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1・11.日常にするために

グリア星最高権力者、ククア・ローズ

ここは彼の(彼女?)寝室


そして、そこはこの星最大の氷点下と化していた・・・


「どういう・・・ことだ?」

固まったダンデの口から、零れるように言葉がでてきた。

「どうって、そのまんまの意味だけど。。。」

首をひねる喜代。


首をひねるダンデ。・・・ゴキリと音がしたが大丈夫かな?

「だから、友達としてはすきって事!」


「同じすきという言葉だ。」

 ハア!!?

「恋と友情は違うでしょうが・・・」


しばしの無言。・・・何なんだ?

「では、俺のこの気持ちは?・・・どちらだろう・・・」

つぶやくようにダンデの言った一言に

あたしはイラッとした。なんじゃそりゃ


「・・・あんた、自分の気持ちもわかんないの?

 それで付き合えとか、かなり意味わかんないんだけど!」

少しダンデが怯んだのを見てあたしはこの馬鹿に説教をしてやると思った。


「いい!?恋っていうのはその人がいなきゃ心が満たされなくて、

 居たらいたでドキドキそわそわして、なんかむず痒くて、

 その人をずっと見てたい(主に頭部)と思って、ん~と、とにかく

 その人の側に居たいって思うの!!!強く!!!」


ダンデは呆然とその説明を聞いていたがハッとした(よくなるな)

そしておもむろに紙の束をワイシャツの胸ポケットから出し、

つらつらと何かを書き始める。

「・・・では、喜代殿。先ほど俺の中で何かがぷつりと切れてあのような

 事を仕出かしてしまったのだが・・・コイと何か関係があるのか?」


「ああ。そう。きれて、いたんだ。・・・うん。あるよ。それは理性の糸だ。

 あたしも切れたことがあるから、その時の感じはよく分かる・・・」

瞼のうらに先生の笑顔が見えた。


・・・あたしは、あの時先生の笑顔を崩そうとしたんだ・・・

 

「・・・よどの。喜代殿!」

「え!な、ななな何!!?・・・てか近い!」

両手を突き出し目前まで近づいたダンデの顔を覆う。


「・・・すまない。確かに近すぎたな。だが、どうしたのだ喜代殿。

 顔色が悪い。ん?待てよ?喜代殿も・・・ある?つまり、まさか。」

ブツブツと俯き、だんだん顔を渋くさせていくダンデ。


「喜代殿も、コイを・・・したのか?いつ?だれに?どうして?

 まだ思っているのか?」

マシンガンかあんたは!こ、怖い!怖いよ顔!しかもまた迫ってるし!


「朝っぱらからアツいわね~人の部屋で。」

人の~らへんからを皮肉のように強調する人物。

この部屋の主、ククア・ローズであった。


「いや。別にイチャついてなくてダンデが意味不なこというから・・・」

「喜代殿と恋について議論をしていた。ほら、これが喜代殿の意見。」

ぺラッとさっき書いていた紙を見せる。


え?ちょっ!何書いてるの!?


「あらやだホント、貴方達へんじんね~恋なんて理屈じゃないのよ!

 本能よ!」

ローズの目が燃えている・・・・ダンデ!書くな書くな!


「なるほど・・・で、貴様に用があったのだ。」

急に声のトーンを落とし、ダンデの目が鋭くなる。やばいかも・・・

「何故大事な客人に物置などを与えた?余りにも酷な仕打ちだ!

 一星の王ともあろうお方がなんと情けない。

この恥さらし奴が、貴様には常識を一から叩き込まなければ気が済まない!」


凄まじい剣幕でローズを責めるダンデ。ガタガタとローズが震え始める。

「や、ち、違うのよ!お願い!お願いだから常識はやめてぇーーーーー!」


あ~あ、ローズさん頭抱えて泣き叫んじゃったじゃん・・・

しょうがないからダンデに理由を話すか、…でもなあ。


「・・・ダンデ。あそこをお願いしたの、あたし」

ピタッ!

ローズさんの髪を引っ張っていたダンデが振り向く。


「?なぜだ?あんなホコリまみれの「だからだよ。」」


ローズ&ダンデ、ポカ~ン。仕方が無いね・・・・


「あたし、掃除が大好きなの!ホコリっぽい?大歓迎!謎の物がある?

