八十首目 詠み兎知らず
詠み兎知らず
ながながと 床まで伸びる 黒髪の
姫様けさも ものを思ふや
~意味~
長い黒髪の美しい我らが姫、「蓬莱山輝夜」。けさもなにやら物思いにふけっている様です。
霧雨魔理沙
「まだ出てくるのか……」
博麗霊夢
「なんのこと?」
霧雨魔理沙
「兎だよ」
博麗霊夢
「いっぱいいるんだから仕方ないでしょ」
霧雨魔理沙
「まあな」
博麗霊夢
「天狗よりははるかにマシだと思うけど」
霧雨魔理沙
「まあそうだけど」
博麗霊夢
「そういえば黒髪ってあんまりいないわね」
霧雨魔理沙
「輝夜だけか?」
博麗霊夢
「あなたの目は何を見てるのかしら?」
霧雨魔理沙
「あぁ、お前も黒か」
博麗霊夢
「あなたは金髪だし、和風っぽい幽々子も髪はピンクだし」
霧雨魔理沙
「中には毛先に行くと色が変わるなんてのもいたな」
博麗霊夢
「日本なのに黒髪が希少価値を持つってどういうことなの……」
霧雨魔理沙
「ここは幻想郷、常識を求めたら負けだぜ」
博麗霊夢
「そうね」
霧雨魔理沙
「ところで霊夢」
博麗霊夢
「どうした魔理沙」
霧雨魔理沙
「この間紫に会った時に『ありがとウサギ』とか言われたんだけど、なんか知らないか?」
博麗霊夢
「あ、それ私も言われた」
霧雨魔理沙
「あとは『おはよウナギ』とか」
博麗霊夢
「あ、それ私も言われた」
霧雨魔理沙
「なんなんだ? なんか意味があるのか?」
八雲紫
「こんにちワン。それは『魔法の言葉』よ」
霧雨魔理沙
「聞いたことないぜ。呪文の一種か?」
八雲紫
「外の世界で今盛んに行われている魔法だから知らないのも無理ないわ」
博麗霊夢
「最近あったかくなったからって出番多くない?」
八雲紫
「気にしたらダメよ」
霧雨魔理沙
「で、どういう魔法なんだ?」
八雲紫
「友達の増える魔法『ポポポポ~ン』よ」
博麗霊夢
「なんなのよそれ、うさん臭すぎる……」
待賢門院堀川
ながからむ 心も知らず 黒髪の
乱れてけさは 物をこそ思へ