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1・13.ドッキング!

ダンデ視点


カツカツカツ…

輝かしいシャンデリアが天井に吊るされているこの廊下は

この城えは自慢の廊下だ。ただ、光が灯っていればなのだが、、、、

なにぶん、ここの廊下は余り使われておらず照明は落とされっぱなしな様だ。

まあいいが。。

そして、

喜代殿と俺はその薄暗い廊下を歩いている。


手を繋いで。


うん、ここは注目すべき点だテストにも出るぞ?

あ、ちなみに世に言う恋人繋ぎではない。

普通の…いや、普通ではないな何せ


指相撲をしあっているのだから。


「1・2・3・4・5・6」ぎぎゅぅーーっと音がする程強く俺の指を押さえつける喜代殿。

だが全く痛くはない。むしろもっと触れ合っていたい。

そして、俺は喜代殿が自らこの遊びに誘ってくれたという

事にいたく感激していた。


…普通は負けた方が良いのだろうか?

いや、しかしわざと負けてあげても喜代殿は喜ばないな。


「7・8・9…」するりと喜代殿の指から自分の節くれだった指を抜き、逆に押さえつける。

「1・2・3・4・5・6・7・8・9・10」

「ぎやああああああああ!」喜代殿の断末魔の叫びが聞こえ慌てて離した


「す、すまない喜代殿!痛かったのか?」

「いんや全然!?唯、ダンデリオン?あんた、ちとKYだね?普通9秒で逆転狙うか?

何?嫌味?いやみなのかコンチクショウ!!」

うむ、文句を言われてしまった。

………では次は8秒だな


ダンデはこの後わざと負けるまで文句を言われる事となるが当の本人が凹んでないので良しとしよう。


「あー!楽しかった!本気を出せばダンデなんて一捻りなんだから!」

晴れ晴れとした喜代殿の顔を見れて満足感にひたる

「喜代殿、もうすぐ目的の所に着く。そこにシェフを呼んで夕食を運ばせよう。」

「うえ!!?まじでもう?どんな所だろ?ドキドキー」

「俺も…実はどんな所までかは聞いてないんだ…楽しみだな。」

喜代殿さえ喜んでくれれば良いのだが…ドキドキだ。


そして俺らはいつものツル製のドアではなく鉄でできた不可解な模様の扉の前に止まった。

「・・・・。」

喜代殿は言葉を無くしているようだ。

確かにかなりの迫力である。。。

「喜代殿、入ろう。」

ぎゅっと喜代殿が握っている手に力を込める。俺もそれに応えながら

扉を開けた。


ぎぎい…



目に飛び込んできた部屋はなんて事のない簡素な部屋だった。

茶色いアンティーク調の椅子と丸いテーブルがある以外まわりは白い壁

一つだけの窓。

部屋の四隅に蝋燭が立ててあり優しい雰囲気にさせている。


「ダンデ、、、綺麗だね。」

「あ、ああ。」

…こんな時、洒落た文句一つ言えないのか俺は……!!


「!え?ちょっとダンデ!窓見て窓!海が!!」

興奮気味で窓を指差す喜代

ダンデはああ、と頷きながら説明した。

「この星は夜間、夕方、は街が海に沈むんだ。街の人はそこら辺の大樹達に家を

作っていて、昼間はテントを張って商売をし、夕方には帰るのだ。」


「ふええ!凄い凄い!なんかガチでファンタジーだよ!…?でもあそこの海が光ってるのは?」

向こうのうすぼんやり光る場所を指す・・・・・あれは、


「りゅ、竜宮城だ。うん。あそこに居るのは特殊な種族なんだ。

城内に入れば息ができるようになっている。」

「へえーあの浦島太郎の?そうか、浦島太郎って異世界トリップだったんだー。」


ブツブツと呟く喜代殿には悪いがそれは嘘だ。


・・・遊郭だ、などと誰が言えるか!!!


「…行ってみたい。」

さらりと爆弾を落とさないでくれ…

「だ、駄目に決まっているじゃないか!」

「やっぱり?亀助けなきゃいけないんだねー。あ、ダンデはいった事ある?」

「!!!む、かし友人に連れられて…少し…」

あまり良い思い出ではない。

むしろ二度とあんな所は御免だ。喜代殿のような愛らしさなど微塵も感じられないし、

俺の仮面を無理矢理剥ぎ取ろうとしたし、それに少しも気持ち良くはなかった。

「ダンデ?どうしたの渋い顔して。」


喜代殿に指摘されて慌ててひそめた眉根を緩める。


せっかくの二人きりに嫌な事を思い出してしまったが、まあ良い。

食事にしよう。


「では、シェフを呼んでこよう。キャクタス。悪いがここまで食事を運んでくれないか?」

「え…ダンデ?誰に言ってるの?何処に居るの?」

喜代殿が辺りを見回す。…見つけられはしないだろう。


こおおおおおっと音がし、砂煙が舞うと同時に小さな人が現れた。

「キャクタスレッド!ただいま参上だ忍!!」

真っ赤な忍者衣装に身を包んだ少年キャクタスは

ご馳走片手にやってきた。


「ご苦労様。悪い、遠かったな。」

「うるさい呪われ王子!今日は大人しく運んで引き下がるが次こそは拙者がその首

頂く忍!!」

何処で覚えたのか、、、苦笑混じりにその頭を撫でてやる。

「ダーンデ…?だ、誰?その子…シェフ?」

喜代殿が変なポーズを取りながらキャクタスを凝視している。


…………時折、キシャーッと奇声が聞こえるが幻聴か?


すると、喜代殿に気づいたキャクタスが目を見開く。

「お」


お……………?


「おっかさん!!!」


言うなりキャクタス喜代殿の胸に飛び込んでいった。


な・・・・・・・!!!!


「ひぎゃあああ!だ、ダンデ!やだやだ取って!?こ、怖いよおお!!!」

喜代殿の顔は尋常じゃない程に青い。若干涙目である。


「おっかさん!!あんたおっかさんにソックリだ忍!う、うわああん!」

「あたしはまだ若いんだ!花の17歳の乙女だーー!ダンデ!早く!!」


肝心のダンデは10才差と言うのに衝撃を受け、

そして喜代に抱き付いているキャクタスが羨ましくて仕方が無く、

一人悶々と胸を嫉妬で煮えたぎらせていた。


あーやっちゃった。。。

ダンデって見せ場無いよなー_| ̄|○



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