 それを整理するのが掃除の醍醐味さ!それにあそこは日当たりが良かったし

 だから、頼んだの。・・・変人って思ったでしょ?」

だから言うのに渋ったのだ。面倒臭い。まあ、今更変な目で見られるのは・・・ね、慣れてる


「もとから・・・思っていたが・・・」

ダンデから失礼な発言が聞こえた。おいこら!

「キヨちゃん・・・素敵ぃ!!!うわ~いいな~掃除好きなんて!!

 いいお嫁さんの第一条件じゃない!」

「へ?」

「うむ。そうだな、この星は整理という概念が余り無いからな。

 ・・・しかし、喜代殿。もう少し早く言ってくれ。・・・ほら」


ダンデの手中にはローズの栗色の柔らかい髪が1本、2本、3本・・・・

ごっそり抜いたなーー!!!!


「きぃやああああ!!!!か、髪は乙女の「陛下はぁ~、男っしょ~?」」


結局、女と言わせてもらえないローズ・・・哀れ!

・・・あれ?今、女の子の声が・・・


「あ、猫の中身もいんじゃ~ん。チョwwウケるんですけどww」

何がウケるんだろ?

入り口に視線を向けるとガムをクチャクチャした小柄な女の子がいた

肌はガン黒で、垂れ目の長いまつげが少し色っぽいそして、

黒のルーズソックス。


・・・どこのギャルやねん!!!


「てゆ~か~その子って例のお妃って子~?陛下ってロリ~?」

「やだもう!違うわよクレマティス!この子はダンデちゃんの!」


「・・・はあ!?あの干からびニャンコの!!?マジありえないんですけど~!」

キャラキャラと笑い転げるクレマティス?という子。

誤解なんだが・・・

「五月蝿い。誤解だ。さっき俺は振られた。・・・諦めはしないが。」


ぼそっと言ったようだがガン聞こえだ!


「ああ、そうだ。クレマティス、お前今は誰にも仕えていないよな?」

ダンデに見られ、ガン黒ギャル子はコクリと頷く。・・・どこか顔が赤い。

「そうですが~なにかあ?」

「喜代殿に仕えてほしいのだ。喜代殿、こちらの黒女はクレマティスと言って、

 この星で一番難しいと言われる女中検定1級を持つ奴だ。

 ・・・まあ見た目はかなりアレだがきっと喜代殿の役に立つ。」


え?え?女中?何それ?必要ないよ?


「そういうわけにもいかない。喜代殿には最高の待遇を約束したし、

 せめて、部屋が物置なら他の事でもてなさせてくれ。いいな?クレマティス。」

クレマティスはニカっと笑い、

「もちろんっスよ~!ダンデ様の思い人の女中なんて鬼楽しそ~う!」

鬼ってなんだ鬼って!


「あ、あと喜代殿、喜代殿はまだこの星の事をなにも知らないだろう?

 一応、この星の言語とニホン語はほぼ同じだからいいが

 これからこの星で生きていくのだ。教育係も必要だな。」


確かに。ずっとこの城の中だけで生きるつもりはないから

この星の事についてもっと知りたいな!


「うん!で、それは誰?」

すると、自分を指差すダンデ

周りが息を呑む音が聞こえた。

「ほ、ほほ本気っスか~ダンデ様???

 き、喜代様、死「クレマティス何か言ったか??」」


ダンデの氷の笑顔に遮られクレマティスが顔を青くして俯いてしまった


死・・・?????


「ダンデちゃん・・・やめ「黙れ。小蝿」」瞬殺。


「喜代殿、安心してくれ。喜代殿を立派な自立した人間に育てるため。

 全身全霊で常識と教養を教えてあげよう。」


そういったダンデの目を見・・・・


死期を悟った。



「・・・これで、もっと長く側に居れるな。・・・やはり、恋なのだな…。」

喜代はこれからの自分の運命に不安を募らせることに

精一杯でダンデの呟きは届かなかった。


そして彼の頬が朱に染まっているのことも・・・



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