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2・11失われた恋

略して失恋??

あたしは、まだ少し鼻を啜りながら語り出すのであった。。。


「先生ー!佐々山先生ー!」

キョロキョロと園内を駆け巡っていると、

光がちかっと眼に飛び込んで来た。

先生から(主に頭部)漏れ出る光だと、直ぐに分かった。

え?なんでかって?

女の感よ!


まあいいわ。


外の遊具を修理していた先生。結構、腕っ節も良かった。

「先生ー」

テトテトと近寄って行くと先生はにっこりと微笑んでくれた。

後光が美しい

「何ですか?喜代ちゃん。」

「あ、あのね!!あの、その~、、、」

いざとなると顔が真っ赤になり、

もじもじとしてしまう。

先生はキョトンとした顔。キュンと来る。

だって、何時もはしっかり者で優しく、けれども締める所は締める!

ていう感じで頼れる先生のちょっと 抜けた顔だよ!!!

喜代5歳、この年で母性に目覚めました。


そして、その日あたしは人生で初めての、あ、あ、愛の告白を

しようと決意していたのです!!!

30歳差が何だ!

年の差万歳!

ん?ダンデは27!?うそ見えなーい!10年上かよ(笑)


ま、それは置いといて。


結局、その時は言えなかった。

なんか、休み時間が無くなっちゃって、、、

で、幼稚園が終わった後

お昼寝タイムがあった

それをこっそり抜けたあたしは、

先生に会いに行った。

重そうな物をプールの端に置いて、

腰をトントンしている先生に声をかける。

「・・・せ、先生、」

笑える位震えた声と脚

他にも先生が居た

けど、あたしは見えて無かったので、

その時しか無いと勇気を振り絞る。


「おや、喜代ちゃん。ちゃんと寝ていないとダメじゃ無いか。

喜代ちゃんは寝る子は育つという言葉を知ってるかい?」

やめて。そんな子供扱いは嫌!

お願いだから、今はあたしをちゃんと見て!!


「あ、あたし。」

「・・・ん?どうしたんだい?」

「せ、先生の」

「僕の?」



「お嫁さんになりたい!!!!」



ミーンミンミンミンミン!!

ミーンミーン!!!


蝉、うっせえよ・・・こうなんか、雰囲気をもっとさあ、、、、

あ、でも届いたっぽい・・・

先生はキョトンとした顔。

可愛いなんて、今は考えてられなかった。


「喜代ちゃん。」

ゴクリ。唾を嚥下する。

先生が抱き上げてくれた。

初めて、上から見る先生の頭部にあたしは頭が真っ白になる。


「喜代ちゃん。」

「はぃ、、、」

今にも消え入りそうだけど、精一杯だよ。。。

でも、大丈夫!先生は優しいもん!!あたしの事裏切らないもん!!

先生だって、きっと、きっと好きだと言ってくれる!

あたしは、信じてる!!!



「気持ちは嬉しい。本当に、本当に嬉しいです。ありがとうございます。

けれども、僕には大切な恋人が居るのです。

本当に、ごめんなさい。」



刹那。








ブチィッ








手に、触りなれない感触がして

恐る恐る右手を見た。




黒い、艶のある、細い、、、、毛髪が1・2・3・・・・


目をこれでもかと言わんばかりに見開いた先生。

ああ、先生はこめかみのあたりがやけに涼しく感じているだろう。。。

気付けばその場にいた他の先生も口をパッカーンと開けて居る。

あ、あたしは、あたしは今何をした。。。

先生の言葉を聞いて、その瞬間先生とコイビトの一緒に居る所を

想像して、して、、、、





意識が遠のいて行った。





「ダンデ。」

ふっと遠い目をしたあたしは、我が恋人に視線を移し

口を開いた。


「・・・・声が出ない位、爆笑しないでよ。」


そう、ダンデは人の、人の失恋を本人から聞いて爆笑しているのだ!!

くすりっじゃないぞ!?爆笑だぞ!!


目がギラギラして来る!話すんじゃなかっった!!

ぐるっと視線を扉に移す


「あんたらもかい!!!」

ツルの扉が開いていて、

横倒れにローズ、ハイド、キャクタス!?クレマティス、その他諸々の

女中さんが

腹を抱えて転げ回っていた。


この星の人間は、かなり失礼すぎる!!!!


「もお、あったまきた!皆なんて嫌い嫌い大っ嫌い!!」

「わあ!すまなかった喜代殿!!いや、余りにも衝撃的オチで。。。。」


オチとか言うな!


「そ、そうよねえ。笑っちゃ失礼すぎるけれど、、、流石キヨちゃん。。。ブフォウッ」


何が流石!?


「ま、その先生だって許してくれたんだろ?まだ小ちゃい嬢ちゃんだったんだから」

「・・・うん。でも、やっぱり、、、」

「うじうじするなんておっかさんらしくないんだ忍!」

「あたしはおっかさんじゃ無いし、、、」

「てゆうか~、更にハゲて喜代様的にはいんじゃ無いっすか~??」


キラン


「そんな人工的なハゲては嫌あああ!!ハゲってゆうのはねえ、ハゲってゆうのは

選ばれた人間にしか与えられない!神聖な物なの!!

それを、それをあんな嫉妬に塗れた手で穢してしまうなんて、

う、うわあああああああああん!!!」


遂に泣き出してしまった喜代に慌てた彼らは、

明け方まで慰め役に徹したとさ。ちゃんちゃん。













以上、喜代のあああああ、な過去でした!

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