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1・21続・お料理!?教室 挿絵あり

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もの凄い音であたしは目を覚ました。


え?何ここどこ?えーと、確か料理、、、ああ!しまった、早くやらなきゃ!!


ダッシュで保健室の匂いのする部屋を出ると、

第六感で台所をつきとめた。

・・・何じゃこりゃー。どうなっとんじゃこりゃー。

もうもうと煙のあがる部屋に唖然呆然になってしまった。

棒読みの感想を述べると、そうッと中に入る。


人影が見えはじめて、それが見知った人物だと分かった。


「っダンデ!どうしたの!?何でここに!っていうか何してるの?」

同じく呆然と立ち尽くしていた猫のお面に質問を浴びせる。

「・・・喜代殿?ここの材料はきっと全て火薬が入っておるのだ。

そうだ。うん、きっとそうなのだ。」

一人うんうんと頷くけど、そんな事はあり得ないよ?

「ねえダンデ、ダンデって料理した事あるの?」

「昔、リア姉さんと泥製の団子を作った事なら。」

それ違うね。


「そっかー。まあ、あたしも似たような者だし本当は三人だけど二人でも文殊の知恵は

出せるさ!ダンデ、頑張ろうね!!!

一人ではもうやりたく無い!と言うことを目一杯視線で訴える。

「うむ、分かった。頑張ろう。。。喜代殿、魚の目玉は常識的に使わないそうだぞ?」

「え?そうなの?残念。」

「うん。通りすがりのハイドに聞いた。

まずは、料理の本を見るべきだともな。本には色々と書かれて居るらしい。

少し待っていろ。」

スタスタと何処かへ行った彼を見送り

散らかった部屋を見渡す。


・・・掃除のしがいがあるなあ!




ドシドシと大股で廊下を歩く人間が一人。


早く、早く、ローズに知らせなければ!

やばいもんができるぞあんなの・・・

「あ、ハイド様じゃないッスか~。どしたんスか?」

あ、クレマティスじゃねえか。・・・こいつでもいいか。あれを一刻も早く止めなければ。


「クレマティス!頼みがあるんだか、今すぐ厨房に行ってあの馬鹿王子をなんとかしてくれ!

あいつ、絶対に最新兵器を作り出すぞ!!」


「ほぇ?何言ってんスか?ちょー意味不ッスよ~?だって今は厨房は喜代様が・・・」

「何だとお!?やべえ、じゃああの嬢ちゃんの命も危ねえぞ!・・・ああもう!

とりあえず、行ってくれ!頼むから!俺はまだ配達中なんだよ!頼んだぞ!」

風のように去って行くその背中を見ながらクレマティスは頭に疑問が一杯だった。


ナンスカあれ。喜代様の命?・・・まあ、とりあえず、様子ぐらいなら、

そう考えながら足を厨房に向けた。


シュルッシュルルルルル。

「あ、おかえり~遅いじゃん。どうだった?」

「・・・それが奇妙な事にチョコレートに関する本が一冊も残っていなかった。

チョコレートの歴史等はあったけどな。」

大方、それを読み漁っていたんだろうな。。。


すっかり夕方になってきた。

これじゃあ、完成はきっと夜だな~。

「そっかー、じゃあいいよ。やっちゃお?」

「うむ。」

そして二人が手にした物は、


皮むき機と人参。


なんと素晴らしいコンビネーションであろう。

が、

「・・・人参いらなくね?」

「最近は野菜を使った甘味が多いらしい。むしろ、要らないのはそちらであろう?」

「ううん。これでチョコレートを細かく切るんだもん。」

何故かにらみ合う二人。


「あたしの方が要る!」

「いや、俺だ。」

そんなどんぐりの背比べ並の争い事を止めたのは

呆れ顏のクレマティスだった。


「何してんスかー?痴話喧嘩?」

「あ!クレマティス、聞いてよ。チョコレート菓子作るのに

ダンデが人参なんか取り出してきてさあ!」

「いや、皮むき機など不用の極みであるぞ。」

・・・どっちも要らないッス。


バチバチと火花を散らし合う二人は止まらないので、

何を作りたいのか聞いてみる。

「え?トリュフ。」

・・・・ナンスカそれ??

「クレマティス知らないの!?甘くて、柔っこくて丸い。。。」

???

「喜代殿、トリュフは地球にしか無い菓子だ。知らないのも無理はない。」

「ええ!?こんなに食べ物が地球に似ているのに!?そっかー。まあ、うろ覚えだけど

やってみよう!」

気合いを入れ直した喜代とダンデは、料理に取り掛かる。

何も知らないクレマティスに爆発しそうな時を注意されながら、


ゲテモノが出来上がった。


「・・・なんか、俺が見たのと違う気がする。まず、ゲル状ではない。」

他にもツッコミ所は他他あるがな?

本能が食べ物じゃないと警報してるッス。


「だよねー。なんでこんなにゴポゴポいってるんだろう?

ちょっとダンデ味見する?」

え?ちょ、喜代様??

