六十二首目 比那名居天子
比那名居天子
暇つぶし 天のつるぎで はかるとも
スキマ妖怪 紫許さず
~意味~
天界の暮らしがあまりにも退屈だったから、緋想の剣を持ち出して異変を企ててみた。八雲紫に凄い怒られた。
霧雨魔理沙
「初めてだったよな」
博麗霊夢
「紫があそこまで本気で怒ったのはね」
霧雨魔理沙
「いやいや、異変のために異変起こした人?っていうのは」
博麗霊夢
「あ~、そうだったわね」
霧雨魔理沙
「天人ってのも初めてか」
博麗霊夢
「そうね」
霧雨魔理沙
「さて、」
博麗霊夢
「今回は、」
霧雨魔理沙
「どうする?」
博麗霊夢
「天子の帽子に乗っている桃に掛けまして、」
霧雨魔理沙
「ほう」
博麗霊夢
「東方桃太郎を説く、ってのは?」
霧雨魔理沙
「その心は?」
博麗霊夢
「何言ってんの?なぞかけじゃないわよ、これ」
霧雨魔理沙
「いや、掛けまして、説く、とか言うから…」
博麗霊夢
「説くの字が違うでしょう」
霧雨魔理沙
「そうだな」
博麗霊夢
「じゃ始めるわよ。むかしむかしあるところに、」
霧雨魔理沙
「幽々子と紫がいました」
博麗霊夢
「ある日のこと、紫は山へ芝刈りに、幽々子は川へ洗濯に行きました」
霧雨魔理沙
「幽々子が川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がドンブラコと流れてきました」
博麗霊夢
「その頃紫は山で会った九尾の狐を倒して式神にしていました」
霧雨魔理沙
「すげえな紫」
博麗霊夢
「おじい…紫が式神の藍を従えて家に帰ってくると、幽々子はちょうど桃を食べ終えたところでした」
霧雨魔理沙
「あれ?桃の中にいた赤ん坊は?」
博麗霊夢
「『中に誰もいませんよ?』こうして幽々子はお腹いっぱいになりましたとさ。めでたしめでたし」
霧雨魔理沙
「おい!これなんの話だ!」
博麗霊夢
「あなたが途中で私に任せっきりにするからこうなるのよ。全部あなたのせいよ?」
霧雨魔理沙
「え……」
清少納言
夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも
よに逢坂の 関はゆるさじ
清少納言と紫式部は対立してるイメージから今回は天子になりましたとさ。めでたしめでたし。
霧雨魔理沙
「今度は霊夢に任せないようにしよう……」