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2・8憂う彼女は恋敵?挿絵有り

こくり、こくり。

ガラスが飛び散った談話室でアゼイリアさんは優雅に紅茶を飲んでいる。


「・・・・シュールだ。」

「?喜代殿何か言ったか?」

「いんや別に・・・はあ。」

彼女を見ていると思わず溜息が漏れる。

するとアゼイリアさんと視線がぶつかった

「あの、ローズ?こちらのお嬢さんは?」

「ああ、そういえば紹介していなかったわね!

ジャーーーーーン!この子はキヨちゃん!!ダンデチャンの彼女よ~ん!」


ぐぐいっとアゼイリアさんの前に出され、とりあえずぺこりとお辞儀をした


「き、喜代と言います。。。」

「・・・・喜代ちゃん?私はアゼイリア・ツリー・・・よろしくね。」

彼女はふわっと微笑んだ。

くうううううう!!!ヤバイ!なんか心臓がおかしい!

脈拍数が異常に高く・・・!


「彼女・・・なのね。」

突然そんなことを言われる。

「ぅえええ!!!?え?あ、ははいいい!そ、そうで、、、す!!」

ええ、ええ、緊張してますとも!

だってなんか、なんかこの人って掴めない!

全て見透かされてる気がする!


「別に・・・全て見透かしては居ないわ?」


見透かされてるぅぅぅぅぅ!?


「あらあら!キヨちゃん気付いた!?リアは人の心が読めるのよ~!

すごいでしょう!?」


ちゅげ~超ちゅげ~。。。(主人公は大変混乱して居ります


するとアゼイリアさんは銀髪強面男を振り返る。

「シスル。」

「はい。アゼイリア様。」

しばし見つめ合う二人。

・・・あれ?なに?何々もしやこの二人!!

ニヤニヤと野次馬根性が育つ


「あらやだ!リア!まさかシスルのことを!?」

いつだって野次馬全開ローズが口を挟む

しかし、おでこさんは何やら呆れた顔でローズさんに言った。

「バーカ。リアは違うだろ。だってあいつには、(ドスッ)!!っげほお!だ、ダンデ!?」

え!?だ、ダンデ!なんでいきなりみぞおちにパンチなんて!!


「・・・すまない手が滑った。」

「ああ、居るよねーそういう人。絶対ウソだってバレバレなのにね~はっはっは。(怒」

しまった!おでこさんの輝かしい額に青筋が!!!

でもそんな姿も素敵だ!

そんな事を考えて、何でもっとダンデの行動に疑問を持たなかったのか、

あたしは激しく後悔をする事になる。


「ダンデリオン。。。」

風鈴の様な声がした。

ダンデはおでこさんとにらめっこしていたが、

呼ばれるなりすぐにアゼイリアさんのそばに行く。


「何だ?リア姉さん。。。」

そして、じっと見つめ合うアゼイリアさんとダンデ。


なんなの。さっきから、てか長くないか?さっきより。え、なんなんだい!?


心がむざむざして来た。

やっと二人の視線が離された。ホッとしたのも束の間


ダンデが衝撃の一言を発する。



「ちょっと俺らは席をはずす。」



そして、すいっとダンデとアゼイリアさんはあたしの横を通り過ぎた。

「な・・・!ちょっと!ダンデェ!!何処行くの!?」

慌てて振り返るけど、ダンデは無視を決め込み

アゼイリアさんだけと視線が絡む。


何かを言いたげな彼女の瞳にあたしは無性に苛立つ。


「厨房。」


アゼイリアさんは口だけでそう言った気がした。


閉じて行くツルの隙間から、

彼女がダンデの腕を握ったのが見える。



!!!



なんなんだよ一体!

まさか、、、アゼイリアさんは、ダンデを、、、?


だとしてもなんでそしたら拒否しないのさ……

彼女の目の前なのに、

あんなに見つめあって、、、

ちくしょう。。。


「ダンデの・・・馬鹿・・・!」


小さい悪態をつくけど、ますますそれはあたしを惨めにさせた。

目頭が熱い。。。

ヤバイ。


誰かが頭を撫でてくれた。

・・・ああ、おでこさんだ。

「嬢ちゃん。まあ、俺もよく分からないんだがアゼイリアの行動は今大目に見てくれないか。

あいつ・・・けっこう色々あんだよ。そして、あいつが最も頼りにしてるのがダンデなんだ。」


・・・全然大目に見れないんだけど?


「色々って?」

「それはーあー言ったらダンデが怒る。」

・・・もしかしてさっきの?

「リアも大変だったからね。。。キヨちゃん。お願いできない?

ダンデチャンを信じてあげて?」


・・・そう、だよね。ちょっとド級の美人がダンデの腕を組んで二人っきりで

部屋をでて行っただけだもん!!!

大丈夫だもん!!



「嬢ちゃん。そう言いながら部屋を出て行くのはちょっとだぜ?」

もうすでに喜代のいない部屋にハイドの声が響いた。


「・・・あら?そういえばシスルは?」

「嬢ちゃんが行くよりも前に出てった。」

「・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

「アゼイリアって罪な女だな。」

「本当に・・・あたしと同じ位にね・・・」

「死ね。」




ダダッダアッダッダッッダッッダダッダダダダダダ!

厨房!厨房!!厨房!!!


「あれ~喜代様お久ッスー!マジ久しじゃないッスか~?」

クレマティス!?

「ね、ねえクレマティス!ダンデとアゼイリアさん見なかった!?」

「えー!?アゼイリア様来てるんスか~?正門にはお見えになって無いッスよ?」

ええいもうどうでもいい!


「ちゅ、厨房って何処だっけ!?」

「ああ、それならここをこうで~まあ、そんな感じッス。」

「ありがとう!じゃ!!」


ダダッダアッダッダッッダッッダダッダダダダダダ!

走り去る喜代を見て、ため息が出た

「喜代様元気ッスね~。」



ダンデ、ダンデ!!何してるの!?

なんで隠すの!?どうしてあたしを見てくれなかったの!?

不安が足を加速させる。


着いた!!!


バッターン!!


「ダンデェ!!!」

「!?き、喜代殿!」


ずっと見つけたかった

アゼイリアさんとダンデを見た瞬間。


心が砕けた。


アゼイリアさんはダンデに抱きつき、ダンデは彼女の背中をさすっている。

その手つきが優しいから、あたしは胸の痛みに耐える様に顔を歪めた。

ダンデの胸に顔を埋めていたアゼイリアさんは、

ゆっくりとこちらに顔を向ける。


・・・アゼイリアさん、泣いてる。


涙に濡れたその顔は、

時を止める程美しい。


・・・嵐が近づいている。

挿絵(By みてみん)

ええ、29日投稿になりまして、すみません!

挿絵を後で付ける予定です。

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