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2・14うふふなお散歩

カチャカチャと食器の触れ合う音がリビングに響く中、

ローズは100年に一度あるかないかという難しい顔をしていた。


「・・・あのローズさん。顔が、、、」


「・・・・・・・。」

無言でレタスを口に運ぶローズさん。

どうやらあたしの声は聞こえないようだ。


今の気持ちを正直に話そうか、


怖い。


ガチ恐い。


ローズさんは、なまじ顔がいいから、真剣な顔つきをされると

その、男性的な魅力が、フェロモンが、男らしさが、


溢れ出ているのですよ!!!!!!


そして、なにが怖いかって?

こんなにいい男の代表!!みたいな人から、、、


「あ、ねえダンデちゃん。お醤油取ってくれないかしらん?」


呼ばれたダンデの顔が蒼白になる。

・・・・・来ちゃったよ。

だから恐れていたんだよ。ハンサムなお兄様から出てきたテノール を無理やりソプラノにしようと足掻いたような声がするなんて誰が想像出来よう!!(泣)

余りのミスマッチさに涙がちょちょぎれる。


ああ、神よ!何故貴方はローズさんを男にした!!

喜代は天を仰いだ。

ノックの後、

コロコロと、クレマティスがお茶を運んでくる。

「陛下~。顔が凶悪ッスヨー?なんかブルーな感じ~?」

はい、そこー空気読めてないぜー☆


しかし、どうやらクレマティスの直球な指摘により、ローズは少しだけ

顔を和らげた。


「なあ、ローズ。最近、色々大変だろうけど食事ぐらいは安心して食べないか?

不味そうな顔をされるのは、まあ、不愉快だし、、、」

ダンデも、そういい、ローズの反応をみる。


すると、ローズは何かを、決心したかのような声を上げた。


「切るわ。」


????


「皆、あたし、遂に、お、女の子に、なる・・・の。あのね

昨夜、やっと地球から留学していた研究者が帰ってきて、、、

もう、今夜から開始できそうで、研究室に、そろそろ行くの。準備は万端なのに、

それでもやっぱりすごく緊張するの

もし失敗しちゃったらって、ずっと女の子でいたいって思って縋った、最後の砦だから。

失敗して、男としても、女としても生きられ無い不安定な生活がまたずっと続くのかもって

思う、、、と。」


じんわりとローズさんの目に涙が浮かんだ。


不安な気持ちが、辺りに伝染していくのが分かった。

あたしも、思わず俯いてしまう。


「・・・失敗なんか、しないッスよ。」

ハッと顔を上げ、三人はクレマティスを上げた見つめた。

そう断言するクレマティスはキラキラして、カッコよかった。

うん、そうだよね。

こんなにローズさんは願ったんだから、失敗なんかしないよ!!


「ローズさん!早くもっと綺麗になってね!」

「キヨちゃん・・・!」

「ローズ。いや、姉貴。 頑張れよ。」

ダンデの言葉にぼたぼたと、号泣しながらローズさんは部屋を後にし、着替えに行った。


・・・遂に来たのかあ。

あたしが思いつきで言ったのに、こんな事になるなんてなあ。

てか、あたしあの王様の妃にさせられようと・・・?

思えばであった時は驚いたなあ。


上半身マッパの王様や、

猫の仮面を付けた王子様や、(常識にうるさい)

