言を呟くアゼイリアを

しばらく佐々山は観察して見ることにした。


そして、わかった事。


信用はしても大丈夫だが言動に多少おかしな点が見られる。

グリア星。

聞いた事もないその星に、少なからず精神障害の可能性も考えるが

すぐに却下した。

会話は普通に成り立つし、見なりもきちんとしている

多少顔は青白いけれど健康状態は良い、、、かな


「あの、すみません。グリア星というのを僕は聞いたことが無いんです。

ここはニホンという国ですが、大きく言ってしまうと地球という星なんです。

地球はお聞きしたことは?」


チキュウ、、、

いや、無い。


左右に首をふる。


「そうですか。。。では、今から僕が言うことは僕の世界では100%迷信だと

言われてきたことです。」

「は、はあ。」

「ですから、本当にそうだとは言い切れないし、

どうしていいのかもよくわかりませんが、一緒に頑張っていってもらえますか?」


コクンと頷く。


それに安堵したようにあなたはまた微笑んで、言った。


「あなたは、異世界にトリップをしてしまったんです。」



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