八十一首目 詠み人知らず
詠み人知らず
やつめうなぎ 焼く香の方を ながむれば
赤提灯の 屋台ひきけり
~意味~
うなぎを焼くいい香りがするからそっちを見たら、ミスティアのひく屋台があったよ。じゃ、一杯やりますか?
霧雨魔理沙
「うなぎか……最近食べてないな」
博麗霊夢
「じゃ食べに行く?」
霧雨魔理沙
「行きますか」
博麗霊夢
「あ、最初に言っとくけど」
霧雨魔理沙
「なんだ?」
博麗霊夢
「あなたのおごりだからね」
霧雨魔理沙
「………」
ミスティア・ローレライ
「いらっしゃい」
霧雨魔理沙
「うなぎ二人前ね」
ミスティア・ローレライ
「ありがとうございます」
博麗霊夢
「というわけで今回は屋台に来ちゃったんだけど」
霧雨魔理沙
「特に話すネタもないと」
ミスティア・ローレライ
「何の話です?」
博麗霊夢
「覚えてるかしら、私たち今百人一首をやってるのよ」
ミスティア・ローレライ
「はて」
博麗霊夢
「あなたにも詠んでもらったんだけど……」
霧雨魔理沙
「覚えてるわけないだろ、鳥頭なんだから」
ミスティア・ローレライ
「とりあえずうなぎ二人前焼けましたよ」
博麗霊夢
「ありがと、じゃいただきます」
霧雨魔理沙
「いただきます」
ミスティア・ローレライ
「どうですか、味の方は?」
霧雨魔理沙
「ああ、旨いぜ」
博麗霊夢
「ええ、これは美味しいわね」
ミスティア・ローレライ
「それは良かった」
霧雨魔理沙
「ところで霊夢」
博麗霊夢
「どうした魔理沙」
霧雨魔理沙
「歌のことなんだけど……」
博麗霊夢
「あんなもの元の歌ちょっといじるだけよ」
霧雨魔理沙
「それが難しいんだろ」
ミスティア・ローレライ
「歌なら私が教えましょうか?」
霧雨魔理沙
「いや、そっちの歌じゃないんだ」
博麗霊夢
「ああ美味しかった」
霧雨魔理沙
「食べ終わってるし」
博麗霊夢
「屋台に来て良かったわね」
霧雨魔理沙
「うなぎが食べられたから良しとするか。ミスティア、お勘定」
ミスティア・ローレライ
「二人前で、えー、700円かな」
霧雨魔理沙
「間違ってても知らねえからな、はい700円」
ミスティア・ローレライ
「毎度ありー」
博麗霊夢
「また屋台行こうかしらね」
霧雨魔理沙
「もうおごりは無しだからな」
博麗霊夢
「えー」
霧雨魔理沙
「えー、じゃない!」
後徳大寺左大臣
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
ただありあけの 月ぞ残れる