「うむ、見た目悪くても味は悪く無いっていう場合もあるしな。いただこう。」

こーの命しらず☆


「ん、じゃあはい。あーん」

ヘラごと出されたソレはせっかくの甘い雰囲気をぶち壊す色合いだ。


「う、うむ。」そんなこと気にも止めていないダンデは少し嬉しそうに

仮面をずらしてそれを喰らおうとした。


クレマティスは余りの衝撃的な場面を目の当たりにして、膨らませていた風船ガムを

破裂させる。


「ちょちょちょ待つッス!き、喜代様!殺人!それ犯罪ッス!」

「へ?そうかな〜??」しかし時すでに遅し。

モグモグと口を動かしていたダンデは口を開く。

「・・・喜代殿。食べれるぞ?舌が溶け出しそうな刺激が一瞬したが。」

大丈夫ッスか!!?


少々顔が青い事にダンデは気がついていないらしい。


「え!?本当!?やったあ!これで出品出来る!」

飛び跳ねて喜ぶ喜代に二人は?マークを出す。


「出品?何処に?」

「ん?ああ、これだよ。」

そう言って喜代様が渡してきたのは、汚いポスター。

・・・あれ?これって、、、

「喜代様、これもう終わってるッス。ほら、ここ。」

「・・・え。」

「ふむ、本当だな。もう一ヶ月前のだ。喜代殿、こんなの何処で拾った?」

ダンデの疑問は、喜代には聞こえなかったようだ。

喜代は瞳一杯に涙を浮かべると

その場にしゃがみ込みボトボトと泣き出した。

周りが慌てふためく。


「ふ、ふえええええん!ま、魔法の箒がああ!」

ショック…箒欲しかったのにぃ!

一生懸命頑張ったのにい!!

何だったんだよこの苦労は!

もういやだ!料理なんて、、料理なんてぇぇ!!

・・・ポン。


不意に、何かが頭に乗った。

「ふえ??」

上をみるとパタパタと黒いものが飛んでいる。

・・・フライパン?


そこには羽の生えたフライパンが飛んでいた。

「うわあ…なにあれ!面白い!」

「?唯の料理器具だと思うが。」

「ええ!?そうなの?へえーなんかいいかも!箒は残念だったけど、

あたし料理もっとしたくなっちゃった。」


あたしもっと殺人したくなっちゃった・・・?

いや、幻聴ッスね。うん。聞こえない聞こえない。


「でも、どうしよう。捨てるの勿体無いなー。クレマティスも食べる??」

「丁重にお断りいたします!」

遂にクレマティスのギャル語が消える。


「・・・ていうか喜代様。あたし、今日がなんの日か知っていてそれを作ってたと思ってたッス。」

?なんの日?

ダンデを見ても首を捻るばかり。

「だから、今日はバレンタインデーッスよ!女の子が男の子にチョコを贈る!」


え?バレンタイン?とてつもなく聞き慣れた単語だ。

・・・なんでそういう文化は一緒なんだろ。。。あ、本が無かったのもそのためかな?


「ダンデ知ってた?」

「そういう恋愛行事は知らないし、知っていても意味無いだろう?」

ずれた仮面からにっこりとされる。

あー、、、ごめんなさい。


そうか、それなら


「ダンデあげるよ。義・理チョコね?」「え?喜代様?」

誤解を招かない様に義理をつける。


「ギリチョコ?・・・ああ、ギリギリチョコの略しか。確かにギリッギリでチョコの匂いはする。」

この野郎。

「本命のチョコじゃないって事!分かった!?」「二人共、そういう問題じゃ……」


「分かった分かった。俺も地球には居たから分かる。では、いただきます。」

「ダンデ様ストップ!!!」

ガバッと大口を開けたダンデはボールを抱え込み

飲み込んだ。


・・・傾くダンデの身体。


「!!!!!だ、ダンデェ!どうしたの!?大丈夫!?」

「きゃああ!ダンデ様!い、今すぐ手当を!食べたもの吐き出させなきゃッス!」


すると、ちょうどそこにハイドとローズが来た。

「おい!止められたかって、、、ど、どうした!?」

「え?ダンデちゃん!?ダンデちゃん!」


どうしよう。ダンデにとんでもない事しちゃった!ごめん!ごめんねダンデ!

お願い目を覚まして!生き返って!


その一心でダンデの背中を摩ったり、頬を叩いたりする。


「・・・う。」


「「ダンデ!?」」「ダンデちゃん!?」「ダンデ様!?」


うっすらと開けた目を、あたしに向けた。

「ごめん。ごめんなさいダンデ!自分で処理すれば良かった!ほんと、

本当にごめんなさい!」


暫くぼうっとして居たダンデはそっと口を開く。


「・・・本命にしてくれるか?」

「うん、する!何だってするよ!だから、だから元気になってよお願いだから!!」

わあ!っとダンデに泣き崩れる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?


ポンポンとダンデが頭を撫でてくれるが、

嵌められた気が、、、

見上げれば

にんまりと仮面で見えない筈の顔が笑った気がした。




挿絵(By みてみん)







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