1・3.町山家の方々
いらっしゃいませ
こんばんわ
ガガッザー・・・ガピー・・・・
「義母さん・・・このラジオ凄まじく入らなんだけど・・・。」
リビングには喜代と彼女の継母、幸花{さちか}と古風な丸机の真ん中に
はマーガリン・・・トーストに塗る
残り少ないマーガリンを二人は
争奪し合っていた。
もちろんあたしのこの言葉も相手の集中を欠くためである。
「・・・で?」
幸花は冷たく言い放ちついに喜代のバターナイフに乗ったマーガリンも奪いにかかった。
その時、丸机の側の床下から父親が出てきた。
「「「おはよう」」」
この光景は町山喜代家には恒例である
父は寝相が悪い。昔よりは良い。
だって行く場所が決まって床下が天井裏なので中学の時の様に海外まで探しに行く必要は無い。
まだ探す事ができる。それは、あたしじとっては幸せな方なんだ。
だって、探してもお母さんはもういないから。
リビングの隣の襖の向こうを見る笑う母親の顔がかかった
お仏壇にはお線香が一つ。あたしが立てたものしかない
義母さんはもちろん父さんも立てないそれは
母さんが死んだときから
そして死んでまだ2年経つか経たないかの内に
幸花さんが来て。。。
何時の間にかお母さんの使っていたものや寝室のベットやらは皆
無くなっていた。
粗大ごみにでも出したのか、幸花さんは無口で何を考えてるのか分からない。
そしてここはもうお母さんの居た事を証明することは出来なくなった。
ただ、仏壇とあたしを除いては、、、
「喜代、早く学校に行きなさい。」
父さんも、義母さんも、
「んー。」
追い出したいんでしょう?あたしを・・・
カチャリと家の扉をあける。
そう、あたしはまだ知らない。
もう二度とこの家に、帰ることなどない。ということを。
次はトリップを!!!
では
またのお越しをお待ちしております。