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2・5恋する乙女

久々に喜代視点

ダンデリオン、

大丈夫。何とかするから、絶対にあんたを戦争の道具になんかさせないから。。。。



「ようし!それじゃあとりあえずローズさんの所に行こう!

きちんと話して、力になってもらおうよ!」


グワッシとダンデの手を握り、扉に走り出した


「え?ちょちょちょ、き、喜代殿!?そんないきなり!?」

当然でしょうがに、時間は無いだもん

「ほら!早くダンデ!そんなもたもtうわっぷ!」


ドオンッと何かに激突する音、

額に何かが当たってかなり痛いけど涙目で

ぶつかったモノを見た。


激しく咳き込み、腹を痛そうに抱えてよろけている

ボロボロのハイドが居た。


「!!おでこさん!?どうしたんですか!」

「ハイド?婦女子の部屋入るときはノックをしろ。非常識な奴め」

「う、げっほ!ゴホゴホ!!~~!っゲホ、て、てめえらのせいなん、だけどな?」

?あ、もしかしてぶつかったのおでこさんだったんだ。


「ご、ごめんなさい!急いでたから!」

トントンと背中をさすって、ダンデの方を向く

「じゃ、行こっかダンデ!」

「うむ。じゃあなハイド。」


そう言うと二人は手を取り合って風の如く廊下を掛けていった。


「こらー!廊下を走ってはいけません!」

女中に注意されても掛け続ける。

そんな二人を咳き込みながら見送り、ハイドをは安堵を含んだ息を吐く。


「・・・・・・・・・なんだ。ローズの勝ちだなこの賭けは・・・」

緩んだ口をキュッと結ぶ。

これから忙しくなるな。。。


ダダダダッダダダダダダッダッダダダッダダッダ!!!!

シュルルルルルルルルルルル!


「ローズさあああん!!!ちょいとお話がありまっす!」

半ば滑り込みで入ってきたけど

ローズは驚きもせずに柔らかく微笑んだ。


「・・・・来ると思ってた。」

うわあ、やばい。めっちゃ綺麗な笑顔・・・

いや、見惚れるな自分!

自分を叱咤しつつ、ゴホンッと咳き込み話そうと口を開いた


「ローズ。戦争にいく事、考え直したい。もう、兵器はこりごりだ」

頭上から、低い声が聞こえた。

・・・・・ダンデ。化け物って事、考え直してくれたんだ。。。

胸が熱くじいんっと感動した。


「あ、あの、あたしもダンデの戦争行き断固反対です!ダンデは化け物じゃありません!」

よし!よく言ったあたし!

ローズさんだって、愛弟が戦争にいくなんて嫌なはずだもの。


「!!ダンデ、あなた。。。キヨちゃん。」

「え?はい!!」

「ありがとう。。。ダンデを止めてくれて、、、、」

若干うるうるしたローズさんの目は優しさで溢れて居た。

「ローズ。それで、大臣達にも話さなければいけないんだが、

何かうまくやり込める事は出来ないか?協力を願いたい。」


大臣達?

居たんだ。大臣なんて


「ええ、そうね。彼らを大人しくされるのは骨が折れそうだわ。

でも、やってみましょう!」

ニコッと笑ったローズさん。


どうやら大臣達がダンデを戦争に行かせようとして居るらしい。

「でも!ローズさんは王様じゃ無い!鶴の一声みたいに大臣達の意見なんて、」

「キヨちゃん。この星は王様は居るけど、そんな絶対王政みたいなんかじゃあもう無い。

大臣達の意見だって、複数あれば力はあるの。。。悔しいけど、」


そんな、、、いや、でも目げ無いぞ。なにか方法がある筈だ!


