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2・12 名前とお花

更新が遅れて本当に御免なさい。

次の朝、喜代は爽快感溢れる顔でハンモックから起きた。


んっふっふ~。。。

ここ注目ね?何時ものベットじゃないのさ!ハンモックですよ??


あたしが眠れるハンモックといえば宇宙でただ一つ、


「ダンデのハンモックだああああああぁぁぁ!!!うひゃーっほーい!!」


「・・・喜代殿。朝の目覚ましは鶏で十分なんだが。。。」

あ、起こしちゃった??

照れ笑いを浮かべるあたしを寝起きのダンデは少々呆れ顔で眺める。


「さて、いい目覚めとは言い難いが今日はいい天気だなあ。気分はどうだ?」

「もう最っ高!ここって本当に眺めが良いよねぇ。遠くの海の青からのグラデーションも、

絵の具を塗ったみたいな葉の緑も、空気も爽やか~。」

すうっと息を吸っているとさっとダンデが近づいてキスをした。

柔らかい感触は今だ慣れなくて、何だかこしょばい。

ダンデはゆっくり離れてあたしを覗き込むように見、笑う


「ま、これが恋人との朝の常識だしな?」

そういい、面白いように茹でダコのあたしを放ってダンデは着替えるために上へひょいひょい上がっていった。

待て。

あたしはどうすれば良いんだよ。

ダンデが先に行っちゃったら登れないじゃないか。

まあ、いっか。もうちょっと寝よう。。


あたしは昨日までの事を思い返しながら幸せな微睡に入っていく


昨日、罪悪感で一杯のあたしをダンデ、ローズさん、おでこさん(ハイド)、クレマティス

、キャクタス、女中さん達が慰めてくれた。

それでもやっぱりぐずるあたしをダンデは昨夜あたしがきちんと寝付くまで

ハンモックで宥めてくれていたのだった。

そういえば、アゼイリアさんやシスル?さんはどうしたんだろう?

まあ、きっと客室に居るよね?

日帰りな感じ無かったし。


なんとーなくアゼイリアさんを思う時、まだチクチク胸が痛いけど

昨日のダンデの慰め方を知ってからあんまり痛まなくなった。


きっとダンデをもっと信用出来た証拠。

そう思うとにやけてしまう頬を掛け布団に隠しながらすうっと寝息をたてはじめた。


しかし、

その寝息は馬のけたたましい嘶きに掻き消される。


100%覚醒!!!


「な、何!?」

思わず海の方を見ると、馬車が飛んでいた。

すごいスピードで・・・

ひひーーーーーぃぃん!!!


すっげー。馬ってあんなに鳴けるんだ。。。

もう呆然としか出来ない

途端にダンデが窓からあたしを伺う


「喜代殿!今の嘶きは喜代殿が!?」

何とも言えない沈黙の末、喜代は愛おしい人に心から言った。



「死ね。」


---------------------------------

「んもう!朝からシスルの馬で起きちゃったわよ!」

「・・・御免なさい。ローズ。シスルはスピード狂で馬を毎日シゴいているのが常なの。」

「おいおい、大丈夫なのかよ馬は。アゼイリアも何とか言ってやれって。」

「馬子と馬夫はどんな試練にも耐えられる根性を持った自慢の相棒です。

とやかく他人から言われたく無い。」

「まさしく馬だから馬鹿か。。。」

「でも、あたしは分かりますね!相棒って!あたしもホウキと塵取りに名前付けようかな~?」


リビングでの会話は和気あいあい?としたものだった。

だけれども、この会話の輪に入っていない、寧ろ入れない男が一人。


「ちょっとぉダンデちゃんも何か言いなさ・・・御免なさい。無理ね。。。」

ローズは言いかけてやめる。

ダンデの喋れない理由。

頬がパンッパンに膨れ上がりでかいガーゼで覆われ小さい料理しか口に出来ない状態であった。

ハイドはちょいちょいっとクレマティスを呼び、


こしょこしょと質問をしてみた

「・・・なあ、さっき朝食で呼びに行った時何か見てたか?」

「いいえ・・・ただ、あたしの前にキャクタスが寝起きのおっかさんを見るって風の如く去って

行ったッス。」

「キャクタスは?」

「憑き物が付いたように何も見ていないを繰り返してるッス。」


哀れキャクタス。


「あ、ああそうだわ!そろそろ会議の準備に取り掛かりましょう!?キヨちゃんは外で遊んだりしてて?」

思い出したようにローズは言い、朝食の場はお開きとなった。


そしてお昼ごろ。

カサカサと草を踏み踏み喜代は庭の雑草を抜いていた。

「皆今頃会議か~。何かあたしだけちょっと蚊帳の外っぽい。。。」


王帝会議とは、上級貴族から使用人まで全員引っくるめてする10年に一度あるかないかの会議であり、

よって、城からは誰も居なくなるのだった。

ちょっぴり不服だけれど、無事にダンデの戦争行きが無くなります様に!

眩しいお天道さまに手を合わせ、また喜代は庭の草むしりに戻る。

不意に、小さくて小ぶりな紫色の花を見つけた。


何だっけ?物凄く地球にあるのに似ているな。

あ、図書室にいけば分かるかも!


ピューっと何もかもをそのままにして、図書室に駆け込み

本を漁る。


「んーと、あ、あった!そうだそうだ!イヌフグリ!名前も一緒なんだあ!」

そこからどんどん面白くなってつい夢中で図鑑を繰っていくと、

奇妙なことに気がついた。


・・・そういえば、皆の名前は植物だ。


ローズさんは薔薇。クレマティスはクレマチス。キャクタスはサボテン。おでこさん。

ハイド・ランガー?(憶えてた!?)は紫陽花。

アゼイリアさんはツツジ。シスルはあざみ。


ダンデは?ダンデリオンは分かる。


きっとダンデライオン。


たんぽぽだ。


ワクワクしながらそこに浮かぶ黄色いギザギザの葉っぱの絵を探す。

しかし、捲っても捲っても出てこない。

他の図鑑も、次の図鑑も、


無い。


あたしは、以前トリュフが無いと知った事を思い出した。


たんぽぽ、無いのかなぁ。


でも、じゃあ何でダンデリオンはダンデリオンという名なんだろう。。。


存在しないという、たんぽぽが酷く懐かしくて、そしてダンデに逢いたくて、

自然と足は会議室に向いていた。





出来ればこれからガラス~と交代ばんこで週1投稿にします。

ただ、いまかなりテンパっているのでどうなるか分かりませんが

亀更新でも頑張って完結させてみせます!

お読み下さりありがとうございました!!

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