九十二首目 森近霖之助
また一日すっぽかしてしまいました……
すみません……
森近霖之助
わが店は 道具にみちて 使い道の
人こそしらね 買ふ人もなし
~意味~
僕の店にはいろんなものが置いてある。その使い道を知ってる人は僕以外にはいないだろうね。まあ、それが原因で買う人もあまりいないんだけど……
霧雨魔理沙
「香霖かー」
博麗霊夢
「というわけで、霖之助さんに来てもらったわ」
森近霖之助
「やあ、こんばんは」
霧雨魔理沙
「で、何を話せばいいんだ?」
森近霖之助
「いや、僕に聞かれても」
博麗霊夢
「特に考えてなかったわ。適当にやってくれればいいから」
森近霖之助
「それが一番難しいんじゃ……」
霧雨魔理沙
「そういえば聞きたいことがあったぜ。
いいかな香霖」
森近霖之助
「どうした魔理沙」
博麗霊夢
「あなたもやってくれるのね……」
霧雨魔理沙
「私のミニ八卦炉に書いてあるこのマークについて教えてくれないか」
森近霖之助
「ああ、八卦のことか」
博麗霊夢
「それ最初の頃の話題じゃない。伏線回収ってやつかしらね」
霧雨魔理沙
「多分違うから」
森近霖之助
「八卦というのは中国の占いで使われるものでね、『乾・坎・艮・震・巽・離・坤・兌』の八つの卦を掛け合わせた結果を使うらしいんだ」
霧雨魔理沙
「じゃこの八面に書かれてるひとつひとつが卦ってわけだ」
森近霖之助
「さらにその八つにはそれぞれ意味があって、『天・水・山・雷・風・火・地・沢』というらしい」
博麗霊夢
「で、守矢の二柱の能力が天地に相当してるってわけね」
森近霖之助
「そういうこと」
霧雨魔理沙
「すっきりしたぜ、ありがとうな、香霖」
博麗霊夢
「今回の詠み手で古道具屋の香霖堂を開いている森近霖之助さんにお話をうかがいました。霖之助さんどうもありがとうございました」
森近霖之助
「また暇な時にでも遊びに来てくれればお茶くらい出すよ」
霧雨魔理沙
「なんで今回なんかよそよそしいんだ?」
博麗霊夢
「別に、流れ的な問題よ」
霧雨魔理沙
「それじゃまたな」
森近霖之助
「あ、古道具屋『香霖堂』をよろしく!」
博麗霊夢
「ここで宣伝してもあんまり意味ないと思うわよ」
森近霖之助
「え、そうなのかい?」
二条院讃岐
わが袖は 潮干にみえぬ 沖の石の
人こそしらね かわくまもなし