「とりあえず、王帝会議を開きましょう。そこで、大臣達を納得させるのよ。」

「そうだな。戦争の事は敵と和解とかして穏便に済ませたい。」

「そのための策も必要・・・ね。」

「あの、敵って誰なんですか?南の方の戦争とかなんとか、、、」

「敵と言うより、、、地球的に言えば一揆のようなものだ。

国民が不満を持ち、近くの貴族邸を襲ってまわって居るんだ。」


なるほど、でもダンデがわざわざ行かなくてもいいじゃない。


「俺は王邸の者でもある。国民の不満は王政の不満だ。

俺も関わりある。しかし、殺しはもう二度としたくない。これが本心だ。」

「ダンデちゃん・・・お姉さん嬉しいわ。やっと、やっと言ってくれた・・・!」

堰を切って泣くローズさんは凄くうれしそうだった。

良かった。

ダンデが考え直してくれて、本当に良かった。

ダンデが化け物なんてあり得ない。

人殺しを嫌う。普通の優しい常識人だ・・・


ぎゅうっと手を握られた。

見上げると包むような優しい笑顔が目に飛び込んでくる。

唇を動かしている。微かに聞こえる言葉は・・・




『ありがとう』





もう一回動いた









『大好きだ。』





・・・・トクンッ。トクンットクンットクンッ

あ、あれ?やばっ顔があっつい。。。

どどどどうしよう!絶対変な顔してる!

ふ、不意打ちだ。

狡い!あーもーなんかうるっと来てるよぉ。

ダンデのバカ!今そんな事言わなくったっていいじゃないか!!


「喜代殿。そろそろ夜になる。夕食に行こう。ローズもどうだ?」

「ぐすっええ、一緒に行くわ。」

「ふむ、じゃあ行くか喜代殿。・・・喜代殿?」

さり気なく恋人繋ぎにしたつもりだけど、バレたか。

ああもう、考える事とかやるべき事とか一杯あるのに、

なんだかふわふわして考えられない。


不謹慎なのは百も承知。

だけど、、、、お願い。今だけは・・・・



うんと背伸びしてダンデの耳に口を寄せ・・・ようとした。

ウソ、、、全然届かない!?

まじで?

えーちょっとお、今、今凄く勇気ある告白しようとしたのに、、、


「喜代殿?どうしたのだ?背伸びして、」

このニブチン!


「ダンデちゃんキヨちゃん。あたし先行ってるわね」

うふふと言うローズさんの生暖かい笑みが聞こえた。


「あ、ああ。いっといてくれ。……で、喜代殿?」

きょとんとした顔が眩しい。


「ダンデ、、、」

「ん?」

「大好き。」


・・・・・何もそんなあからさまに拍子抜けしなくてもいいじゃん。


ポカーンとしたダンデを鼻で笑う。

大体、ダンデの過去聴く前にも言った!


あたしもって言ったよ?

「聞いてなかった。それどころじゃ無くて。」


「ダンデの過去聞いた後も言った。泣きながら。」

「そういう意味だとは思っていなかった。」



そりゃ無いよセニョリータ・・・・


悲観にくれたあたしを穴があくほど見たダンデは唐突に吹き出した。

「・・・プッははははは!!そうかあ、そうだったか・・・」

なにがそうだったかーだっつうの。


「ふむ、喜代殿。」



「え?何か?」


気づいたらダンデの顔が目の前に来ていた。


驚いて息を呑んだ瞬間・・・!




音も無く唇同士が合わさった。



いきなりの事に凄く凄く

びっくりした。

目を閉じたダンデの睫毛が意外と長くて

びっくりした。

ぬるりと入れられた舌の異様な熱さに

びっくりした。

自分から、鼻の抜けた変な声が出たことに

びっくりした。



「んんっ・・・ふっあぁ。」

舌が絡み合う音が微かに聞こえるけれど、

すぐに心臓の鼓動でかき消されていく


「ぁ、むんっ・・・・・・っはあ!!」

やっと離された!!!


息も絶え絶えだ、、、

だ、ダンデちょっと、いきなり過ぎるんじゃ無い?

だってあたしこれファーストなんだけど!!

ファーストディープって何それ。

なんか乙女の夢があああああ!!!!


「喜代殿。」

「ひゃい!!!」

吐息混じりで耳元で呼ばれたら誰だってこんな風になるよ!!



「これは王様ゲームの命令なんかとは関係無いからな。」

・・・・?王様ゲーム??

なんのお話だそれ。


はてな顔になって居るとパッとダンデが離れた。

「いや、いい。こっちの話だよ。」

そっか、

まあ気になるけどいっか。

「じゃあ、、、その、なんだ行くぞ!喜代殿。」

「うん!!って、あ、あれ?ダンデ!」



ダンデはずんずんと先を歩いてしまった

ちらっと微かに見えた耳は赤い。




~~~~~!!///

なんとも言えない嬉しさを胸に、

白いYシャツで覆われたダンデの広い背中に向かって掛けて行った。


束の間の幸せになんてさせない。


ーもう、二度と大事な人を失わない様にー

決意を決め、喜代は

ダンデの腕に、腕を絡めた。


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