ギャル系のメイドさんや、

お兄さん的な輝くデコの郵便配達人や、

忍者服のコックさん。


皆皆、大事な仲間。あたしの居場所になっていった。

この星。グリア星。


うん、今日も、きちんと生きていこう。


「ダンデ、今日は会議はなさそうだね。」

「ん?ああ、まあな。反乱も、調査によれば今は休戦状態らしいし、

まだ出なくて良さそうだ。しかし、被害に遭った村や街の復興も手助けするから

おちおちしてはいられないんだ。まあ、今日はゆっくりさせてもらうが。」


なるへろ。

「じゃあさ!皆でローズさんのためにパーティーしようよ!!」

「イイッスね!それ!マジ喜代様パネぇッス!」

「いいな、それ。そうだリア姉さんの歓迎会も含めてやるか。」


「うん!やろう!!よぅしガンバッぞ!」


右手を高々と突き上げた。


そして、あたしは

ダンデに頼み、おでこさんを探すために街に出た。


どうやら、大半が木でできてる街だからか、木からロープウェイを付けて移動をしているらしい。

そして、馬鹿でかいクマのぬいぐるみを抱えたおでこさんに無事、たどり着けた。


「おでこさん!!」


呼ぶと、おでこさんはよろめきながら振り返ってくれた。

「おう。嬢ちゃんにダンデじゃねえか。どうした?」

「今夜パーティーをしようと思って!ローズさんとアゼイリアさんのために!」

「ああん?なんでローズなんだい?」

困り顔のおでこさんに、説明してやる。


「ふうん。成る程ねぇ。だからあいつ昨日あんな事。。。」

おでこさんはそういい、してやったりというようにニヤリと口元を曲げる。


?あんな事ってなんだ?

あたしが寝てる間なんかあった?


ダンデを見ればダンデも同じくハテナ顔。


ま、いっか!


「じゃあまたパーティーで!」

「ん。分かったよ。じゃあな。」

おでこさんは颯爽とクマを抱え、走り去って行った。

そして、小さい子達はクマが走ってる!!と興奮して後を追って行った。


残されたあたし達は暫く街をウロウロしようと決める。

薬屋にて、

「ダンデ!これなに??」

「ああ、それは毒草だ」

昆虫屋にて

「ダンデ!これは?」

「毒虫だな。」

雑貨屋にて

「ねえこれは?」

「毒だ。」

もはや、唯の毒かよ・・・


何故こんなにも、毒が出回っている。。。

おかしいおかしすぎるよ。

「まあ、この星の特産品は毒だし、仕方ない。」

「いや、よくわかんないよ。やってけてる?そんな商売。」

「毒と薬は紙一重だ。使い方を間違えなければ死にはしないよ。」

そういいつつ、あたしの左手をダンデの右手が包んだ。


・・・とりあえず、やるタイミングがずれてるよね。

まあ嬉しいけど。


あれ?待って!

この状況!これってデート!?デートだああ!!!


そう判断した喜代。

一方ダンデは?


・・・こうやって喜代殿と手を繋ぎ、街を歩くのは初めてだなあ。

ん?そういえばハイドに、昔聞いたが、恋人が共に歩くというのは、いわゆる

この星から代々から伝わる。ええと、なんだっけ?



「・・・ニート?」

「は?なにいってんのダンデ。」

「チート?」

「強いな。」

「あ、デート!!」

「あ!!デート!?なんだダンデも気づいたんだ!!!」

「そうかそうか。デートだ喜代殿。俺らはデートをしているんだ!」


「そうだよ!そうだよ!じゃあ、さっそく別の店を巡ろうじゃないか。」

越後屋と書かれた看板に向かおうとすると、ダンデに急に腕を掴まれた。


「?何?ダンデ。」

「恋人のデートというのはこの星では何処にいくかルートが決まってるんだ。」

「え!?そうなの?まあこっちも遊園地とかは定番だけど、、、

じゃあ、まず何処に行くの!!」

ワクワクしながら、ダンデの次の言葉を待つ。

ダンデも、ニコニコと無邪気な笑顔を振りまき、

口にを開いた。





「ホテルだ。」





・・・・・・それ、いきなりゴールイン。




そろそろ時刻はお昼になろうとしていた。

え?ナニコレ

断わる?行っちゃう?理由聞く?引っぱたく?


どーすんの!!!あたし!!!!

うっわ怪しく終わった!!しかも終わり方が某cmのようだ。ちょっと古いですかねえ?



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