七十五首目 犬走椛
犬走椛
曲者を 払えとの指示を いのちにて
もみぢ見回る このいぬばしり
~意味~
「怪しい奴が来たら追い払え」私の仕事は哨戒。この言葉を忠実に守って、私は紅葉の舞う中を見回るのです。
霧雨魔理沙
「私たちはあの時曲者だったのか」
博麗霊夢
「そりゃ突然押しかけて行ってるんだから曲者でしょう」
霧雨魔理沙
「警備員も大変だな」
博麗霊夢
「でも曲者が来なかったら暇よ」
霧雨魔理沙
「まあ何もする事はないわな」
博麗霊夢
「ただそこで時間つぶしてるだけでお金もらえるのよ?結構いい仕事ね」
霧雨魔理沙
「なんか変なこと考えてないか?」
博麗霊夢
「決めたわ、私、警備員になる!」
霧雨魔理沙
「……どこの?」
博麗霊夢
「……博麗神社?」
霧雨魔理沙
「誰が金出してくれるんだよ」
博麗霊夢
「じゃあ紅魔館は?」
霧雨魔理沙
「立派な門番さんがいるだろ、あそこには」
博麗霊夢
「白玉楼は?」
霧雨魔理沙
「あそこはめちゃくちゃ広いからな……必要としてるかもな」
博麗霊夢
「でしょ?」
霧雨魔理沙
「でも広いからな……一周見回るだけで一日かかりそうな勢いだしな」
博麗霊夢
「う……じゃ無理ね」
霧雨魔理沙
「あきらめんのかよ」
博麗霊夢
「楽するのが目的なんだから」
霧雨魔理沙
「そんな警備員初めて見た」
博麗霊夢
「どうもありがとう」
霧雨魔理沙
「いや誉めてないからね?」
博麗霊夢
「次よ、永遠亭」
霧雨魔理沙
「『迷いの竹林』っつう防衛システムがあるからいらない」
博麗霊夢
「まだよ、守矢神社」
霧雨魔理沙
「二柱も神がいるからいらない」
博麗霊夢
「じゃ地霊殿」
霧雨魔理沙
「行く人がいない」
博麗霊夢
「命蓮寺」
霧雨魔理沙
「白蓮がいれば平気、諦めな」
博麗霊夢
「諦めんなって言ったのはそっちじゃない」
霧雨魔理沙
「警備したって金を払ってくれる人はいねえよ」
博麗霊夢
「まだあるじゃない」
霧雨魔理沙
「は?」
博麗霊夢
「あなたの店、霧雨魔法店」
霧雨魔理沙
「自分の店くらい自分で守れるわ」
博麗霊夢
「あーあ、せっかくいい財源が見つかったと思ったのにな……」
藤原基俊
ちぎりおきし させもが露を いのちにて
あはれ今年の 秋もいぬめり
アナザーストーリー?
霧雨魔理沙
「これでやっと天狗も出尽くしたな」
博麗霊夢
「あ、そうね」
霧雨魔理沙
「もう出てこないよな」
博麗霊夢
「……さあ?」
霧雨魔理沙
「え?」